入院中の出来事

自分は2023年の3月〜8月までの5ヶ月間を総合病院で入院し、
「総合病院のリハビリ設備では限界がある」ということで、
8月に設備が整ったリハビリ専門施設に転院し、3ヶ月間リハビリ入院しました。

合計8ヶ月の入院生活では、それまでの人生では体験できなかったことをたくさん経験しました。
決して良い出来事だけではなく、つらいことのほうが多かったですが、
だからこそ人間的に成長できたかな〜と思えることもあります。

まず総合病院での入院生活ですが、深夜に救急車で運ばれて手術したあとそのまま入院したので、何の準備もできずに、気付いたら病院のベッドの上にいましたって感じで、
母親に少しずつ必要なものを持ってきてもらったりして、環境を整えていきました。
最初はスマホもなくて、とにかく暇で仕方なかったんですけど、手術直後ってトイレも自分で行けないから、股間にカテーテル?を通して排尿したり、腕には点滴の針が刺さってたり、術後の創部(術後の傷跡)からは浸出液(しんしゅつえき・傷が治る過程で傷口から漏れ出る液体らしい。)
が出てたり、
めちゃくちゃ頭が痒いけど
傷口があるから搔けないし、
なのにお風呂にも入れないし、身体の左半分は動かないし、めちゃくちゃ暇だしってことで、
とにかく早く傷が治るように祈りながら寝るしかないんですよね。
起きたらすべてが元通りになっているなんて想像をどれだけしたことか。

こんなん感じで、術後の辛い日々をほぼ寝ながら過ごしていたわけなんですが、
だいぶ病状が安定して来た頃、術後の傷の治りがあんまり良くなくて、脳神経外科ではなく、皮膚科の先生に状態を見てもらったところ、創部に汚れが溜まっているのが良くないということで、毎日泡洗浄をしてもらえることになりました。
気持ちとしてはお風呂でガシガシ洗いたかったところなんですが、浴室まで毎日行くのも大変だし、あんまりガシガシやると傷口にもよくないので、
ベッドの上で看護師さんが自分の頭の下に吸水マットとか敷いて、メリットの泡で出る全身シャンプーのミノンで、泡で触る感じで洗ってもらえるようににりました。 
一回目の手術では脳梗塞側(右脳)の頭蓋骨の一部を切り取っていたので、頭蓋骨がないところはブヨブヨしていたりするので、
そういう事情を熟知している看護師さんは非常に上手く、創部に傷がつかないように、かといって自分の痒みも考慮してくれて、強すぎず弱すぎない丁度いい加減で洗ってくれました。
上記まででは、体を全く洗ってないかのように思われるかもしれませんが、一応毎日、看護師さんに濡れたタオルで体を拭いてもらっていたので、最低限の清潔は保たれていました。

そんな感じで頭も洗ってもらえるようになり、傷口の痒みもだいぶ収まって、更に回復してきた頃、
念願のお風呂にも入れるようになったり(自分みたいに動けない人用の電動で昇降する担架ごと入れるお風呂の設備があって、看護師さんが全身洗ってくれる。)、スマホの所持の許可が下りて、母親がお見舞いに来てる時間以外もスマホを見れるようになりました。
高校の頃にスマホを持ってから、1日の半分くらいの時間をスマホを見るような生活をずっとしていた自分なので、それから入院生活の快適度が断然変わりましたし、なにより当時の彼女といつでも連絡を取れるようになったおかげで、メンタルを良い状態に保てて、治療に対してより前向きになることができました。

ただ、当時のスマホの契約プランがデータ使用量無制限ではなかったので、数週間くらい、制限されたデータ容量で頑張ってから、とうとう病院のベッドの上からオンラインでポケットWi-Fiを契約して、母親に持ってきてもらいました。
病院は、デイルームなど決まったところだけWi-Fiはあったのですが、自分は病室から基本的には出られなかったので、院内のWi-Fiを使うことができなかったですし、どうしてもポケットWi-Fiは必要でした。
スマホとクレカさえあればどこでもWi-Fi契約できちゃうのって凄いですよね。
ついでに母親に、ずっと自分が使っていたタブレットと、延長コードや、JBLのCharge4というポータブルスピーカーも持ってきてもらって、自分の個室は、家の自室みたいになっていきました。
タブレットでネットフリックスつけて、スピーカーから音を出して、母親に持ってきてもらったお菓子を食べながら無職転生とか転スラとか見てたら、あっという間に1日が過ぎていきました。
時折部屋を訪れる看護師さんから、「もう自分の部屋じゃん」って笑われて、ネットフリックスでなんか面白いのない?って会話したり、
手術直後と比べたら、まさに天と地の差ほどの入院環境になっていました。
でもまじで、入院する病室にWi-Fiないなら、ポケットWi-Fiはあったほうが絶対良いです。
あと、タブレットかiPadとかもあったほうが絶対いい。

