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陶芸家として独立して自分の作品を作るにあたり、考えること。
さぁ、何を作ろうか。

そこで見え隠れするのはやはり育ってきた環境でしょう。 
それは京都のやきものに触れてきた自分の人生でもあるし、それまで勤めていた窯元での作品に対する経験の蓄積だったりもする。
好きに作ったら良いとは言え、自由すぎることがかえって不自由に感じるわけです。

これまで勤めていた窯元の特徴として
・〇〇焼と称する、ただ一軒しかない窯元
・土は自分たちで掘り、自家製
・陶器と磁器のどちらも作る
・歴史は400年超
・茶陶としての実績、知名度
・陶芸教室では全国のやきものを範疇に指導
・ガス窯を基本に電気窯、登り窯も使っている

という環境に長いことおりますと、いろいろ勉強することがあり知識や経験も蓄えていくわけです。

ここであらためて、やきものを構成する要素を振り返ってみますと
・土
・釉薬
・焼成
・形
・装飾
・用途
などがあげられるでしょうか

土はオリジナルでなく、仕入れとなる。
釉薬を思い浮かべると、カテゴライズされた色合いがちらほら。
重ね掛けなどの組み合わせの好みだと、あれかなこれかなと考えてしまう。
そして装飾、用途。

そんな中で茶道具は、自分の中でハードルが高く、一旦保留。 

そこで見えてきたのは、自分が使いたいと思うものであったり、
見て、これええなぁと感じれるものにしようかなと思い始めました。
ロクロの前に座り、自然と手が動いたものを作ってみようかなと思い出したのです。

そんな工程を経て成形されたうつわに色を刺す。
ここはあえて、形を引き出すのに、足すことをやめてみようかと思い出したのです。そこで選んだシンプルな二色。
それがモノクロームの白と黒。
この色合い、白黒をはっきりさせたがる心理学的理由ってのもあるみたいですが、どうもそれには当てはまりませんでした。
思いがけない色になることが尊ばれることも多いやきものの世界。
白や黒を選ぶと楽なんじゃない?と思われそうですが、ムラになってしまうとそんなに綺麗なものではないので、逆に難しい色合いでもあるのです。

ただ、これを最初の基軸とし、多くの方に見ていただきたいのが第一印象。

ひと目見てきれい、じっくり見てきれい
そう思って欲しい。
そしてそれが広く行き渡った時に、色の展開を考えています。


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