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大学教育

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大学教育に関わるテーマについて考えたり、学んだことを書いた記事をまとめています。
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#最近の学び

大学における合理的配慮に関するメモ

九州大学に勤めていた頃、合理的配慮に関するセミナーを企画したり、関連セミナーに参加したりしていた。今回のnote記事はそれらで学んだことに関するメモだ。 合理的配慮(reasonable accommodation)の広がりは、2006年の「障害者権利条約」で取り上げられた「障害の社会モデル」に端を発する。これは障害の原因は、個人の機能障害や能力障害ではなく、「社会的障壁」の存在にあるという考え方である。 そして、社会的障壁を除去するための適当な変更や調整(=合理的配慮)

言い伝えだった学習ピラミッド

学習指導要領や大学教育(特に初年次教育)において「アクティブラーニング」「能動的な学習」「主体的な学び」「深い学び」といった言葉が良く使われる。そして、それらと共に登場する図に「学習ピラミッド(Learning Pyramid)」がある。その図については以下の文献[1,2]が参考になる。 [1] 松下佳代「『主体的な学び』の原点 -学習論の視座から-」大学教育学会誌 31 (1) p14-p18 (2009) [2] 山本富美子「明快で論理的な談話に見られる具体化・抽象化

プレゼンテーションは"Sell yourself"

研究の過程では、学会はもちろん、その他の研究会や日常的な研究ミーティングなど、プレゼンテーションをする機会が(意外と)多い。以下では研究におけるプレゼンテーションを「研究プレゼン」として話を進める。 以前、遺伝学研究所の広海健氏による研究プレゼンのセミナーを聴講したことがある。その中でも特に「研究プレゼンと論文は何が違うのか?」という話が印象的だった。ここに備忘録として記しておく。 研究プレゼンと論文は何が違うのか?それすなわち、もたらす効果が違うとのことだった。このこと

第6回大学教育イノベーションフォーラム「若手からみた大学教育とFD・SDの未来」への参加から考えたこと

2021年10月28日(金)にオンラインで開催された第6回大学教育イノベーションフォーラム「若手からみた大学教育とFD・SDの未来」を視聴した。この会は全国各地の教育関係共同利用拠点(大学の職員の組織的な研修等の実施機関)が加盟している大学教育イノベーション日本が主催しているものだ。 参加直後にTwitterにもメモを書いたのだが、大変興味深い会でいろいろと考えさせられた。ので、改めて、このnoteにも当該フォーラムへの参加から考えたことを綴りたいと思う。 さて、今回のフ