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強酸性土壌にパンチ、炭酸カルシウムを大量投入しつつ、作用機構を調べてみた

我が家の強酸性土壌に、どかっと炭酸カルシウムを施用。

使った炭酸カルシウムの量は、500kg入るフレコンバッグで21袋。つまり小錦37人分だ。今風にいうと正代63人分だ。現役大関の2倍近くになる小錦の大きさに軽く驚くがそんなことは今回関係ないのである。

この炭酸カルシウムを5ヘクタールちょっとの畑に均等にまく。だいたい10a当たり200kgの計算だ。

畑に二台のトラクターを準備し、片方のトラクターでバッグを持ち上げ、もう片方のトラクターにつけたブロードキャスターにドドーっと流し込む。巨大なトラクターとバッグにつむぎもはしゃいでぐるぐる回る。

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先輩農家さんに頂いた大きなブロードキャスターが大活躍。1.5トン分を搭載して畑を走る。ブワーッとまくこと3時間。あっという間に大量の炭酸カルシウムが畑の上に。実際にまいてみると畑の上ではあまり目立たないものだ。

その後は一日かけて、スプリングハローをかけて土壌中に軽く混和。これで少しは酸性が中和されると良いなぁ。

さて、ここまでやってみて、はたと気づく。

「とりあえず定番とされる炭カルまいてみたものの、炭酸カルシウムってどうやって土壌を中和するのよ。水酸化物イオン(OH-)も含まれてないし」

農学博士の端くれである僕としては、せっかくなので調べてみることに。博士らしい調べ方があるわけでもなく、ビシッとグーグル検索を試みる。

すると、意外と反応機構は出てこない。緩行性だよとか、アレニウス表で量を計算するよとかは出てくるが今回の興味はそこではない。ちょっと博士らしくグーグルスカラーを使って論文検索してもやっぱり納得いくものは出てこない。

しばらく検索を続けようやく見つけたものがこちら。

さすが、我らがホクレン。Q&Aコーナーでさらっと答えてくれていた。

炭酸カルシウムの中和反応は下記の3段階になっているらしい。

第一段階: CaCO3 + H2O + CO2 ⇔ Ca(HCO3)2
第二段階: Ca(HCO3)2 ⇔ Ca+ +2HCO3-
第三段階: H+ +HCO3- ⇔ H2CO3 ⇔ H2O + CO2

炭酸カルシウム(CaCO3)は、水(H2O)と二酸化炭素(CO2)に出会うと炭酸水素カルシウム(Ca(HCO3)2)に変化する。その炭酸水素カルシウムは土壌溶液中でカルシウムイオン(Ca+)と重炭酸イオン(HCO3-)に分かれる。この重炭酸イオンが酸性の根源となる水素イオン(H+)と反応して中和してくれるわけだ。そして最終的には土壌中にカルシウムを残して水と二酸化炭素にまで反応していくのね。

にしても、参考文献が1957年のものとは、もう当たり前過ぎて誰も気にもしていなかったのかなぁ?

反応の流れが分かって気持ちはスッキリ。炭酸カルシウム、二酸化炭素を含んだ雨水を吸収して頑張っておくれ!明日は雪だからそれでもいいぞー。

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