外科医よしえのひとりごと。

私は母親に似て、手が大きい。

身長の割に手のひらが大きく指が長い。

正直コンプレックスだったし、

未だに好きではない。

しかしその手は今や私の武器。

この手が無いと命を救えない。

誰かのためにこの手を動かせること、

とても幸せなことだと感じる。

このご時世で埋められないものがある。

少し慣れ始めた自分がいた。

人に投げかけられて初めて気づく

誰かの曇り空。

そして我慢を覚えた代わりに

狭くなっていた世界。

正解なんて分からない。

今できることを精一杯やる。

結果が出なくとも、

今はその過程が大切なんだ。

何年ぶりかに後輩から電話。

何やら相談があるとのことで。

久々に聞いた声で

その時間が一瞬にして鮮明になった。

相談に乗る側だったにも関わらず、

後輩の声で自分が元気をもらった。

会えずとも声を聞くだけで

変わりない日常に刺激が入る。

自分も誰かのそんな存在でありたいな。

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