スターバトル風パズルを新しく考えてみる

これから新しいルールのパズルを作っていきます。私はまだ、スターバトルのようなタイプのパズルを作ったことがありません。なのでとりあえず、ここからスタートします。最終的な着地点は全然別物になるかもしれません。

スターバトルの特徴の一つは、小さな点などを付けてスターが置けない場所にメモを残していくところです。スターの位置が決まったら、その縦列と横列にズラッと点をつけていきます。

少し難しい内容になると、小さな点を置いて行く方が先になって、後からスターの位置を決めて行くようになります。

ここで小さな点ではなくて、少し大雑把にメモをするとしたら、縦列と横列にスーッと真っ直ぐな線を引くのも良いかもしれません。

そんなことを想像したら、美術館というパズルと似ていることに気がつきました。美術館の場合は、照明を中心に黒マスまで縦と横に線を引いてメモをしていきます。

余談ですが、数独は頭の中で縦列や横列に線を引いていますよね。

次のステップへ

とりあえず、壁となるマスまで縦列や横列に線を引いていくようなパズルを考えて行くことにしました。

さてここで、スターや照明に相当するものを配置していくパズルを作ることにすると、スターバトルや美術館にそっくりなものが出来上がってしまいます。なので、それは避けることにします。

線で輪っかを作るタイプも考えましたが、ちょっとありきたりに感じたり、ダイナミックさが損なわれてしまいそうなのでやめました。

大幅に変更

パズルの目的を思い切って変えることにしました。その目的は、線を引いて長方形をいくつか作るというもの。長方形の対角に黒丸を2つ置きます。
数字は線で囲まれた部分のマス数を表します。

例題っぽいもの
答えっぽいもの

もはや、スターバトルとは無縁のものになってしまいました。でも、縦横にスーッと線を引くダイナミックさだけは残したいです。

一応これで、パズルとしてギリギリ何とか形になったとします。問題点はたくさんあります。論理的に解けるパズルではないし、複数解を無視した場合には簡単すぎるくらいにパズルを作ることができます。

そこで、ここまで来たら何とかして面白いパズルにする作戦に出ます。このことは前回の記事で触れています。

これで大丈夫かな?

ルール

  1. 点線の上に線を引いて長方形(正方形を含む)をいくつか作りましょう。

  2. それぞれの長方形の角には1つだけ黒丸が置かれてないといけません。

  3. 黒丸をまたぐ4マスの中にある数字は、その数字を含む長方形のマスの数を表します。

  4. 長方形同士は線を交差させて重ねて置くことができます。ただし、真上に2つまでしか重ねてはいけません。また、長方形同士の角や辺を重ね合わせてはいけません。

  5. 全ての線はひとつながりにしないといけません。

例題
答え

このルールにするのに気をつけたことは、作り手の自由度を下げて面白くないパズルを作りにくいようにした、ということです。一つ前の内容だと、自由度がありすぎたので。

検証へ進む

ルールを少しだけ変更して、数字は自由な場所に置けることにしました。

パズル   答え

ここで自分なりにこのパズルを評価して行きます。良い点は、

  • 盤面の中央部分からでもパズルを解き始められる。

  • 解き始めの手口がそれなりにある。

  • 線がひとつながりになるという大きな要素がある。

悪い点は、

  • なんか煩雑。

  • ストーリー性が無い。

  • 解き終わった後の見た目があまり良くない。

  • 四角に切れを複雑にした感じ。

細かい部分は良いけど、大事な部分が足りない気がしました。そこでまた、大きくパズルの内容を変更することも考えましたが、上手く行かなかったので、ルールを微調整してとりあえず完成することにしました。

Messy Desk(仮題)

パズルのタイトルとして思いついたのは、英語で「Messy Desk」、これを直訳すると「散らかった机」です。このタイトルを元に長方形をPaperなどと呼ぶことにしました。日本語のルール文は以下の通りです。

  1. 点線の上に線を引いて長方形や正方形(用紙と呼びます)をいくつか作りましょう。

  2. それぞれの用紙の角には1つだけ黒丸が置かれてないといけません。

  3. 用紙同士は線を交差させて重ねて置くことができます。この時に、用紙の角や辺を重ね合わせてはいけません。

  4. 数字はその数字を含む用紙のマスの数を表します。

  5. 全ての線はひとつながりにしないといけません。

日本語の場合は別に「用紙」と呼び変えなくてもいいんですけどね。
それと、元のルールでは真上に3つ以上の長方形を重ねてはいけない、という制限を良かれと思って付けていたのですが、外すことにしました。

広げた風呂敷は畳まなきゃ

スターバトルとは全く関係の無いパズルができました。それでも、縦と横にスーッと視線を動かす要素は残したい。このことは、パズルの1問1問を作る時に意識してそうなるようにするしかなさそうです。

パズルのルールを作るのは大変です。でも、その大変な作業が終わったら、そのルールのパズルをたくさん作らないといけない。

私はルールを作ったら作ったで、それらを放り投げっぱなしにして、パズル1問1問を作る作業をほとんどしていません。

これからやって行くつもりですが、アイデアが浮かぶ内は出し切りたいという気持ちもあって・・・

まとめ

出来上がったパズルのルールを後から見直してみると、四角に切れから発想を得たようなパズルに見えます。数字が面積を表すようにしたのは後付けで、便利だったからそうしただけです。

こんな風に、当初からは予想もしていなかったパズルができることは、少し前の記事で触れています。

ルール作りの最後は、ストーリー性を持たせてごまかした感があります。でも、自分の中の合格基準は満たせたので、後はパズル1問1問の出来次第ということにします。

追記

パズルタイトルの日本名は「教授の机」がいいかなぁ。野暮ったい感じがするけど。
教授の机が散らかっているというのは、ただの偏見なんですけど、散らかり方に意味を持たせてそうなところが良いかなって思います。

英語タイトルを「Professor's Desk」にすると長いし「Professor Desk」はなんかどうも・・・ Messyでいいかなぁ。ここら辺は単語を調べたり、勘でどうにかするしかないところ。

「Team Meeting / 作戦会議」だと本筋から逸れすぎな感がある。
でもこれでいっか。これで決定。


それと、ちなみになんですが、稲葉の研究室にある本格パズルの部屋(PDF)版グラデーションというパズルがあって、そのパズルと内容が似ています。

稲葉の研究室には、膨大な数のオリジナルパズルが掲載されています。私はこちらのサイトにあるパズルを意識的に参考にすることもありますが、無意識的にいつの間にか参考にしていることもあるようです。

どう表現していいか言葉に詰まるくらいのすごいサイトなので、1度訪れてみることをお勧めします。


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