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この4カ国はこうしてうまくやった。

これは以下の記事の要約です。ツイートしたものをここにまとめました。

As governments fumbled their coronavirus response, these four got it right. Here's how.
By Angela Dewan, Henrik Pettersson and Natalie Croker, CNNPublished Apr 16, 2020 1:45:12 PM

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コロナウイルスが出てきて

「否定 → グズグズ → 結局ロックダウン」

というのが多くの国のパターンだった。ほとんどの国が初期段階での教訓を学んていない。が、4カ国は例外的に正しく対処した、そこから学ぼうという記事。

台湾、アイスランド、韓国、ドイツ。

[台湾]

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1月末の時点で、台湾の感染者は世界で二番目に多かったと推定されている。しかし、昨日の時点で、390人の感染者と6人の死者で、新規感染者はゼロだ。平坦化するような曲線さえなかった。

この成功は、

●準備
●スピード
●中央の指揮
●厳格な追跡調査

による。

学び1:準備 (Lesson 1: Be prepared)
台湾は、181人を失った2003年のSARSのアウトブレークを教訓とし、Central Epidemic Command Centerを作った。アウトブレークが発生すると、ここの対応が発動する。

まだ一人も感染者が出ていない1月20日、CECCの対応が発動された。

これによって、長い政治プロセス抜きで、厳格な対策が直ぐに稼働することができる。

最初の3週間で120のアクションが実施された。このリストだけで対処マニュアルになる。

学び2:スピード(Lesson 2: Be quick)
最初の感染者が確認された1月21日より3週間前、中国がWHOに報告してから数日後、武漢から到着するフライトに台湾の職員が乗り、熱と肺炎の症状の検査を開始した。
1月20日:武漢への渡航警告を出す。
1月22日:全国民へ向けて、毎日のアップデートを開始。
1月28日:政府発行のスマホによって検疫中個人の電子モニタリングを開始。湖北省を中心に渡航制限開始。
以後2月末まで、ほぼ毎日新しい対策が発表される。

4月1日:感染者はまだ329人。ソーシャルディスタンシングを開始。
比較:3月20日に英首相ジョンソンは飲食店を閉め、学校を閉鎖したが、その段階で3000人の感染者と335人の死者。しかも、検査を広く実施しなかったので実態は分からない。

学び3:検査・追跡・隔離(Lesson 3: Test, trace and quarantine)
広範囲な検査と追跡調査を実施し、感染者は全て隔離した。クルーズ船から下車した者は全員検査、インフルエンザもしくは肺炎と診断されて者も全員検査して見逃しを防いだ。

学び4:データとテクノロジー(Lesson 4: Use data and tech)
国民健康保険データを入国データベースと統合して、脆弱な人口を特定するための警告をリアルタイムで出す。
このデータベースによって、感染の広がりを監視し、初期段階で探知することができる。
海外渡航後、14日間のオンラインによる毎日の報告を義務化。

55,000人の自宅隔離者の "Digital Fencing" を実施。これによって、隔離中の者が自宅から離れると警告が出る。

これらのテク利用の監視に対して市民グループはプライバシーの問題を懸念する。

[アイスランド]

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アイスランドでは検査を受けたい人全員が検査を受けることができる。
これまでの感染者は約1,700人、死者は8人。

学び5:攻撃的に(Lesson 5: Be aggressive)
攻撃的に感染者を発見し、隔離する。警察と医療システムを使い、新規感染者のコンタクトを徹底的にする。
新規感染者の60%は既に隔離されているものであった。

学び6官民協力(Lesson 6: Get the private sector involved)
官民の共同として、アイスランド国立大学病院とバイオテク企業のdeCODE Geneticsが共同で検査を早い時期に開発した。最終的な目的は全国民を検査すること。既に世界にとって有益な研究所となっている。

この研究所で発見された感染者の50%が無症状であることが分かったことにより、感染拡大が当初考えられていたより難しいことが分かった。これにより、各国はいっそう厳格なソーシャルディスタンシングを実施するようになった。

大規模検査によって、これまでに528の変異が発見された。これは、このウイルスがどれくらい生命の脅威になるのかなど、より深く理解するための材料を与えてくれる。

学び7:予防(Lesson 7: Act preventatively)
3月3日:入国者の中から6人の感染が発見された。アイスランドは即座にイタリアからの帰国者全員を隔離した。
3月8日:初めてのコミュニティ感染者が二人発見され、直ぐに緊急事態宣言が出された。
3月13日:大学・短大が閉鎖される。
3月16日:100人以上の集会禁止。この段階で、感染者61人、死者ゼロ。
3月19日:全ての入国者に14日間の隔離が義務となる。
3月24日:コロナ感染による初めての死者。同日、20人以上の集会を禁止、バー、プール、美術館、ジムなど全て閉鎖。

