【界 遠州<三河・遠州の旅>】
先日の週末土曜日から日曜日に、愛知県豊川市の親戚の家に行く用事があり、浜名湖にある星野リゾート界遠州で一泊をした。星野リゾートは4代目である、星野佳路社長がよくメディアで登場され、コーネル大学のホテル経営学修士を取得し、家業を継ぎ大きくされ、自分と同じアメリカ留学で経営学修士を取ったこと、自分の下の名前と同じという共通点から注目しており、一度星野リゾートには宿泊してみたいと思っていた。
同じ星野リゾートの星野やは、ラグジュアリーホテルとして、界は高級日本旅館として展開しているブランドであり、いずれも全国に展開している。界のほとんどは、以前からあった旅館を改修リフォームして、均一化したサービスを提供している。
超高級旅館というわけではないが、接客は文句のつけどころもなく、料理は美味しく、温泉も素晴らしく、至る所に昔ながらの旅館にはない工夫が見られた。星野リゾートにおいては、各地域の特徴を活かして、催しやサービスを展開しており、今回の遠州では、静岡県ということでお茶の産地の特徴を活かして、お茶の飲み比べなどの催しがあった。夜の9時以降には、お茶のカクテルが無料提供されるサービスがあり、夜のロマンチックな雰囲気の中お酒を楽しむこともできた。
自分が印象に残ったのは、部屋や温泉のシステムにおいてのシンプルさだった。温泉については、今の温泉や銭湯は蛇口が一定時間後自動で止まるシステムがほとんどな印象があるのだが、こちらでは自分で蛇口をひねって水を止めなければならず、逆に止まってしまうよりは、お客の利便性を優先して、循環式の構造により水道代がそれほど変わらないのであれば、その方がいいのではと思ったのである。いちいち、お湯が止まってしまうのは実は面倒であったりするのである。ただ一般の旅館が自動で止まる方式が一般的なものであるからということで導入していて、もしこの旅館が意図して自動で止まらないシステムをあえて導入しているのであれば、それも画期的な考えだとも思ったのである。
又、ドライヤーもダイソンのものを設置しており、風量が強く心地よかった。設備がよくなるほど投資額は大きくなるのだが、均一のサービスを提供することにより、常連客を作ることができればそのほうが利益が上がるという考えが見え隠れしたようだった。
又、チェックアウトも12:00ということで、通常11:00のところが多いが、この1時間でだいぶ宿泊者は、温泉に朝にも入るなどして余裕をもって宿泊先を満喫でき、これも、顧客の目線を考えたものであると感心したのである。均一化によりチェックアウト後の次のお客のためのチェックインの準備を簡素化できているからできることではないかとも推測した。
概して、顧客の視点から全て設備を考えており、新しいタイプの旅館であるから、どちらかというと、若い層にターゲットを絞っているというような印象を受けた。そして、この円安の時期には、中国や韓国を中心とした外国の方が多いのではと、というか、それがもう当たり前の感覚になっていたのだが、日本人の家族が多かったというより、外国人の方は自分の見た限りではいなかったというのが驚きであった。遠州という地にはあまり馴染みがないのか、土日は意外に日本人が多いのかと理由を推測したりした。
もちろん、費用は通常の旅館より高くつくのだが、大人一人数万円とべらぼうというわけでもなくディズニーランドに行くよりはずいぶん安く、商売の視点でたくさん勉強になり、そしてたくさん満足できた宿泊であったから、大変満足であった。やっぱり旅は、ストレス発散にもなるし、百聞は一見にしかずの最もいい例で、多くのものを吸収できる素晴らしい経験と再認識したのである。
その後、日曜日は子供達を舘山寺の浜松動物園に連れていき、楽しませ、とても疲れたのだが、運動にもなり久しぶりにいい休日とすることができた。