データ分析活用:行政と民間はここが違う
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データ分析活用:行政と民間はここが違う

柏木吉基

地方自治体などの行政機関と、大手企業を始めとする民間企業両方のデータ活用をサポートしています。


いずれも、分析の仕方をアカデミックに習うのではなく、”実務で活用し、成果につなげるスキル”にフォーカスしています。


一見「データを活用する」「データを分析する」点で同じように見える、両対象ですが、スタート地点において違いがあるケースが多いことに気づきました。


あくまで一般論として述べると、その違いはスタートするポイントです。

行政:テーマ

民間:目的や問題(仮題)


例えば行政でデータを活用しようというと、「我が町の人口減少」についてデータで取り組もう!といった始まり方をすることが多々あります。

ここでいう「我が町の人口減少」が先に示した”テーマ”に相当します。

多くの場合、このテーマが先に与えられ、そのテーマについて何かしら述べる(そしてデータをその中で使う)ことが大前提なのです。この時点で、一体「人口減少」のテーマにおいて何が問題で、何を言うべき(示すべき)かは決まっていません。それをデータという客観的なもので探り当てる、決めることになります。


言いたいことはわかります。でも次のような本質的な問題が出てきます:

・「データを使う」ことは本来”手段”であるにも関わらず”目的”になってはいないだろうか

・目的も問題もないのに、なぜそのテーマを扱うのか、そのテーマに対して時間や工数などのコストを掛けるだけの価値はあるのか(他にもっと重要なことはないのか)、といった目的思考や目的視点が抜け落ちてはいないだろうか


「そのテーマにおいてデータで何かしら言わなければならないこと」が目的(ゴール)になっているため、無理くり何とかデータを集めては帳尻を合わせることに苦労する羽目になるでしょう。


実はこれと同じ問題は、学生を教えるときにも生じます。なぜなら学生がデータに取り組むとき、自ら目的や問題を持ち得ないからです(学生ですので)。なので例えば「環境問題についてデータで取り組む」などというテーマが最初に出てきてしまいます。

一体データを使って何を言いたいの?」と聞くと、

それをこれからデータで探るんです」といった答えが返ってきます。


データを”手段”として、「環境問題のXXを解決したい」「環境問題についてXXXという主張を作りたい」といった”目的”を達成するのではなく、「環境問題について何かデータで言いたい」というのは、目的と手段の関係をはき違えてしまっている状態です。


本来はここをしっかりクリアーしてから、データ分析なりその他の”手段”で取り組むべきでしょう。



一方で、この段階をクリアーして(つまり目的や問題がある程度明確になって)からデータを使うケースが多いのが民間です。目的なしにコストを掛けることなど言語道断という思想がしっかり浸透している組織では当たり前といえば当たり前です。


ところが、これで万事OKかというと、その目的や問題の定義や設定や具体性不十分または不適切が故に、しっかりとしたデータ分析につながらないという問題が後を絶ちません。でも、「テーマ」ではなく「目的や問題」からスタートしている点においてはより健全とも言えるでしょう。


この「テーマ」スタートと、「目的・問題」スタートの違いを明確にするまでに私自身もけっこう難渋しましたが、今ではこの考え方でほとんどのケースを説明できると考えています。


何事も、「目の前で起こっていることはどういうことなのか」をしっかり理解、整理することから問題解決に進むことができます。

私は自分のプログラムでこれらの点を大変重要視しています。そして、実際これらの本質的なポイントからサポートして成果を出します。


データを活用する?

それは何のためですか?

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柏木吉基
データ分析を武器にした課題解決家(プロの実務家)/スキル育成トレーナー データ&ストーリーLLC 代表、多摩大大学院客員教授、横浜国立大学非常勤講師 https://www.data-story.net