学び8:テクノロジーとプライバシー(Lesson 8: Use tech, but respect privacy)
ウイルスの拡がりを確認できるアプリを政府がダウンロードできるように用意。ユーザーの居場所のログが記録できるが、政府とシェアする義務はない。但し、追跡調査に役立つので、多くの人が自発的にシェアする。

[韓国]

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韓国で最初の感染者が発見されたのは、米国と英国とだいたい同じ頃だった。現在、韓国の1日の新規感染者数は約30人、英国は約5千人、米国は約2万人。

致死率は韓国では10万人に1人未満、英国は約18人、米国は約8人。

学び9:ドライブスルー検査(Lesson 9: You can drive-through test)
早期検査、早期隔離、早期治療が鍵と考える。全国500箇所以上にスクリーニング・クリニックを設置、疑わしければ検査する、少人数で短時間に検査を実施するシステムを構築。

全国に数百のドライブ・スルー検査場を設置。ほぼ無料で迅速に、かつスタッフが距離をおいて検査を実施できる。

3月16日:WHOが各国政府に検査、検査、検査と呼びかけたが、その時、韓国は既に数週間検査を行っていた。現在の検査数は50万を越える。

韓国は既に1月3日から武漢からの帰国者を隔離しスクリーニングを開始。これは韓国で最初の感染者が出るより2週間以上前のことだ。

韓国は厳格な追跡調査を行う。宗教施設で大量感染者が出た時、追跡調査によって集中的に検査を実施する地域を特定できた。発見された感染者を隔離することによって大量の死者が発生することを防止することができた。

学び10:過去から学ぶ(Lesson 10: Learn from the past)
韓国は、2015年MERSに襲われ、186人の感染者と中東以外では最大の38人の死者を出した。
その経験から政治的意志を動員するのは問題なく、中央と地方の連携もうまく取れた。

韓国が技術確信が進んでいることも有利に働いた。生活にオンラインで行うことが行き渡っており、隔離中の人のモニターをするためにアプリを開発し使うことにも抵抗はなかった。プライバシーの侵害を警告する活動家はいるが。

[ドイツ]

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ドイツは上の三ヶ国と少し違う。感染者は13万人以上で世界で五番目の多さ。

但し、致死率が低い。ドイツでは、10万人当たり4人が死んだが、イタリアは35人、英国は18人。

学び11:制限を減らせば検査を増やす(Lesson 11: Test more as restrictions ease)
ドイツの成功の鍵は大規模検査にある。最初から中央の数カ所の試験所に頼らず、多数の民間試験所を巻き込むことによって、1日に10万検査が可能になった。
広範囲の検査によって、ドイツ人の間で何が起きているかを可視化することができる。

ドイツも上記三ヶ国同様、最初の死者が出る前に検査体制を整え、早期に大量の検査キットを準備した。

徐々にロックダウンを緩和するにつれ、検査をいっそう増やす計画をしている。さらに抗体検査を実施して、誰が免疫を持っているかと特定する。

ドイツの死者数は比較的低いままだが、増加傾向がある。早期では若い層がスキーリゾートで感染して持ち帰っていたので、致死率は低かったが、現在はコミュニティ内での感染が増えたために感染者の年齢層が上がった体と考えられている。

学び12:医療キャパシティ(Lesson 12: Build capacity at hospitals)
世界の医療の質のランキングで、ドイツは18位、英国は28位、米国は29位。イタリアは9位で厳格な検査を実施していた。

ドイツが違いを付けたのは、その巨大な医療キャパシティであった。

ドイツのアウトブレークの頂点で必要になるベッド数は12,000と予測されたが、ドイツには、その10倍以上の147,000のベッドがあった。
比較すると、米国のベッド数は94,000で、15,000のベッドが不足すると予測されていた。
さらにICUにはそれ以上のスペアベッドがある。

十分なキャパがあるので、ドイツは、現在イタリア、スペイン、フランスの患者を受け入れている。

キャパに余裕があるので、重症化する前に患者を入院させ、最悪になる前に人工呼吸器につけることによって、生存のチャンスを上げている。それがドイツの致死率の低さに現れている。

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元のツイートはこれから始まる連ツイ。


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