大人の体系的学習。インプットの質を上げる

弊社 GMO ペパボ CTO あんちぽさんと交流している内に、私の学習について振り返る機会を得た。インプットを良くしているという前置きを踏まえて、「本質的な知識を体系的に理解すること」ができているだろうかという内省に誘導する声かけをもらった次第。

昨日もインプットした内容を日記に載せたが、見てくれていたのかもしれないなあ。


私自身、最近は「気になったことの全体像を把握できるようにインプットする」ということを繰り返していて、ともあれば表面的と言えるような理解に留まっていたように感じる。

今日の話だが「システム設計 (アーキテクチャ設計に近い)」というテーマについて以下の本を読了したが、「体系的に理解できたか」というとぼんやりとしか説明できないのだからまだ足りないのだろう


体系的な知識とは

さて、「本質的な知識を体系的に理解すること」という命題についてだが、じゃあどうしたら良いのかというと、体系的な知識について考えてみれば早い。

まず「体系的」とは、馬田隆明氏 @tumada が書かれた解像度の視点が当てはまるように思う。


つまり、体系的な知識とはお互いに木構造のような関係性を持っており、歴史性を持っているわけだ。そして、これを代表する概念がある。学問だ。


学問とは、体系的にとりまとめられた知識の集合である。

学問(がくもん、(英: learning[1], study[1], science(s)[1][2])または学術(がくじゅつ)とは[3]、学び習うこと[4]、新知識の学習[4]、一定の理論に基づいて体系化された知識と方法[2]。歴史学・心理学・言語学などの人文学、政治学・法律学などの社会科学、物理学・化学などの自然科学などの総称。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A6%E5%95%8F

余談だが、学校とはそのよう体系的知識を効率的かつ効果的に授受するためのパッケージングされたサービスであると解釈することができる。そう考えると、学ぶために良い学校に行くというのは実に理に叶っている。


さて、「本質的な知識を体系的に理解する」ためにどうしたらよいのかという命題に戻ると、つまり学校教育を思い返せば良い。結論を述べると、「知識の解像度を全体像から順番に高めていく」ことだ。


大学進学した経験がある人は、大学教育を思い返すと良いのではないだろうか。ただ大学を卒業して現在は通っていない私が、何かのテーマについて先ほどの命題を叶えたいと願ったところで、(公開講義などもあるので不可能ではないが) 難しいだろう。

ただ教科書は調べたら分かるため、例として鹿児島大学の「プログラミング序論演習  【先進工学科(情報生体工学PG)】」のシラバスを見てみると「新・明解C言語 入門編 第2版」となっていた。

第1章 まずは慣れよう
第2章 演算と型
第3章 プログラムの流れの分岐
第4章 プログラムの流れの繰返し
第5章 配 列
第6章 関 数
第7章 基本型
第8章 いろいろなプログラムを作ってみよう
第9章 文字列の基本
第10章 ポインタ
第11章 文字列とポインタ
第12章 構造体
第13章 ファイル処理

https://www.sbcr.jp/product/4815609795/

私はC言語に疎いため確かなことは言えないが、この書籍の内容は「プログラミングについて体系的に理解できる」と言える内容と思える。あくまで入門的だが。


要するに、3年前に書いたこの記事に行き当たるのだ。

以下はあんちぽさんの言葉の引用。

以前に書いたが、僕があらたなジャンルを勉強するときのスタイルとして、とりあえず入門書をたくさん読むというのがある。

いきなりちゃんとした教科書を読むより、自分でも理解できるものを何冊も読むほうが挫折しない。また、何冊もよむことで、入門書とはいっても多少は扱う範囲がバラけているので、そこそこちゃんと全体像を得られるだろうと思う。
そして、何冊も読んでいくとだんだん初めて見るようなことや理解できないことが少なくなっていく。つまり、学習効率が低くなっていく。そうなるとうれしい。次のステップへ行く段階だということだからだ。そんなわけで、いまやってることも次のステップへ。

このやりかたは効率は悪いしお金もかかるかも知れないが、挫折はしにくい(もちろん、本を何冊も読むことに抵抗がないという前提はあるが)。
どんなに効率がよくても自分が挫折するとゼロなので、それなら効率悪くても挫折しないほうがいい。

(引用)学習効率が下がってきてうれしい
Web系上場企業CTOが考えるプログラミング初学者の学習について

本日あんちぽさんから受けたフィードバックの中に、当たり前と言えばそうである具体的な方法があるので、併せて引用する

既存のジャンルには大抵「体系」を網羅する本のリストがあるはずで、体系を知りたければどういう本をどういう順番で読むといいのかはあらかじめわかるはずです

あんちぽさんの発言


大人の学習

さて、知識の解像度を全体像から順番に高めていくと、本質的な知識を身につけられる (体系的に理解していることにより、知識の重要度の判断ができる、という風に私は理解している) だけでなく、効率的かつ効果的なことはわかった。ここで「大人の学習」という話に及ぶ。

対応するのは「子供の学習」となるが、念のため断っておくと、どちらかが優れているとか、大人の学習 = 体系的という主旨でもない。ただし、子供は誰かから教えられたりそのような経験をするわけでもなければ、「体系的に学ぶことが良い」とは思い至ることは少ないだろう。その観点において、大人が「大人の学習」をする方が「体系的な知識」に近づきやすくなる。


「大人の学習」とは次の表のようになる。

あんちぽさんの発言を元に筆者が作表


学習の転移だけに留まらず、大人が持ち得るものを活用した学習法である


おわりに

最近のインプットを内省する大変良い機会となりました。日頃から痛快かつ有意義なフィードバックをいただけるあんちぽさんに感謝を残します。



(追記) この記事をもう少し深掘りする日記を書いた

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