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牛乳パックで船を作ってリカレント教育

つむぎと一緒にのんびりおさるのジョージを見ている。ユーチューブでもう何度も見たお話。ジョージは船を作ってコンテストに参加している。

ふと思いつく。
「つむも船作ってみる?」

「うん!つくって!」
うれしそうにこたえるつむぎ。一緒に作ってみるつもりだったが、ぼくだけで作ることになったようだ。
「トミカをはこべるやつね!」
フェリータイプをご所望のようだ。

「だでぃが作るのね、家にあるやつでやってみるか」
「うん!」

キッチンには洗って乾かしてある牛乳パックがあった。防水性バッチリで都合が良さそうだ。

開いていた口をビニールテープでしっかり閉め直す。これでもう問題なく浮くはずだ。あとはトミカを載せられる工夫をするだけだ。

もう一本の牛乳パックを使って上部に柵をつくる。この柵の中にトミカを置けばいいだろう。さらに、転覆しないように左右に羽を作ってみることにした。

「つむ、できたよ」
「お風呂で試す!」

立派なマイシップを手に入れたかのように喜びながら、牛乳パック船を抱え入浴。もちろんトミカも忘れていない。

船を浮かべる。牛乳パックなので問題なく浮く。

トミカを載せる。

すぐさま回転しトミカを水中に放り投げる牛乳パック船。左右に付けた羽も喫水が想像よりも遥かに低い位置だったので全く機能していない。

羽で回転を打ち消すつもりだったが、位置が高すぎた

浮力は十分でもバランスが悪かった。つむぎに借りて、ぼくもトミカを載せてみる。すぐに回転。

それなりに重量があるトミカが高い位置にあるので、重心が高くなり、ちょっとのズレでも回転する力が働く。要は重心と浮心の位置関係の問題だ。

「あぁ、これ情熱先端Mission-Eでやったところだ!」

前職のリバネス時代に、日鉄エンジニアリングさんと一緒に立ち上げた中高校生向けエンジニアリングプログラムMission-E。そのうちの1つ、浮体式洋上風力発電所のモデルづくりに挑戦する「エネルギーアイランドプロジェクト」でものすごく勉強し、中高生にも伝えまくった内容だった。

あぁ、懐かしい。

ぼくとしたことが重心と浮心の位置関係を考慮に入れるのを忘れるとは、まずいまずい。(重心と浮心の関係についてはこのサイトを見ると直感的に分かりますよ)

そして翌日、第2号機をつくる。

今度は牛乳パックの上部を切り拓いて、パック内部にトミカを積載する形にした。これにより重心はものすごく下に移動するため、ちょっとやそっとのズレでは浮心とのバランスで回転は打ち消されるはずだ。

つむぎと一緒にまたお風呂へ。やっぱりつむぎはワクワクしながら牛乳パック船2号機を持って入浴。
「でも、うかないとおもうよ!」
ワクワクしつつも、前回の失敗のイメージがあるからか、完全に疑ってかかってくる。

「そっと、試してみてよ」
ぼくはちょっと自信がある。

つむぎが船を浮かべる。次にトミカを搭載。

「あ、ういてる!」

こうして、フェリータイプの牛乳パック船が完成したのだ。

ランボルギーニと戦車とジェット機を搭載

ぼくは喜ぶつむぎの姿をみながら、Mission-Eの企画を作っていた時のことを思い出すのだった。

「これがリカレント教育ってやつだな、違うか?」

最後まで読んでいただきありがとうございます。東京から北海道オホーツクの美幌町に新規就農した4人と1匹家族の農業、子育て、おすすめスポットなどをほぼ毎日更新しています。もしよろしければ「スキ」「フォロー」をお願いします!
(登場人物)
ぼく:東京大学で農学博士取得後、ベンチャーで8年勤務。その後、北海道で新規就農。
幸枝さん:ぼくの妻。北海道大学で生命科学修士、ぼくと同じベンチャーで同期入社。2015年に結婚。
つむぎ:3歳の長男。北海道で元気いっぱいに成長中。電車、働く車、飛行機など乗り物大好き。
スピカ:2歳の猫。女の子。網走の病院で保護されていたところからぼくの家にやってくる。
櫂:0歳の次男。長男が騒ぎ回る横で、どっしりと寝ている大物感を漂わせる。


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