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【新・資本主義をチートする02】一切お金を払わずにネット広告を出せるワザ

 つい先月ぐらいのこと、実は商業界にとって大きな出来事があったのですが、世間のコロナ禍によって、そのニュースがかき消されてしまっています。

 それは、この3月に発表された電通さんのデータで、「2019年には、実はテレビ広告とネット広告が逆転していた」というものです。

 テレビにおける広告費が1.8兆、それに対してネット広告が2兆円超ということなので、その差はわずかながら、

「テレビ界とネット界は、去年に逆転したのだ」

ということがわかります。


 今回のコロナ禍に関連して言えば、テレビ局が軒並み番組製作ができなくなっているように、これまでのテレビは集合体としての「マンパワー」がたくさん必要でしたから、常にスタジオや局に多くの人たちが集まって撮影をするという物理的制約がありました。

 それに対してネット広告は、デザイナーやプログラマは遠隔でも仕事ができます。別に一同に会さなくても、広告システムを組み上げられるのであれば、より一層テレビよりもネットにシフトしてもまったく不思議ではありません。


 さて、この「資本主義をチートする」のシリーズでは、どちらかというと庶民である僕たち私たちが、資本主義の荒波に飲まれながらも、小さな小舟でなんとか渡ってゆこうとする「ちょっとしたコツ」のようなものをテーマにしています。そこで、今回も「ネットで何かサービスを提供する場合に、広告費用をかけずに、出稿する方法」という裏ワザをお届けしましょう。


 広告とはそもそも「サービスや商品を提供する人が”こんなものがあるよ!いかが?”」とその内容を伝達するものです。そして普通に考えれば、サービスの提供者が、自分の商材を宣伝して利益を受けるのだから、その費用はサービス提供者が負担するべきです。

 テレビの広告の仕組みは、まさにその通りで、「テレビCMの提供者」はすなわちスポンサーと呼ばれ、お金を払う金主ということになります。

 ネット広告も、基本はこれを踏襲していますから、「バナー広告の提供者」はすなわち、お金を払う金主ということでよいでしょう。

 ところが、一部のネット広告、バナー広告はそうではないのです。これが、意外と気付かれない穴場なのです。

 このお話、実はサービスの提供者にとっては、ほんとうにお金を払わなくてもネットに広告が出せるという夢のような話なので、有料記事でもよかったのですが、その夢のような広告をあえて出してくれている事業者さんを応援する意味でも、ここはあえて無料記事で紹介してしまいましょう。


 さて、ここでヤフオク!のバナー記事をみたことがある人は、その内容を思い出してください。ヤフーオークションのバナー広告は、「ヤフーオークションを利用してくださいね!」という自身のサービスについてのものもありますが、そうではないものも増えています。それは

実際に出品されているものの写真や説明が載っている広告

です。その広告を見る者からすれば、「へえ!こんなものが出品されているんだ!」と思わずクリックしたくなるしくみですが、もちろん、その人の好みや趣向に合わせて、適した出品物が自動で表示されるようになっています。

 個人個人のユーザーのブラウザ検索履歴や、入力した単語からそれに適した商材へと広告を変化させるのは、ネット商業界の根幹部分で、グーグルさんはそれで儲けているといっても過言ではありません。

 なので、このしくみは、特に個人情報と絡んで政治的な規制でもされない限りは、ネットではこの後もずっと続いてゆくと思われます。


 同様のバナー広告は、他の企業も作っています。たとえば、ランサーズやクラウドワークスは、「こんな仕事の依頼がありますよ」みたいなバナー広告を作成して、読み手に合った仕事をつぎつぎに表示させます。

 私がもっとも効果を感じているのは、ココナラのバナー広告です。ココナラさんは、「自社のサービスであるココナラというシステム」についてはテレビCMを何度か打っていますが、ネット上でのバナー広告では、ユーザーが出品している「こんなサービスやってます」というものをそのままリストや単体で垂れ流すようになっています。


↓画像は実例 2020年4月のもの。祇園祭中止を伝えるニュースとそれについて表示されたバナー。

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(バナーの一例 右端。いろんな人の出品サービスが広告として表示される。例のように集合体の場合も、単体の場合もある。)



 つまり、私もココナラでサービスを提供していますが、そのためのCM費用を一切払うことなく、勝手にどこかの誰かのブラウザで、私のサービスが広告として表示されているのです。これは、テレビ時代にはありえない凄いことだと思います。

 平たく言えば

「ココナラでサービスを作れば、広告は勝手に無料でやってくれる」

ということです。こんなことが広告業界でかつてあったでしょうか!


 もちろん、ネット広告は大量・多方面に向けての発信には向いていません。ヨシイエがやっているサービスが、CMとして全国のお茶の間・・・いや、全国のパソコンやスマホに表示されるわけではありません。

 しかし、逆に、「必要な人、関心を持ちそうな見込み客にはピンポイントで届く」のは確かです。このシリーズで何度か説明した「せんみつ」よりかは、こっちのほうがメリットがあると思いませんか?


☆せんみつについては、「資本主義をチートする」本編でどうぞ


 ところで、どうしてこうした企業は「無料で他人の商材を宣伝してくれる」のでしょうか。それはヤフオクにしてもココナラにしても、ネット企業の多くが

「プラットフォーマー」

だからです。

 ココナラの場合、私は初期からのユーザーですから、登録者数がたとえば5000人の時から1万人、3万人へと増えてゆく流れをずっと見ていました。2019年には、登録者100万人を突破しています。

 これを見て「へえ!たくさんの人が登録しているんだなあ!」という感想を持つのは正しいことです。しかし、資本主義をチートする者にとっては、その先を読みましょう。

 あなたがココナラで何かサービスを探したいと思った時、100万件からあなたに合った1件をどうやって調べればいいのでしょうか?

 ユーザーの立場に立つと、当初の「100万人もいる」という大きなメリットが、今度は「大きなデメリット」へと変わるのです。

 ココナラでは、初期にも今も、昔のヤフーのようなジャンル型のサービス検索サービスがあります。しかし、仮に「アドバイス」「イラスト」「音楽」といったジャンルで調べていっても、その先に数千件もの提供者がいて、結局ユーザーは疲弊するだけになります。

 ですから、ヤフーのような(登録ジャンル型ポータルサイト)時代が終わり、今のグーグルのような(ロボットAIサーチ型)自動化された最適化表示時代になったように、ココナラでのサービス検索さえ、人力ではもはや不可能の領域に差し掛かっているということになるのです。

 ですから自動化されたバナーが、見込み客を勝手に探してくるほうが、はるかに効率がよいというわけですね。


 そうすると、ネットで何かサービスやお店を出したいと思った時は、いろいろなプラットフォームがありますが

「全自動で自分のバナー広告を出してくれるサービス」

を利用するのが大事だということになるでしょう。

 プラットフォームは多売ビジネスですから、「この人の提供サービスがよいから広告したい」といった意識的な取捨選択があるわけではないです。すべては「AIが確率論からはじき出した、ドライな選別」が行われていますから、「あなたが意図した内容のCM」が提供されるわけではないものの、丸投げでお任せしていても、一定の効果が見込めます。

 これを利用しない手はありませんね。

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