ミスボド蒲田で触れたボードゲームの盛り上がりと発売前新作の感想
※熱量多めの約4,700文字 読了想定8分
非電源ゲームも好きです(2回目)
本稿は都内の大規模ボードゲームイベントである11/3(土)『ミスボド蒲田』にて体験してきた、11/24(土),25(日)のゲームマーケット(ざっくり言うとコミケのボードゲーム版みたいなこれまたでかいイベント)で発売される新作ボードゲームのレポートです。
本稿で伝えたいことは、
ボードゲームは
・今熱い!
・面白い!
・作り手の皆すごい!
ということです。
(試遊した新作の紹介もするので「ボードゲームが熱いことなんてこちとら百も承知でい」みたいな江戸っ子の皆さんも是非読んでね。)
目次
・ボードゲームの熱さ
・今回ご紹介するゲームたち
ー『masala magic』 by natriumlamp games様
ー『突撃!今夜の晩ごはん』 ーNSGクリエイト様
ー『CMYK!』 ーby くじらだま様
ー『閻魔裁判』 ーby アソビ・ツクース様
・雑感
・ボードゲームの熱さ
今ボードゲームが熱い、と言われている気がします。
気がするだけではなく、事実として熱いのです。
例えば国内最大規模のアナログゲームイベントである「ゲームマーケット」の来場者数は東京ビッグサイトで行われるようになった2013年からずっと右肩上がり。
※数値はゲームマーケット公式より
※ゲームマーケット公式
2018年春には、5年前の約4倍もの来場者数があるのです。
同時にボードゲームが遊べるカフェも全国各地にできており、有志によるイベントも活発に開催されています。
今回私が伺った「ミスボド蒲田」もボードゲームをこよなく愛する方々が多数集まり、事前予約の170名が埋まるほどでした。
※ミスボド公式
11/3(土)のミスボド蒲田では、市販のゲームで遊べるのはもちろん、11/24(土),25(日)に控えるゲームマーケット開催に向けて制作中のゲームが遊べる試遊会も催されました。
※こちらは市販のゲーム群。
全部で5部屋あるうちの一つなのでこの5倍くらいあったのかしら。
すごい
今回はゲームマーケット前ですし、せっかくなので試遊してきました。試遊できたもの・できなかったものとあるのですが、
・どんなゲーム?
・面白かったポイント
をちょっと熱量多めに説明したいと思います。
(頑張ってついてきてください)
・今回ご紹介するゲームたち
ー『masala magic』 by natriumlamp games様
※ゲームマーケットのストアサイトに飛びます
・どんなゲーム?
『香る』、スパイスのポーカー
・面白かったポイント
・コンポーネント(部品)が超凝っててかっこいい
・スパイスの香りを嗅ぎ分ける、ということ自体が超面白い!
・とにかく全てのこだわりがすごい
これを主にお目当てにいったのです。
すごく凝った仕組みで、スパイスの香りがついたインセンス(棒状の部品)を使ってポーカーをします。
しかし、ただ引いて役を作るだけじゃない。
隣の人の5本からなるインセンスセットを受け取り、どのスパイスが入っているかを香りだけで当てることで、相手のインセンスを捨てさせることができる「スパイス版の香道」的なニュアンスもあるのです。
(香道あまり知らないので合ってなかったらすみません)
※インセンス・カップ・シェードと役。オシャレ
※こんな感じで見えないように引きます。オシャレ
やってみると一種類一種類の香りはなんとなくわかるものの、混ざってくるとわからなかったり、1つはなんとかわかるけど他に何がはいってるかわからん!となったりと、香りを楽しみ、嗅ぎ分けることがとにかく楽しいのです。
そして周りに見えないようにインセンスをスッと引く様子もお作法ができてきて風雅。
ゲーム自体も一発逆転の強い役から、コツコツ作れる役まであって戦術性もあります。
そして何よりも、これらを作られている「natriumlamp games」のPRAさまのこだわりがすごい!スパイスの香りについてもひとつひとつ丁寧に解説してくださいました。(絶対本業の方だと思います)
※実際のスパイス群とエッセンシャルオイル。オシャレ。
ゲーム自体には負けたのですが、香りを当てることは結構できて盛り上がることが出来ました。これはとにかく実際に実物を見てほしいし、香ってもらいたい、そう思わせるこだわりの逸品でした。とにかくオシャレ。
ー『突撃!今夜の晩ごはん』 ーNSGクリエイト様
※ゲームマーケットのブースページに飛び(以下略)
・どんなゲーム?
