見出し画像

あとがき。 遥かなる平壌

前回までの記事14話が、今年2019年の5月令和が始まるまさにその時に訪れた「北朝鮮」の見聞録である。


私が、彼の共和国へ赴いて見て感じたことはだいたい書いたつもりである。

私が、この文章を書こうと思った動機は、ガイドの朴さんが言った言葉だと、第一話の冒頭に書いた。

つまり、良いところも悪いところも、「北朝鮮」の実情を見て感じたことを、「北朝鮮」に行ったことが無い人に伝えることが動機だったのである。


あの国に住むほとんどの人が私たち普通の日本人と変わらないような素朴な人達であったが、やはり、私たちの住んでいる資本主義の国とは全くことなるシステムで動いているので、戸惑うことも多かった。


今思い出しても、全く不思議な国だった。


全てが国の管理下に置かれ、情報も極めて制限されており、また街に企業の広告が一切なく、故に商業的な匂いのするものが極々少ない。


またほとんどの国民はその隙間のない厳格なシステムから一歩も外れることができないようにがんじがらめにされている印象があった。


私はそんな国に住むなんてまっぴらごめんだと思ったが、それでも、私たちが接したあの素朴で純粋な朝鮮人達の住む国を悪く言う気は全く起こらない。

彼らは彼らで、彼らなりの楽しみを享受しており、それなりに幸せそうな人を何人もみた。


あの短い旅だけでは表面的なものどころか、上っかすの上っかす程度しかみることができなかったが、それでもメディアの情報だけであの国を判断する人達よりは、ほんの少しあの国の本当の姿を知ることができたと思っている。



「北朝鮮」に行ったというと、私は何人かの大人から叱られた。 


「お前、そんなに日本が嫌いなら日本を出ろ!」


と親戚の叔父さんから言われたこともある。 


やはり多くの日本人にとっては「北朝鮮」は日本の敵国であり、不気味な隣国なのだろう。


確かにあの国は我が国の国民を何十人も拉致した。 日本人の常識が通じない国の一つであるとは言える。


しかし、いくらなんでも戦場にいくわけでもないし、年間に日本人が何百人も旅行で訪れている国なのだ。


「北朝鮮」を限りなく悪のイメージで染め上げてきたメディアの罪は限りなく深いと思っている。 しかし、メディアとはそれが仕事である。 



「皆さんが日本に帰ったら家族や友達に朝鮮旅行のことを話してください。皆さんが今回の旅行で見たありのままの朝鮮のことを周りの人に話して欲しいんです。そうしたらその中の1人でも朝鮮に行ってみようという人が出てくるかもしれません。」


ガイドの朴さんはこう言った。 


これがあちらの民間人の本音だと信じたい。



私の「北朝鮮」観に何もバイアスがかかっていないとは言えないが、できるだけ中立に書いたつもりである。


これを読んでくれた方に少しでもあの国の実情を感じていただけ、さらに彼の国へ赴きたいと思う人が現れてくれれば幸いである。


旅行の手続きは非常に簡単で、中外旅行社というところに問い合わせたら向こうがほとんどの手続きをやってくれる。


値段は中国までの航空券を除けば4泊5日18万円くらいで済むはずだ。


あの国の掟(おきて)に逆らいはしない限り安全であるのは間違いない。


2018年に日本人が拘束されたのは、ガイドが外にでるなといったのに夜の街を徘徊したりしてルールを守らなかったからだし、監獄に入れられていたアメリカ人は「滞在先の羊角島国際ホテルの政治宣伝ポスターなどを盗もうとした」として処罰を受けたのだ。


そういうことをしなければ安全なところだろう。何せ全てが管理されているのだから。


ブラジルやコロンビアに行く方が間違いなく危険である。


そして何より、高麗航空のCAさんがとても綺麗なので、男性諸君はそれだけでも行く価値があるとだけ言っておこう(笑) 


できれば朝鮮語か中国語を覚えていったほうが良い。 


彼女らは英語を話せなかったからだ。


画像1

※中華人民共和国遼寧省丹東市から望む、朝鮮民主主義人民共和国





ここから先は

0字
このマガジンを購入していただけると、各記事(全15記事)100円のところが300円でお読みいただけ、お得です!(最初の3記事と、最後のあとがきは無料です。)是非、謎の隣国、「北朝鮮」のお話をご覧ください。

2019年5月1日、つまり令和元年の元日に私は「北朝鮮」こと朝鮮民主主義人民共和国を訪れた。テレビでは知ることのない、この国を、ほんの一部…

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?