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【詩】原初のことば・Ace of Swords

原初にことばがあった
はじまりのことば
その響きは世界を震わせて
遠く隅々にまで伝達されてゆく

ヨハネによる福音書は
次のように始まる

はじめに言葉があった
そして言葉は神のそばにあった
言葉は神であった

ヨハネによる福音書 1-1

キリスト教においては
イエスは受肉した言葉
1というはじまりの数と掛け合わされると
受肉する前の
形態なきはじまりの言葉が
浮かび上がってくるだろう

原初のことばとは
天上のロゴス
それを通じて
すべてのものは生じるのであり
ことばを離れては
何一つ生じるものはない

四大元素は「あれ」という
みことばによって生じた
不可視の非物質から
発生していくことになる

パラケルススは
『四元素の哲学』で
空気からカオスが
火から昼夜と温度が
土から地上のあらゆる成長物が
水から鉱物や金属が
発生すると書いている

これら発生のみなもとは
「あれ」というみことば
原初のことばは光だ

光はロゴスの力強さを表す
剣が象徴するのは鋭い力だ
正しく用いられると
世の光になるが
誤用すれば人を傷つける

風は破壊者であり建設者
心に光あれば
新たなものを生み出し
世界を豊かにするが
心に闇あれば
争いと破滅をもたらす

もしもあなたが
風の力を制御したいと思うなら
心の光とともに歩まねばならない
ということを示唆しているのだ



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