見出し画像

ブロッコリーを取り続け、すべての「食」は誰かの手が支えていることを実感する

ザク、ザク、ザク、ザク。右手に包丁を持って、ブロッコリーをどこまでも収穫していく。

ここ数日晴れが続いていたが、今日は雨模様。朝一、レタスの収穫を始める。二人が切る人、二人が詰める人に分かれて、レタス12個入りのケースを次々と作っていく。目標数の収穫が終わった頃、強い雨が降ってきた。カッパの上を持たずに来た僕は、この時点でずぶ濡れ。雨に打たれながら急いでレタスのケースをパレットに積み上げる。

画像1

レタス収穫後は、ブロッコリーの収穫に入る。今日の収穫量はすごかった。10時頃から初めて昼休憩をはさみ最終的に16時半ごろまで収穫を続ける。ぎっしりとブロッコリーが生えている畑の中を包丁片手に分け入る。葉っぱの中に隠れている可食部を一つ一つ確認しながら収穫する。同じタイミングで育てていても、大きくなっているものもあればまだ小さいものもある。左手で頭を握り、手の大きさより大きいものは収穫、小さいものは次回へ。十分な大きさのブロッコリーを左手で抑え、右手に持った包丁を地際に入れてザクザク。そして、いらない枝をバサバサと切り落とす。この作業を延々繰り返す。本当に延々繰り返す。

画像2

画像3

ここで採ったブロッコリーの一つ一つが、スーパーに運ばれ、買われていき、各家庭で食べられる。なんだか不思議な気分だ。野菜の収穫は本当に手作業。ありとあらゆる野菜の裏には人の手がある。野菜づくりに本格的に関わるようになってきて、初めて知ったことだ。東京にいた頃はスーパーに並ぶ野菜に何の感情も持たなかった。値段が安くて、形が良ければ、他に何も考えることはなかった。作る側に立つと、「食」は誰かの手によって支えられているということを本当に実感する。僕らのように新規就農してみるみたいな、突飛なことを全員がやる必要はもちろんないけれど、成長していく過程ですべての人は農業を経験するべきだと感じる。特に手を使って収穫している野菜づくりはぜひやってみてほしい。自分の「食」が誰かの手に支えられていることを実感すると、少し見える世界が変わってくると思う。誰もが誰かに支えられて生きている。

僕らがどんな農業をやっていくか?ことあるごとに考えていた。考えることから逃げたいと思うこともままある。ただ、今日、雨も降る中、ブロッコリーを無心に収穫し続けて、やっぱり作る人と食べる人を結びつけることはやろうとスッキリした。

サポートとは「投げ銭」の意味です。 サポートにて100円でも200円でも頂けるとやる気に繋がります!皆様のサポートありがとうございます!!