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【HSP】認知のゆがみにアプローチする

前回のHSPさん向け記事では、
「思い癖の支配を緩めていく」
をテーマに書かせていただきました。

今回はその続きとして、
具体的な方法に触れてみたいと思います。

▼前回の内容はこちらです

HSPの第一人者であるアーロン博士は、
認知行動療法について
『すべてのHSPがどこかの時点で
受けるべきものであると考える』

としています。

HSPの生きにくさを緩和するのに
認知行動療法が有効であるようです。

私たちの心の問題の多くは、
なんらかの認知のゆがみによって
引き起こされています。

この認知のゆがみに着目し、
自分の偏った思考パターンに気づいて
修正し、生きやすくする
のが
認知行動療法です。

HSPさんの考え方(認知)に働きかけ、
行動を促していく方法です。
とても合理的・理性的な方法と言えるでしょう。

偏ったものの見方を変える
という手法に着目したのがアルバート・エリスです。

エリス博士は自らの不幸な生い立ちをもとに
行動を起こすことで自分を変容させた体験を持ちます。

ここではエリス博士のABC理論に触れてみます。

ABC理論とは、アルバート・エリス(Albert Ellis)が1955年に提唱した「論理療法」の中心概念です。出来事(A)信念(B)結果(C)からなる認知に焦点をあてた考え方。ABCDE理論とも呼ばれます。
「人は見えている世界をどう受けとっているか、その受けとり方で見ている世界は違う」と考えます。まったく同じ場所で同じ経験をしても、人はそれぞれ異なった受け取り方や感じ方をしているため、ある人は喜び、ある人は悲しむといった違いが生まれます。
この物事の受け取り方である「B:信念」を論理的に書きかえることで不適応を治療しようとするのが、論理療法のABC理論です。
なにかいやなことがあると
「A:出来事」
によって引き起こされた心理的な問題は、その出来事に対してその人の「B:信念」が不適切な解釈をした「C:結果」と言えるので、その解釈(イラショナル・ビリーフ:不適切な解釈)を修正し正しい解釈ができるように導くことが治療的アプローチです。

カウンセラーWeb『ABC理論とは』より

なにか嫌なことがあったとします。 
繊細さんが「仕事でミスをしてしまった」
としましょう。

「A:出来事」……仕事でミスをした
   ↓↓↓
「C:結果」……自分自身に失望し落胆した

しかし、この間には実際には
見えざる「B:信念」の不適切な解釈が存在します。

「B:信念」……私はHSPで社会不適合者だ。
何をやっても失敗ばかりしている。

これが思い込みであり、
認知のゆがみの部分になります。
このBに対して自分自身で反論します。

「D:非合理的なBに対する反論」
……ミスは誰でもするし、また挽回すればよい。
HSPだから社会不適合だとは限らず、
自分に合ったやり方をみつけて
社会と折り合いをつけることもできる。

といったように。

すると先ほどのCとは違った
「E:効果」……気持ちを立て直そう
あるいは、もっと自分に合った仕事を見つけよう

と修正されました。

これら「ABCDE」はそれぞれ、
Activating event(出来事)
Belief(信念)
Consequence(結果としての感情)
Dispute(反論)
Effects(効果)
の頭文字を取ったものです。
「ABCDE」理論とも呼ばれています。

HSPさんが抑うつ的になると

〇なにもかもうまくいかない
〇誰も理解してくれない
〇どうせ私なんて……

のような思い込みに支配されてしまいます。

しかし、これらは決して客観的事実でなく
勘違い、誤解、勝手な解釈がほとんどです。

実は私たちはこうした色眼鏡で
世界を見ているといえます。

冷静にものごとを見ていくと
いかに思い込みやその場の感情で
動かされているかに気づくでしょう。

ひとは無意識に
自分が見ている世界を
ほかの人も同じように見ていると
思いがちですが、
実はそんなことはありません。

ものの見え方は
私たちの経験や価値観、
その時の感情などによって左右されます。

認知行動療法をうまく取り入れれば、
人生をよりよい方向に導いていくことも
可能になるのではないかと思います。

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