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【詩的散文】19・太陽の光は拡大する

星、月、太陽と続く天体は
世界霊魂・アニマムンディの体に相当する

彼女の胸には真の太陽がある。彼女の腹には月がある。彼女の心臓は星辰や惑星に光を与えている。

『魔法と錬金術の百科事典』より

太陽は拡大するパワーを
月は揺れ動く感情を
星は洞察力を表しており
三つで一つの全体を構成している

月が女性原理の象徴であるとき
太陽は男性原理の象徴とされた
賢者の石が作られる際の
王妃と結びつく王であった

自分自身で輝きを放つ太陽は
受動的な月に対して能動的だ
太陽は大地や海を従え
光、生命、自由、活力、創造性
といったイメージに結びついている

タロット19番の「太陽」では
21本の光線を放つ大きな太陽と
白馬にまたがった子供が描かれている
手には赤い旗を持ち
向日葵と壁を背景にして
生まれたままの無邪気さで

19という数字は1+9で
導き出される10という数字は
一つの完成を表していた
背景の向日葵は4本で
子どもの花冠には6本ある
ここに4+6で10本の
小さな太陽が隠されていると読める

太陽光線の21本は
11の直線と10の波線でできていて
21番の世界のカードを仄めかす
それは完成と調和であり
永続性の象徴でもあるだろう

エネルギーに満ち溢れた
19番・太陽のカードであるが
顕在意識という側面が
クローズアップされることもある
月が潜在意識を表していたのと
対になっている

太陽というカードの全能感
自己肯定感は
かなりの吉兆とみなすことができるが
完全な世界には足りない
一時の幸運という意味合いがある

真の完全性には
隠された半身が必要なのだ
強烈な光の半身である闇を統合してこそ
調和の取れた世界が開かれるのだろう


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