ここにしかない vs 東京にも出店している ぼくらが選ぶのは
「打ち上げはお寿司にしよう」
幸枝さんのその一言でランチはお寿司に決まった。
今年から北海道の美幌で営農をはじめるぼくらだが、真っ白な雪に世界が覆われる冬の間は農業以外の仕事をしている。今年の冬はありがたいことに、いろいろな仕事があった。雑誌のライター、編集、制作進行、昨シーズンの共同研究のレポート作成、海外のサイエンスニュースを要約した日本語ニュースづくり、地元企業のウェブ制作のサポート、サイエンス系の英文の日本語訳のベースとなる単語リストの作成なんてこともやっていた。
そして、それらがあらかた終わったので、打ち上げなのである。
ぼくらが「寿司」いや「鮨」を食べるとき、真っ先に頭に浮かぶのは2つのお店だ。1つは北見の「回転寿し トリトン」、そしてもう一つが網走の「鮨ダイニング月」だ。どちらも、自信を持ってひとを連れていけるオススメのお店だ。値段、味、美幌の自宅からの距離、どれをとっても甲乙つけがたい。
「回転寿し トリトン」を知ったのは、東京で働いているときだった。雲を貫く勢いで伸びるスカイツリーの足元、東京ソラマチの中に店があった。いつみても、往年のビッグサンダーマウンテンのような行列。並んで食べてみるとたしかにうまい。そんな印象のお寿司屋さんだった。その本店が実は北見にあると知ったときはなんだか嬉しく得した気分になったものだ。
しばらくして、それに匹敵するくらい満足感を与えてくれる寿司屋を網走に見つけた。それが「鮨ダイニング月」だった。
寿司を食べにいくときはいつだって、どちらに行こうか迷ってしまう。迷った末で、選ぶのは多くの場合、網走の「鮨ダイニング月」だ。その理由は「トリトンは東京で食べられるしなぁ」だ。
東京にも出店している、それはその業界で認められ、成功した証といえるだろう。でもそれが、ぼくらにとっては選ばない理由のひとつになっている。
「ここでしか食べられない」その意味は味、値段とは別の強烈な魅力を持っている。
企業として発展するなら、店舗を増やして東京に出店してというのは誰もが思い浮かべる成功の道筋だと思う。でもそれが理由となって、選ばない人もつくってしまう。なかなか難しいなと思う。結局は、誰に対してなにを実現したいかということなんだろうなぁ。
そんなことはおいといて、今日も「鮨ダイニング月」のお寿司はぼくらを大満足させてくれるものだったのでした。はあ、うまかった。
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