嫌われてる理由ってわからなくない?

誰かに嫌われた人が、「相手が自分を嫌いな理由は嫉妬」と断じているのをたまに見かける。

ビジネス系やスピリチュアル系のインフルエンサーが、

「アンチは嫉妬してるだけ」
「叩いてくるのは私たちの生き方が羨ましいから」

と発言したり。

そういうのを見かけるたび、不思議に思う。

なんで相手の心理がわかるんだろう?

だって、嫌ってる側が「私があなたを嫌ってる理由は、あなたに嫉妬してるからです!」って言わなくない?

嫌いな理由は嫉妬説って、嫌われた側の想像でしかない。

本人はそう思っているけれど、実際はまったく羨ましがられていなくて、違う理由で嫌われているパターンもあるんじゃないか。

単純に、間違ったことを言ってるから批判されてるだけとか、自己中だから敬遠されてるだけとか。


だいぶ前だが、同じ中学出身だった人とばったり再会したとき、

「私、職場で女からハブられてんだよねー。私、サバサバしてるから男ともふつーに遊ぶし、男友達多いし、女から嫉妬されてて~」

と言っていた。

彼女の職場の人たちが何を思っているのか、私は知らない。もしかしたら彼女の言うとおり、本当に嫉妬しているのかもしれない。

ただ、話を聞いていて、「本当に嫉妬されてるのかなぁ」と疑問に思った。彼女が嫉妬の根拠としてあげる男友達の話が、まったく羨ましい話ではなかったのだ。

彼氏じゃなく男友達だし、聞いてて「えっ、それって都合よく使われてるのでは……」とハラハラするような。少なくとも私は、「キー、くやしー!」とはならなかった。

もしかしてだけど、彼女が嫌われてる理由ってそういうところなのでは……?

そういうところとはつまり、ぜんぜん嫉妬されてないのに嫉妬されてると思い込むような思い込みの激しさだったり、まったく親しくない私に一方的に男友達とのアレコレをまくしたてる下品さだったり。

なんで、嫉妬されてると断言できるのか。

人に嫌われたとき、自分に非があったと認めるのはつらい。

そんなとき、「相手が自分に嫉妬してるから」というストーリーはうまく心を守ってくれる。自分の非から、目を背けることができるから。

だけど、それが真実とは限らない。ふつうに「性格悪いから」「空気読めないから」で嫌われてることもきっとたくさんあって、それを想像すると、うわ~~~っと耳を塞ぎたくなる。

私のことを嫌いな人に、わざわざその理由を質すことはない。

知って傷つく覚悟もないので、憶測もせず、わからないまま飲み込んでいる。


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