料理を素材のヒントから当てる、発想勝負のワイワイゲーム
・面白かったポイント
・「初手小麦粉」が強すぎて笑える
・出題者のときの「あーまだわかんないよなあ、これ」というニヤニヤ感
・回答者になったとき、一発で当てられたときの爽快感
こちらはNSGクリエイトさまの「料理」をテーマにしたゲーム。
出題者1名と他回答者に分かれ、
①出題者は料理名の書かれたカードを一枚引き、その「素材」をヒントとして出します
(ホットドッグなら「ウインナー」とか、回鍋肉なら「キャベツ」とか)
②回答者たちはそのヒントから料理名を当てにいきます
③3回はずれたら次のヒントが出ます
④当てれば当てた回答者と出題者で山分け。4ターン繰り返しても当たらない場合は全員負け。
※回答者は早いターンで当てれば大量得点、出題者は遅いターンで当てさせれば大量得点です。
というルールなので、
例えば出題者側が「ペペロンチーノ」というお題で、
1ターン目に「パスタ」
2ターン目に「にんにく」
なんてやってたら瞬殺です。
定石は1ターン目にはできればあたらなさそうなものがいい。
そこで「小麦粉」です。
パンもパスタもお好み焼きもたこ焼きもホットケーキもショートケーキも全て小麦粉が使われているのです。
「初手小麦粉」が3回くらい続いてゲラゲラ笑いました。
しかし、最終的には当ててもらわないと得点になりません。
徐々にわかるようにヒントを出すのがコツとなります。
この2,3ターン目くらいの皆が悩んでいる表情を見ているのが出題側の醍醐味でした。
そして、回答者側は、それを考慮してあまりストレートなものでなく、しかしおそらく入っているであろうものを想像し、答えていくのです。
今回、回答者側が1ターン目で一撃で答えられたことが2回ありました。
ケース1 ヒント:パン 回答:チーズフォンデュ
ケース2 ヒント:にんじん 回答:ポテトサラダ
麻雀でいうと天和みたいなもんですが、これができるとめちゃめちゃ気持ちがいい。スッキリします。
どっち側にまわっても楽しい、まさしくパーティーゲームという感じでした。
ー『CMYK!』 ーby くじらだま様
※ゲームマーケットのブースペ(以下略)
・どんなゲーム?
マークが合うタイル同士を繋げるリアルタイムタイルアクション!
