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サイパンの事業から今のIT事業に至るまで

本音で語る

どんな会社ですか?社長の経歴からITは想像できないですね〜 とよく言われます。たまたまTwitterのネタ何かないかなと思ってた時にNews Picksの動画で自分のサービスや商品を売るのではなくどんな会社?そのサービスを作った理由は何?Philosophy(哲学)やStory (ストーリー)を語るべきだと解説していた方が言ってた。

なるほど〜そうなんだ!!

そんな事で突然noteに今までの自分がやってきた事、これからの自分の想いをさらけだして日記のようにまとめてみたくなった。サイパンで事業をしてきてから今のスタートアップ企業まで、僕の人生、結構面白い経験をしている。

株式会社ObotAI
代表取締役 CEO
北見好拡

自己紹介(サイパン編)


サラリーマンから海外での仕事(1987-1990)
大学卒業してサラリーマンになったのが1987年、バブル絶頂期。そんな時に不動産会社に入社。今にして思えば夢のような世界であった。

バブル崩壊(1990-1995)
1989年末、バブルがそろそろやばいぞと言われる時に父親の事業を継ぐ事になった。1978年からサイパンで40年の土地のリースを契約して父親と叔父がゴルフ場とホテルの開発に着手したのだ。ホテルの完成は1990年9月、当初はゴルフ場付ホテルを開業してリゾート会員権を販売して投下資本の回収を考えていた。誰もが知ってるとおりバブル崩壊で会員権など売れるわけもない。そんな時に父親からホテルを自社でオープンするから手伝えと言われそれがきっかけでサイパンに赴任するのであった。

ホテル・ゴルフ場経営の喜び(1996-2005)
素人集団が
ホテル経営を何もしらずできるわけがない。その時はプライドも捨て当時サイパンで最大手、JALグループ、Hyatt、アクアリゾート、JTB、近畿日本ツーリストなどのGMやManagerの方と仲良くさせてもらい1から教えてくださいという気持ちで仲良くさせてもらった。なんとかオープンから運営までできるようになった。今思えばなんと無謀な事だ。でもホテル経営は面白い!!お客様の声や感想がリアルに聞ける。今でもお世話になった方とFacebookで繋がっているのは財産だ。

Mariana Resort & Spa
Mariana Country Club


日本人観光局の減少(2005-2007)
サイパンは1996年にバブルを迎える。売上も順調に推移して新館オープン、ミクロネシア最大のスパまでOPENした。途中、アメリカの同時多発テロなどでピンチもあったが順調に売上をキープ。当時は747のジャンボジェット機が1日に2便出てたぐらい日本人観光客は多かった。だが2004年ぐらいから日本航空の経営問題が浮上し2005年にサイパンからJALが撤退。その時ぐらいからじわじわとマーケットが縮小していったのであった。

最初で最後の創業からの日本企業オーナーとして頑張ろう!!(2008-2013)日本人ツーリストはその後も減少、しかも、リーマンショックなどあるが2007年に売却したグアムのGICCというゴルフ場が売却できたおかげでなんとか事業を継続できた。これが初めての事業売却でM&A第1号である。それでもまたピンチがやってくる。東日本大震災でほぼツーリストが来ない。キャッシュフローがきつい!! やばいピンチと思った時に韓国・ロシア・中国マーケットが急成長、息を吹き返すのである。嘘のような本当の話w
それと同時に日航、近鉄、名鉄グループなど大手企業がサイパンから撤退。韓国企業、中国企業がほぼホテルを買収。僕らはサイパンで一番初めに投資した企業であり創業以来ずっとサイパンで事業を継続している唯一の日本人投資家であった。

コスメブランドを立ち上げる(2013-2017)
北マリアナ諸島をイメージしたお土産があればいいのになと思うのはずっと思っていた事。世はオーガニックブーム到来。サイパンの植物や花を使ってオーガニックソープの事業を立ち上げる。サイパンではよく売れた。しかしその勢いでブランド化して日本で勝負してやろうと思い。代官山に直営店をオープンするも世の中そんなに甘くない事を知る。大きな赤字を抱えそうそうに撤退した。

