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【ブックレビュー】継続に必要なたった一つのこと/「続ける思考」

少し前に本屋で光るように目に入った本がある。
それが井上新八さんというブックデザイナーの方が書かれた「続ける思考」という本。

ぱらぱらと立ち読みし、それから2週間ほど経ってもその内容がどうしても頭から離れず、もう一度ちゃんと読みたいと思い、購入。

「習慣家」ってなんだ

なんでもこの方、ブックデザイナーの他に「習慣家」という肩書きを名乗っているらしい。

いや、習慣家ってなんだ?

最初はそう思った。

ただ、本書の冒頭部に書かれた、彼が毎日習慣化しているものリストを見て驚愕する。

ランニングや日々の体調記録、何種類ものゲーム、一日一冊読書まで、ありえないほどのタスクを毎日こなしているという。

しかもそのほとんどが数年、数十年「毎日」。

毎日???この量を????
この人は8人おるんか????

意味が分からなかった。

続けるための、たった一つのシンプルなこと


本書は表題の通り、物事を「続ける」ための様々な工夫が並べられている。

ただ一つ、その中でも最も重要でシンプルな要素があるという。

それが、

【毎日やる】

たったこれだけ。

意味なんて考えなくて良い。

毎日やると決めたことを、毎日同じように、ただやるだけ。

どんなにくだらないことでも良い。意味はあとからついてくる。

本書のブックレビューを書かれているnoteの中に、面白い考察があった。

「手段を目的化してしまう」ことの強力な効果。

普通、手段を目的化というのはネガティブな意味合いで捉えられる。

でも本書ではその全く逆。

やると決めたことをやるだけ。

意味なんてない。

続けた先に好きになったり、あとから意味がついてくる。

私にはこの考え方がすごく刺さった。

私自身、唯一長く続けているものとして、17年続いている日記がある。

最初は「長く続けよう」なんて一ミリも思っていなかった。

ただなんとなく毎日続けていたら、やめるのがもったいなくなって、気づいたら17年、続いている。

そこに意味も感情もない。

だけど、振り返ると、それが毎日のアウトプット習慣だったり振り返り習慣だったり、世の中的に「良い」と言われる習慣になっていた。

数年前の今日何してたかなって時々振り返ると、めちゃくちゃ面白い。

生きやすさって、「便利さ」よりも「好き」の先にあると思う

なんでも便利になった世の中。

それと引き換えに私たちは「何かが好き」という感情を持ちづらくなったと著者は言う。

何かを好きになるには、最初から好きなもんなんてなく、ある程度時間をかけていたからこそ結果的に好きになるものなんだと。

最初から好きかどうかなんて関係ない。

続けてみた先に、好きになっていくかもしれない。

ただの習慣化ノウハウ本なんかではなく、

日常の楽しさって何だろう、という問いを与えてくれる一冊だ。

著者の井上新八さんのnoteも面白いので、ぜひ読んでほしい。



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