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【詩】コツコツと・8 of Pentacles

彼は職人気質
コツコツと
目の前の作業に没頭してきた
たとえそれが
地味で繰り返しの多い
単調な工程であっても

テクニックや応用力を使って
派手に何かを成し遂げるのではなく
焦らず一心に積み重ねていく
そこには小さな努力を
惜しまない
姿がある

地のエレメントは
文字通り地に足のついた状態を指す
現実的な課題に
着実に取り組んでいくことで
堅固な足場が築き上げられてゆくだろう

8という数は
物質世界の安定性を表す
4がふたつ重ねられたものだ
安定した基盤という意味が
より強調されていると読める

あるいは8の持つ無限性は
地道なものの積み重ねによって
解放されてゆくということを
暗示するということもできそうだ

柱に飾られたペンタクルの一つひとつが
職人である彼の作品だ
それらは少し
不揃いのようにも見える
まだまだ磨くべきものが
あるのかもしれない

背景はニュートラルなグレイだ
成果が出るのはまだ先のようだ
この人物がどれだけ成長するかは
まだ未知数ということだろう

遠くには街並みが見える
人々が行き来し
品定めをしている場所だ
今は工房に閉じこもって
人々からは距離を置き
自分のなすべき作業に集中する

彼はこの仕事を
誇りに思っているようだ
集中する職人の中には
熱意と精神的な気高さの
両方が宿っている
それはこのカードに
意味深長に使われている
色彩からも読み取ることができるのだ




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