自分達の限界を知る。(2013-2017)
日本マーケットがほぼない状態でサイパンの事業を続けるのは非常に高リスク。どんなに頑張っても韓国や中国のお客様を自分達のマーケティング力で自社のホテルやゴルフ場に集客する事が難しい。価格を調整して稼働率をキープする事しかできなかった。

サイパンとカジノ(2013-2014)
2014年ぐらいからサイパンでカジノできる。ものすごい規模のマカオのカジノ会社がサイパンにやってくる。こんな噂がサイパン島に駆け巡る。その時はまだ僕は他人事のようにこれで観光客増えるかな?うまく土地のリースを更新できたら日本人観光客が戻ってくるかな?まあ脳天気な事を考えていた。

断腸の思いでカジノ会社に事業売却(2014-2017)
突然、マカオのカジノ会社がうちのリゾート施設をM&Aすると新聞に掲載された。当時中国バブル絶好調の時、中国からビザ無しでアメリカ圏に旅行できるサイパンはマカオの新興系のカジノ会社にとっては魅力的な投資先。彼らはシンガポールのセントーサ島にあるような一大リゾートをサイパンで考えていた。サイパンでそれなりの土地を確保するのは難しい。うちの施設は42万坪あり、しかも1978年〜1983年に全て不発弾を処理して安全な土地に仕上げている。(でも不発弾が爆発してうちのスタッフの指がなくなったという経験もしている。太平洋戦争の爪痕は本当にすごい!! )そんなわけでカジノ会社がうちを狙うのは当然といえば当然。政治家を巻き込んでいろんな戦いがあったが結果やもえなく売却。中国企業は恐ろしいと思い、白旗を上げた。売却が決まった夜、次男を前にして悔しくて大泣きした事を覚えている。でも、今にして思えば結果は違っていた、、神様がまた助けてくれた。

M&Aについて想う事(2017)
2007年にグアムのゴルフ場の売却がリーマンショック一年前だったので倒産を免れた。2016年の売却も同じ。もし土地のリースが更新ができてホテル事業を継続していたら100%僕は倒産してほぼ自己破産に近い状態だ。今回も神様が助けてくれた。北見さんは持ってるね〜ってよく言われる。たまたまの運が良かっただけだ。グアムの時もサイパンの時も何も将来性もリサーチもせず子供がオモチャを渡したくないように自分達の分身を渡してなるものかと、それだけの事で頑張ってきた。でも売却しなければ何も残らなくなるから売却した。きっと優秀なコンサルタントから見れば僕は経営者失格なんだろうと思う。でも結果オーライ。人生最大の経験をした。M&Aは得るものも多いけど辛い事も多い。僕はずっとファミリービジネスをやってきた。そんな意味では僕の右腕に女性のアメリカ人でかなり優秀なGMがいた事がラッキーだったのかもしれない。自分の事を理解してくれ、ついてきてくれるスタッフと別れるのは寂しい。その想いが今後のビジネスにつながっていく。

自己紹介(ITスタートアップ編)


サブスクリプション事業への憧れ(2015-2016)
ホテル、ゴルフ場というビジネスモデルは効率が悪い。どんなに市場が拡大しても景気が良くても売り上げのMAXが決まってしまう事だ。しかも需要が多いといっても100%の稼働率をキープする事は物理的に不可能である。設備投資、メンテナンス、人件費など経費の80%は固定費でリスクの大きいビジネスである。ITのサブスクリプションは経費の大半が人件費。損益分岐を超えると売上=営業利益となり、このビジネスモデルは魅力的である。

AIチャットボットと新しい事業(2016)
知り合いからチャットボットという技術を知る。同時にIBMのWATSONの話は衝撃的だった。会社概要にかっこいい事を考えて書いてるつもりだが本音はちょっとちがう。事業売却の経験からか全員は無理だが、今まで一緒に頑張ってきたメンバーとまだ仕事を一緒にしたい。彼らの経験を活かした事業を一緒にしたかった。そんな時にチャットボットの技術と言葉の壁を解消するテクノロジーを知る。これだ!と思いそれからは毎日チャットボットの事ばかり考えていた。