(ついでに色んなお題が出るから頑張ってそれも叶えてね)
・面白かったポイント
・カラフルなタイルがポップでかわいい
・タイルをわちゃわちゃ繋げていくときの疾走感
・簡単なルールとやってみると奥深いバランス
3番目に紹介するのはくじらだま様の『CMYK!』
(友人のサークルですが、普通に面白いので普通のトーンで紹介します。)
タイトルはいわゆる印刷に使われる色の4要素。その名の通りカラフルなタイルを使います。
※あらかわいい
このゲームのルールはとてもシンプル。
タワー状に積んで並べた三角形のタイルのうち、一番上のタイルからどんどん拾って繋げて集めていきます。
キレイに六角形ができるとポイントとなり、ポイントが高い人が勝利です。
しかし、気をつけないといけない点が2つ。
①タイル同士を繋げるには、繋げる辺と辺の「マーク」「マークの色」が同じじゃないといけません
②「場全体のお題」「個人に与えられたお題」によって、ポイントは上下します
お題カードは最初場に1枚出ているのですが、特殊なタイルが使われることで増えていきます。中には「前のお題は無効!」だったり、「前のお題は得点2倍!」だったり、プレイしていく中でどんどん状況が変わっていき、目指すべき形も変わってくるのです。
極端な例で言えば六角形はないけどお題を何個も満たしたから1位なんてこともありえるのです。まさにリアルタイムタイルアクション。
とはいえ、基本的には六角形を作りにいくのが定石。頑張って拾えるタイルから自分が欲しいタイルを探します。
しかしやってみると意外と合わないもの。
「こっちの辺は合うけどこっちが合わない・・・」
「欲しいタイルがあったのに先に取られた!!!!!!」
などの苦難を経てキレイな六角形ができるとえもいわれぬ達成感があります。
※六角形できてます。おめでとうございます
見た目は可愛く、ルールもシンプル。子供にもできると思います。
しかし、さて始まると大の大人も慌ててタイルを取り合うことになるのです。そんな奥深さと意外性が含まれたゲームでした。
一度プレイしたら、「もう一回やらない?」と言うこと必至です。
ー『閻魔裁判』 ーby アソビ・ツクース様
※ゲームマーケットのブ(以下略)
最後の紹介になります。
が、実はこのゲームはやりたいと思いつつもプレイできなかったのです……
公式の方でわかりやすく概要をまとめていただいた漫画がこちら
ルール説明漫画①(https://i0.wp.com/gamemarket.jp/wp-content/uploads/2018/09/img001.jpg)
ルール説明漫画②(https://i0.wp.com/gamemarket.jp/wp-content/uploads/2018/09/img002.jpg)
※「これを遊んでおけばいつ死んでも安心ね!」という言葉選びのセンス、知的レベルの高さを感じます。
そして、来世の最高値は「人間」ではなく「飼い猫」であることが確認できています。(人間と飼い猫で飼い猫のほうが幸福であると理解している時点で作り手の知的レベルの高さが非常に高いことがわかります)
賽の河原で石を積み、徳を積んで最高の来世を目指すゲームのようでした。
こういう、アクション(手先で行うこと)と戦略が混ざったゲームは好きなので、是非やりたかったです。残念な思いを紹介に込めました。
来世で是非プレイしたい、そう思います。
・雑感
どれも面白かったですし、これ以外にも多数試遊卓が立っており、会場は本当に盛り上がっていました。
まだ完成前の段階で色々お話を伺っていると、アイデアとボードゲームへの熱い思いがあれば面白い・楽しい・わくわくする・凝った・こだわりを感じるゲームが作れるんだな、ということを実際に目の当たりにできました。
作り手ってすごい。本当にすごい。
(終わりに)
今回は4つしか紹介できませんでしたが、11/24(土)、25(日)に東京ビッグサイトで行われるゲームマーケットでは多数のサークルが出展します。
※ちょっと多すぎて数えるのを諦めました。
web上のどこかに実数がきっとある
ゲームマーケットは「アナログゲームの祭典」なので、ボードゲームだけでなく、TRPG(テーブルトークRPG)や、カードゲームなどより多くのジャンルのゲームがこの空間には存在することでしょう。
自分のお気に入りのゲームを探すにはピッタリの場所かなと思います。
熱い思いを持った人たちが手ぐすねを引いて待っていると思いますので、本稿で少しでもボードゲームって面白そうかも、と思っていただけたのならば行ってみていただけるととても嬉しく思います。
(終わりにの終わりに)
私はゲームを作れるかはわからないのですが、ゲームをすることと、ゲームの話をすることが本当に大好きです。
こうやって、「ゲーム関連論考」などといいつつそんなに役にたたないことを撒き散らしていますが、ゲームにちょっとでも関わっていたいし、その発展に少しでも役立てるといいな、と日々思っている次第です。
徳を積んで、来世では飼い猫になるか、ゲームにどっぷり浸かって与太話をする生活をしたいなあ、と思った秋の日でした。
(了)
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