こんな感じで、快適な入院ライフを作っていったわけですが、採血とかで定期的に身体に針を刺されたり、
デイ・アフター・トゥモロー見てる途中のめっちゃいいところでリハビリの先生がきて、「ほらリハビリ行くよ!」って連れ出されたり、工夫して入院生活を楽しむ努力をしてました。

ただし、楽しい時間ほど早く終わりが来るもので、
自分は、個室から大部屋に転室しなければいけなくなりました。

転室先は、80〜90くらいのおじいちゃん3人と自分の4人部屋で、部屋の四隅にベッドとカーテンで区切られたパーソナルスペースがある感じで、

恐らくほとんどの人が糖尿病だったのかな。



他に人がいるのでもちろんアニメや映画の音をスピーカーで流す訳にもいかず、音は必ずイヤホンで聴くようになりました。

でも田舎のおじいちゃんって結構遠慮がなくて、生活音がめっちゃうるさいし、くしゃみとか咳とかいびきとか、仕方ないんだけど、そういう音にも悩まされるようになりました。
あと、大部屋行くと決まったときからやりたいことがあって、比較的若くて仲の良い男性看護師さんが出勤しているとき、試してみることにしました。
タイミングよくその看護師さんが部屋に来てくれたとき、
自分は、看護師さんに「ビートくれや」って言ってみました。※ネタ知らない人はユーチューブで「ジジイ同士のだいぶ見てられないラップバトル」という動画を見てみてください。
入院してるジジイ同士がラップバトルするという荒唐無稽なめっちゃ面白い動画です。
その看護師さんはこのネタを知っていたので、自分は「誰かバトルしてくれる人いるかな」と問いました。
言いながらこの動画を看護師さんと二人で見ながらひとしきり笑って、「さすがにやめよう」ってことになりました。


そして後に、この大部屋では、2度、恐怖体験を味わうことになります。

一度目は、隣のおじいちゃんのところに主治医が回診に来たときの会話です。

「このままだと足切断しないといけないけど、いいですか?」

みたいなことを先生がおじいちゃんに聞いてました。

「私どももできるだけそうならないようにしてあげたいんだけど、このままだと命に関わることになっちゃうからね〜」


隣で聞いていた自分は、自分の話ではないとはいえ、戦々恐々としていました。

このおかげで自分は糖尿には気をつけようって思えるようになりました。


このおじいちゃんの顛末がどうなるか分かる前に自分はまた部屋を転室したので、どうなったかはわかりません。

でも、隣で「足切断する」みたいな話をされてるのって生々しくてめっちゃ怖いです。


二度目の恐怖体験は、ある日の深夜の出来事でした。

自分の正面側にいたおじいちゃんが、夜中の三時くらいかな、ガサゴソと何かしてる音だけが聞こえてくるので、なんだろう?と耳を澄ませていると、やがて、ストンと、ベッドから降りる音が聞こえて、何やら部屋の中を歩いて徘徊し始めました。

スタスタと歩いては、ジャラララ、とカーテンを開く音が聞こえてくるんです。

どうやら他の人のベッドをひとつひとつ見て回ってるようでした。

とうとう、自分の隣のおじいちゃんのベッドまで来て、カーテンをジャララと開けて、何かブツブツと呟いてはまたスタスタと歩いて、次は自分のとこのカーテンの前まで来て、ジャラララとカーテンを開けて、自分のことをただ見下ろしてるのがわかりました。


特に何かするということもなく、ただ見下ろしてるだけのようでした。

それで安心したのかわかんないけど、おじいちゃんはすぐにカーテンを閉めてまたスタスタと歩いて自分のベッドに戻りました。


自分は、すぐにナースコールして、

看護師さんが来てくれるまでの間、彼女に「なんか同室のおじいちゃんが部屋の中徘徊してひとりひとり様子見て回っててめっちゃ怖いんだけど」みたいなラインをしました。

深夜にも関わらず、すぐに「なにそれ大丈夫?今から私行こっか?」みたいな返事がきて、

間もなく女性の看護師さんが部屋の中に来てくれて、「呼んだ〜?」って自分のベッドに顔を出してくれました。

自分は先ほどあったことを詳細に話すと、看護師さんは、例の徘徊おじいちゃんのところに行って、

「さっき歩いてたって?どうしたの?」って話しかけていました。

おじいちゃんは「ここにいる人皆死んでるや」

みたいなことを言ってて、

看護師さんは「いや死んでないから!」

的な会話をしてました。

おじいちゃん曰く、部屋の中に死体が寝てると勘違いしてて、誰か生きてる人がいないか探してたということらしいです。


以上が二つの恐怖体験になります。

細かく書こうと思えば、まだまだ色んなことがあったんですが、自分の記憶も怪しいし、きりがいいので、今回の記事はここまでになります。
また更新するので良かったら暇潰しにでもご覧ください。




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