エンジニアの確保と人材(2016-2017)
思ったらすぐ行動が自分の性格
である。学生時代やホテル経営時代に興味をもってプログラムの勉強はちょっとだけしてみた。概念はなんとなくわかっているつもり、自分の実現したい事が明確になった。あとはエンジニアだ!当時、私が思う多言語AIチャットボットを実現するにはGoogleのDialogflowを扱えるエンジニアが必要だった。

だが新しい技術でドキュメントが全て英語、サポートも全て英語という事もありなかなか自分が求めるエンジニアに出会えない時にTwitterで検索したら日本人でDialogflowの解説をしている人がいるではないか!!!
すぐにTwitterからDMをおくりアプローチ、最初はコンサルという形ではいってもらったが今はうちのCTOとなっている。人との出会いも運なのである。
エンジニアもあえて多国籍で揃えた。技術面においてはもう安心だ。ちなみに営業以外は全て人材は多国籍スタッフを混ぜている。多国籍人材がうちの会社の特徴であえてそうさせてもらった。外国人はハングリーで優秀だ。
なぜ日系企業はもっと優秀な外国人スタッフをうまく活用できないのであろうとよく思うことがよくある。

サービス名はObotAIとなり、その1年後に会社名も株式会社ObotAIにしたのだ。その時のメンバーは昔からいる経理・総務のマネージャー、CTO、営業責任者としてサイパン時代からの旅行会社出身の後輩、及び数名のエンジニアを含めたスタッフでスタートした。

いつの間にかレッドオーシャン(2018-2020)
2018年にサービスインした時にまだまだSAASの基礎がわからない私は自分の人脈とPR Timesだけを頼って営業していた。多言語AIチャットボットなので宿泊・観光系の会社ばかりにアプローチしていたのだ。Webマーケティング、インサイドセールスという言葉もわからない私はどうやってリードを取るのかわからずやみくもにいろんな事をしていた。インバウンド全盛期という事もあり少しずつ受注が増えてきたのであるがあっという間に競合他社が増えチャットボットはレッドオーシャンの領域になっていた。差別化という意味では多言語対応というのが強い。だがコロナでインバウンドが減り、多言語需要が一時的に冷えていったのである。

多言語ニーズと新型コロナ感染症、地方自治体への提供(2020-2021)
2020年4月、緊急事態宣言という事もありまったくリードが取れなくなっていた。やばいぞと思った時におもいつきでとりあえずコロナ感染症についてのチャットボットを多言語化(日、英、中、韓、タイ、ベトナム)して問い合わせ対応に困っている地方自治体に無償で提供することになった。プレスリリースの影響もあってか急速に広まっていった今では40の自治体と60万件の質問データがビックデータとして多言語化されてある。その後、正式に自治体でも予算化されて弊社の自治体向けサービスの基礎となっているのだ。

自動翻訳ツール Minutz (2021-2022)
インバウンド旅行の外国人は減るがWebでの会議が急速高まる。海外とやり取りする時に相手のしゃべっていることが自動翻訳されれば便利だと思いそのアイデアをCTOと中国人エンジニアに相談して1ヶ月でベータ版を構築してくれたのだ。サービス名はMinuz。チャットボットに続く2つ目の多言語DXツールとなる。

Webマーケティングの重要性(2021)
サイパン時代に一緒にやってた後輩もうちの会社に参加してくれたした事もありフィールドセールスは安定してきた。ただもっとリードが取れないかと考えている時にYoutube でWebマーケティングの動画を見て、SEOのオウンドメディア構築の重要性を知る。コンサルタントに依頼して今では自社でSEOに特化したオウンドメディアの構築ができるようになった。

