【詩】透明のそよぎ
目に見えない分断、
が世界を覆っているとき
わたしは何を
語ることができるだろうか
為すすべもなく
ただ目を瞑り
耳を塞いで
やり過ごそうとするのだろうか
否否
それは否だ
さりとて何が
どんな言葉が
どんなふるまいが
適正なのかがわからない
「あなたにはあなたのできることを」
できること
限定された器の中で
できること
「為したものだけがあなただ」
為したものだけが人を作るなら
為さなかったものでできている
このわたしは亡霊
さまよい歩く透明のそよぎ
探している
探して提示しようとしている
分断を越えてゆくことばを