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吉穂堂で会いましょう#8 吉穂堂入荷案内&星文舎BASE店とBASEブラックフライデーのご案内(11/22~11/24まで)

 会いましょう、と言っても本日は、入荷のご案内です。

 先日お知らせした、こちらの記事の2冊が、吉穂堂に入荷いたしました。

 再びになりますが、書影はこちら。

現在の吉穂堂


 最近「導入部を試し読み」というのを青音色の活動で覚えたので(笑)、やってみることにします。


『非時香果(トキジクノカクノコノミ)』

 世の中で肩書きが明確でない人間というものは、常に肩身が狭い。大通りを、胸を張って歩きたいのならば、社会的に認知度の高い仕事であることは非常に重要なこと、といえる。
 火野ひの水海みずうみの職業は、いまのところそういった外聞のいい部類には属していない。名乗っているのは「相談屋」。怪しくも曖昧な肩書きだ。
 もちろん、それを耳にした人々の評判はかんばしくない。
 当然ながら自分で名乗っているだけで、その実「便利屋」だとか「なんでも屋」だとか、好きなように言われている。まったく反論の余地はない。犯罪以外のことはたいてい相談にのり、相談次第ではプロを斡旋することもあるし、実行を引き受けることもある。人探し、文書代行、訪問代行。探偵まがいのことも含めて、これまで舞い込んできた案件は多様極まりない。基本的には口コミだけの宣伝方法を取っているのだが、ありがたいことに案件が途切れた試しがない。このような隙間産業に相談に来る顧客はたいてい訳ありで、秘密裏にことをすすめたいがゆえに「相談屋」にたどり着く。
この仕事を始めた理由は、元をただせば弟につきあたる。弟は特殊な状況下で特殊な仕事をしている。心療内科の医師のもとでのカウンセリングが主な仕事だ。医師免許は持っている。彼は目の前にきた仕事をしているだけの普通の人間だが、どういうわけか、周りはいつも騒がしい。彼を思想犯とみなすもの、信仰宗教の教祖とみなすもの、さまざまだ。人はみな、見たいように物事を見、信じたいことだけを信じる。

『非時香果実』冒頭より

 シリーズのなかでは、ちょっとハードボイルドな(ハーフボイルドくらいかな?)展開の物語です。じつは最初のタイトルは『EverGreen(エバーグリーン)』でした。が、最近の葬祭場ってモダンなものが多くて、たまたま、似たような名前の葬祭場の広告を目にしてしまい、悩んだ挙句に『非時香果』にしました。
 でも読みにくいし。笑
 『EverGreen(エバーグリーン)』のほうがよかったかなといまだに思ってます。
 タイトル難しいです。
 『探偵と弟とマーマレード』みたいなタイトルにするのが本当はいいんだと思いますけど。あと、キャラクターの絵柄とかの表紙にすればいいだと思いますけど。ええ。わかってますけど。笑

『音楽のように言葉を流す』【文庫版】

 はじめまして、みらっちです。
 今この本を手に取ってくださっている方の中には「はじめまして」ではない方も多くいらっしゃることと思います。
 二〇二一年六月から、文章に特化したSNSである「note」に、記事を投稿し始めました。この本は、その「note」で知り合いになったかたが力を貸してくれたことで出来上がった本です。
 昨今、SNSの世界は、その勢いを増しています。今では多くの人がスマホを持ち、なんらかのSNSの世界に身を置いています。
 XやLINE、フェイスブック、インスタグラムなどが良く知られていますが、noteもその一つです。文章を投稿し、それをお互いに読みあいながら、交流を深めていく、というのが最も近いでしょうか。創作作品を発表したり、公開日記をつけたり、形式は自由です。

「note」の印象
コロナ禍真っ最中の二〇二一年。
三月に「note」に登録してから三か月ほどは、いわゆる「読み専(読むだけ、読む専門という意味)」で他の方の記事を読んでいました。
 そのころ私は、前年の二〇二〇年から始めていた「はてなブログ」と、その後始めた「アメブロ」(アメーバブログ)、読書感想文に特化したサイト「シミルボン」に少しずつ記事を投稿していましたが、少々行き詰まりを感じていました。
 メイン記事が「読書ブログ」で、本の感想を中心に記事を投稿していたのですが、有名人でもなんでもない他人の感想文に需要があるはずもなく、SEO(検索エンジンにひっかかるように工夫すること)に気を遣うわけでもなかったので、親戚や知人以外に読んでくれる人があまりいませんでした。今後の見通しや展望があるわけでもなく、どう広げていっていいかもわからずにいて、すぐに行き詰ってしまうのは当然と言えば当然でした。
あるとき、アメブロで少々残念な体験をしました。それでそのまま、アメブロから去りました。その後、ベータ版で運営されている「シミルボン」も、運営側がほとんど関わらなくなったのを機に、少し距離を置くことにしました。
 「はてな」は私のメインブログでした。投稿すれば読んで感想をくださる方も少しずつ増えてきていましたが、違う方向性を模索したくなり、「はてな」をやりつつ、「note」もやってみようかなと思ったのが「note」とのお付き合いの始まりです。
 「note」という媒体を知ったのは偶然だったのですが、覗いてみるとどうやらここではコメントが盛んに行われていて、何やら和気藹々として楽しそうに思えました。なんというか「素人の祭典」という言葉がぴったり。投稿にスキがつくのも驚くほど速く、とにかく反応がよい媒体だなと思いました。
 それがnoteの最初の印象でした。

『はじめに』より

 2冊ずつ入荷しましたが、実は、なんと!
 『音楽のように言葉を流す』は既に1冊、オンラインでご購入いただきました(ももまろさん、ありがとうございます!)。

 そのため今は、『非時香果』が2冊、『音楽のように言葉を流す』が1冊と言うことになっています。

 また、今後はPASSAGEでお世話になっている「星文舎BASE店」さんにも著作を取り扱っていただけることになっています。
 BASEで登録されている方がいらっしゃいましたら、そちらのお店もよろしくお願いいたします。
 入荷いたしましたら、またこちらでもご連絡いたしますね!

 いつも吉穂堂を応援していただき、ありがとうございます!
 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

現在、星文舎さんは、ブラックフライデーでお得になっております!
素晴らしいセレクトの本屋さんですので、のぞいてみてくださいね。