インサイドセールスも大事(2021)
メディアからの流入だけではまだまだリードが足りない。自社の文化にテレアポしてリード獲得という習慣がなかっただけに導入が遅れていたが知り合いがすでにSAAS事業で成功してて彼の意見からインサイドセールスの重要性を知る事になる。そこから本格的に取り込んで今年になってようやく組織が確立した。THE MODELというSAAS事業に特化した本が有名だが、マーケティング、インサイドセールスからリード取得->営業がフォローー>ナーチャリングー>CSこの一連のサイクルが大事というのを今では痛感している。

VR(Matterportとの出会い)(2021)
知り合いの事業パートナーと話をしている時に3D空間を簡単に構築できるVRプラットフォームの事を知った。matterpotと呼ばれる専用カメラやiphoneでも簡単に3Dのデジタル空間ができるツールだ。いつものようにこれだ!と心の中で叫びお決まりのCTOに相談からのプロトタイプができるまで1ヶ月かからなかった。VRSHOPiiというサービスが立ち上がる。デジタルだけではリアルに接客したりお客様とのコミニケーションが足りない。VRSHOPiiはブランドオーナーの想いやブランドの世界観を訴求するツールだ

ShopifyとVRコマース(2021)
VRコマース、バーチャルコマース、バーチャルストアという言葉はコロナ禍に人が実際のリアル店舗に買い物がいけなくなりEC市場がさらに急拡大した時にメジャーになってきた。WebサイトをVR化する事で滞在率が伸びるよりCVがアップする。そこに購入できるECプラットフォームが融合すればこんな便利なツールはない。今流行りのCXという領域。


顧客体験(CX)が大事(2022)
接客に絡んだ事業をずっと続けてきたのか「接客」、「おもてなし」、「ホスピタリティ」という言葉は心地がよい。これらの言葉をイメージさせる仕事がしたい。これは1990年の時と同じ気持ちだ。そんな事を想いながらVRSHOPiiができたんだろうと思う。
僕が今やりたい事は自分達のクライアントのお客様に対してサービスやブランドをいかに体験して感動してファンになってもらう事。それも多言語でだ。デジタルでは限界がのあるリアルな体験をテクノロジーで実現できたら、僕が昔からやってきた昭和ながらの経験、体験はきっと今でも良いサービスになると思っている。そう信じて今時の尖った若手経営者に負けないようにトライ&エラーを繰り返したい。

いよいよインバウンドが復活か?(2022年6月)
コロナのニュースも世界的に減ってきて6月にはいりインバウンド関連のニュースが連日でるようになってきた。さあとうとう来た!!コロナ渦でやってきたVR、Shopify、SEO対策支援も全多言語サービスと連携している。うちの強みは翻訳、言語の課題解決。

オリンピックもリモートで(2022年8月)
インバンドが戻るぞと思ったら感染の拡大でまたまた水を刺されてしまう。
でも、もう少し、、、、

インバウンド再開(2022年10月)
コロナの第8波が来ても旅行、インバウンド旅行の勢いは止まらない。円安効果も会って訪日観光客は順調に戻ってきている。インバウンド施設、越境EC事業者、外国人労働者を雇用している企業向けに新しいサービスをリリースした
サービス名:インバウンドチャット (旧名:翻訳チャット)
日本人はまだまだ言葉の壁で苦労をしている。外国人とのコミュニケーションや越境ECサイトでのCVアップの接客チャットサービス、外国人労働者を雇用している企業様に利用して

2022年11月
これからが本当の勝負!コロナも気にならない世の中になり、今までの経験を役立てるフィールドがようやく整いつつある。Come on, let's go. Towards the next challenge.

まとめ

ちょっと長くなってしまったが自分の自己紹介である。結構細かく書いたつもりで、思い出しながら作成したらその時の事が思い出される。35年分の経験だ。社長はこんな人物でObotAI はこんな会社というのが少しでも理解して頂ければ幸いと思ってます。

自己紹介の続き

自分の人生はまだまだ先がある。これからも自分の感じたままに日記にすることに決めた。2022年12月からの続きは以下に書いていこう

https://note.com/yoshihirokitami/n/n5a0b0095390b


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