見出し画像

5月7日編集者日誌:校正

本日5月7日発売。
『今年からは手作り派 やさしい梅しごと』(福光佳奈子・合同出版 食べもの通信社)

わたしは今回校正を担当しました。

実は「校正のみ」を担当するのは2冊目。普段は編集かライターとして参加しているので、とても貴重ないい経験になりました。

【校正】こう・せい
ゲラ刷りなど、作業の中間段階で印刷や画面表示したものを、原稿と比べながら、種々の誤りや不備を正すこと。

校正の仕方は、校正者によってさまざま。わたしは校正の資格を持っているわけじゃないので、「もし自分がこの本の編集者だったらどうするか」という視点で校正しました。

読んでいて気になったところにはすべて鉛筆を入れたので(絶対に直してね!は赤、気になるところは鉛筆書きします)、校正者としては出過ぎた真似だったかな…と思いながらゲラをお戻ししました。編集者さんが「気になるところは全部書いてください!」という方だったので自由に入れたのですが、「今まで頼んだ校正さんのなかでいちばんでした!」とお褒めいただいたので一安心…😮‍💨

校正と編集も結局相性だと思うので、入れすぎ、入れなさすぎなどいろいろあるんだろうなとは思います。でも、わたしも自分が編集者として関わった本なら全部知りたいタイプ。悩んだところや、書くほどじゃないかな…というところもとりあえず知りたい。

最終的に直すかどうか決めるのは編集者なので、指摘を読んでも直さないと判断するならそれでいいけど、もしも気づいていなかったら…。と思うと、やっぱり入れたくなってしまうのでした。

たまに、「戻された原稿が赤字だらけで萎えた」とか「もうそんなに赤入れるなら(編集者が)勝手に直してくれたらいいのに」というライターさんの呟きも見かけるので、人や場合によってはやっぱり赤字が嫌な場合もあるのだろうし、逆にわたしは「え?これ穴だらけだよね…誤字すら拾えてないけど…」というゲラを戻されたこともあるので、ほんと人によっていろいろです。

で、「いい経験になった」というのは、校正者の視点で原稿を読めたこと。

普通はどうなのか、普通がよくわからないけど、校正者にはどんな企画書からはじまってどんなふうに本作りが進んで、どんなページを削ったのか、どういう思いを強く伝えたいのか…そういう情報はきません(わたしもお渡ししたことがない)。先にお伝えするのはタイトルと中身の概要、ページ数くらいかもしれません。

なので、原稿を初めて見たときに「おお!こういう本なのか!」という驚きがあり、書店で本を買ったときのような新鮮さで原稿をめくりました。

へえ、次のページには何て書いてあるんだろう?なるほどね、こういう構成なのか、みたいなことは(目次は見るけど)編集者やライターとしてかかわるときには味わえない感覚。

ちなみに最近作っている本で、最後に管理栄養士さんにゲラを渡してレシピを見てもらう、という校正があったのですが(わたしはライターで参加)、管理栄養士さんがリード文なども読んでくださり、赤字を入れて戻してくれました。

お願いしたことではないけれど、お渡ししたものに興味を持って見てくださったのがわかったので、嬉しかった…!

結局、本はひとりでは作れない。わたしの手を離れたあとだってたくさんの人がかかわって「本」という形になる。

もし、文字に価値のない世界があったら、本はただのインクで汚れた紙。せっかく真っ白に作った紙にのせるのだから、読んでよかった、買ってよかったと思ってもらえるものにしたい!!

という、すみずみまで何度も読んでたくさんみんなで考えた「梅しごと」も含め。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?