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私のSNS遍歴

SNS歴は15年くらいだ。

だけど、SNSで会ったことのない人と交流するようになったのは、実は最近。

そして、SNSで知り合った人とリアルで会ったことは、まだ一度もない。

◇◇◇

【mixi】

はじめてのSNSは専門学校生時代のmixiだった。2004年頃だったと思う。

マイミクはリアルの友達限定で、70人くらい。知らない人からのマイミク申請は無視していたし、リアルの友達からも簡単に見つからないようにしていた(結局は共通の友人の多さでバレるのだけど)。ハンドルネームは下の名前をローマ字表記(同じ名前の人がわんさかいる)、プロフ写真もイラストだ。

学生の頃は毎日のように日記を書いていた。

友達に読まれるので、プライベートをさらけ出せる半面、「こういうことがあってムカついた」というようなエピソードは書けない。たまに、一般論として書いているのに「あれって私のこと?」と言われることがあり、それがしんどかった。

卒業してからは、少しずつ少しずつ、更新頻度が落ちていった。

◇◇◇

【Twitter

2010年にTwitterのアカウントを作った。なぜ年を覚えているかというと、東日本大震災の前年だったからだ(後述するけど、私は震災のときTwitterに精神的に助けられた)。

Twitterでは、リアルの友達とほとんどつながらなかった。当初は知らない人たちに向けて呟きたいことは特になくて、すぐに飽きてしまった。

だけど、震災が起きたとき、情報収集のためにTwitterを使った。

震災直後、兄と連絡が取れず家族全員が心配していたとき、兄の会社名で検索したら「○○社にいたんだけどそこまで揺れを感じなかった。さすが○○社のビルは耐震強度すげえw」みたいなツイートを見つけた。それを母と祖母に伝え、「たぶんお兄ちゃん無事だと思う」と言ったら、祖母が泣き出した。安心したのだ。その数十分後に義姉と連絡が取れて、兄の無事が確認された。

どこの誰かはわかりませんが、あのツイートをしてくれた方、ありがとうございます。と思ったが、リプライはしなかった。

私は札幌にいたので被災しなかったが、不安に襲われる日々が続いた。そんなとき、作家の長嶋有さんがTwitter上で「それはなんでしょう」という言葉遊びを始めた。不安なときだからこそみんなで遊ぼう、と提案してくれたのだ。

私はその遊びに参加した。Twitter上で知らない人たちと言葉遊びをしているうちに、その参加者の人たちからリプライをもらうようになった。

このときのことは、後に長嶋さんが「問いのない答え」という小説にしている。

この「それはなんでしょう(それなん)」参加者の皆さんは、とても仲良くなっていた。よくオフ会などもされていたようだ。だけど、私はネットでも人見知りで、皆さんとそこまで仲良くなれないまま、「それなん」からフェードアウトしてしまった。

フェードアウトしたことに特に理由はない。強いて言えば、祖母が亡くなったり教習所に通い始めたりバイトを始めたりしたからだろうか。なんとなく、Twitterを見る頻度そのものが減ってしまった。

だけど、このときに「それなん」でゆるくつながった方たちのうち数人は、その後もリプライをくれるようになった。

◇◇◇

【facebook

その後、mixiをやめてfacebookに移行した。当時、私の周りの友人たちはみんなmixiからfacebookへ乗り換えていて、facebookは今とは比べ物にならないほど盛り上がっていた。

実名主義にのっとって、本名で登録した。しかし私の本名は、結婚前も今も、同姓同名の人がものすごく多い。

だから、
「facebookやってる?」
「うん、やってるよ」
「友達申請していい?」
「うん!」
「(しばらくスマホをいじったあと)……ごめん、検索結果多すぎて見つけられない」
となる。プロフ写真は私自身のものを使ったけど、かなり引きのショットなので顔がわからず、知人ですら見つけにくいのだ。

投稿範囲は友達限定。友達申請はリアルの友人しか承認しない。それはmixi時代と同じだけど、最盛期のmixiは「毎日そこそこ長い日記書く勢」がわりといたのに対し、facebookは「長文&毎日更新はちょっと引かれる」空気が最初からできていた。

なので、更新頻度は少なめだった。

◇◇◇

インスタグラム

その後、インスタグラムのアカウントを作った。

だけど、投稿はほとんどせず。OL時代に作ったアカウントだからもう6年使っていることになるけど、6年間で60投稿くらい。利用頻度が少ない。

だけど、ここ数年はリアルの友達がみんなfacebookからインスタに流れてしまったので、友人たちの近況を知ることができる唯一のSNSとなった。

しかし、本当に仲のいい数人の友人たちは全員、インスタがロム専(見るだけ派)だ。結局、親しい人になるほど、近況を知りたいと思ったら直接連絡を取るしかない。

◇◇◇

note

昨年noteを始めた。

山小屋に行っていたのでしばらく放置していて、今年の2月末から毎日更新するようになった。はじめは6人くらいだったフォロワーさんも、今では550人以上。コメントやスキをいただけることも増えた。

noteで、たくさんの人と出会った。まだ誰ともリアルで会ってはいないけど、お会いしてみたい人がたくさんできた。

noteで吉玉サキを名乗るようになったので、Twitterでも吉玉サキのアカウントも作ってみた。すると、そっちもたくさんの出会いに恵まれた。

来月、もしかしたら吉玉サキとしてnoteで出会った人たちとお会いするかもしれない。

◇◇◇

考えてみたら、私は34年生きていて、まだ「ネットで出会った人とリアルで会う」ことを経験していない。

前述したとおり、SNSをリアルの友人たちとの閉じたコミュニケーションに使っていたからだ。

逆に今、リアルの友人は誰一人、私のペンネームが「吉玉サキ」であることを知らない。家族も知らない。唯一夫だけが知っているが、夫は私のnoteを読まない。私が「読まないで」とお願いしたからだ。

私を本名で呼ぶ人は吉玉サキを知らないし、吉玉サキを知る人は私の顔を知らない。

今のこの状態が、なんだか面白い。

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