「孤独」・「隔離」・「疎外」・「孤立」とは何か
こんにちは。議論メシ編集部部長です。
『 with コロナウイルスで変わること10・変わらないこと10』という本を2020年7月22日に発売されたのですが、毎週月曜日に編集部内で人気の高かった回を読んで頂こうと思います。
最近は新・"共創型"コミュニティのつくりかた-議論メシ・議論メシ編集部のあゆみと共に- という本が発売されました。
良かったらご一読ください。
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【問い】「孤独」・隔離」・「疎外」・「孤立」とは何か
【答え】
・他の人々との接触・関係・連絡がない状態を「孤独」
・他人から強いられた場合には「隔離」
・社会的に周囲から避けられているのであれば「疎外」
・単に一人になっているのであれば「孤立」
他には
・他を寄せ付けず気高い様子は「孤高」
があるが、こちらは当人の主観はどうあれ、その優れた性質にも拠り他が近づき難い状況を指す。
【解説】
緊急解除宣言が解除されて人がゴミのように増えた。
こんなに人がいたんだっけ。要らないんだけど。幸せそうな人々が街を行き交う。
やめてくれよ。人が増えると「孤独」を増幅させるんだから。
誰も通らない街に早く戻らないかな。
私は誰もが「人は一人で死ぬ」ということを体感していた「あの状態」が好きだったな。
孤独が孤立をさせてはいけないとは常々思っている。
SNS上での友人が沢山いても「本音で話せるのは貴方だけだ」と言われたことがある。
「コロナウイルス」によって世界が分断され、人との繋がりが希薄になったと言われるけど、本当かな。
何も変わっていないと思う。
「孤独」を感じる人はずっと感じる。
似たような状況で孤独を感じる人、感じない人がいるのは、遺伝子の違いが影響しているという説はある。
孤独を「生存リスク」に捉えるのは、現代社会の閉塞感なのだろう。
「孤独」と「健康」
有益な交友関係(ソーシャルキャピタル)の量や質に対する満足度は、主観的な幸福量を決定する上で重要なファクターである。
ソーシャルキャピタルが欠落した状態では、人によっては心身の健康を害することが知られている。
【参考】舛田ゆづり,田高悦子,臺有桂(2012):高齢者における日本語版 UCLA 孤独感尺度(第 3 版)の開発と. その信頼性・妥当性の検討.日本地域看護学会誌誌,15 (1): 25 −32
「宗教」と「孤独」
「宗教」と「孤独」は関連性がある。
古今東西の宗教では、修行の一環として自ら人間関係を断ち、孤独に籠もる行為が知られている。
キリスト教では、イエス・キリストが荒野40日間さまよったとされる。
修道士の始めとされる聖アントニウスなど修道士や隠者・隠修士と呼ばれた人々の流れにそれをみることが出来る。後代のキリスト教神秘主義者も少なからず孤独を体験している。
日本では、修験道の山伏といわれる行者が山に籠もる修行が知られているほか、中世には西行・吉田兼好などにより『徒然草』といった文学作品が生み出され、「隠者文学」と呼ばれている。
文化圏ごとの孤独に対する見解
社会や文化によっては「孤独」は「良くない状態」として見られることがあり、特に日本では孤独を社会から孤立していることと同義に扱われる傾向が根強い。
民俗学的に見てもアニミズム観(生物・無機物を問わないすべてのものの中に霊魂、若しくは霊が宿っているという考え方)から孤独な状態にいるものには悪霊が付くと信じられている地域もあり、
それらでは一種の呪術(または「おまじない」)的側面から「声を掛ける」といった風習も見られる。
「孤独を楽しむ」文化圏
「孤独」は必ずしもデメリットばかりとは言えず、寧ろ望んで「孤独を楽しむ」という文化性を発揮する者達すらいる。
こういった文化性は個人主義の根強い地域により強く見出せるが、こと個人主義の傾向が民族比較論的ジョークのネタともなる英国において、
社交会場にて壁際で佇んでいる者に無暗に声を掛けることは、むしろマナー違反ですらある。
「孤独」は「自己の内面と向き合う」機会
日頃は「外的に何かを成し遂げなければならないというベクトル」にある。だが、世間との流れを断ち切ることを求められている時は「自己の内面と向き合う」機会だという。
一人で本を読み、映画を見たりするだけでなく、自分に問いかけ、内側から出てくる言葉をnoteやtwitterなどに残す。
そうすることで自分の人間性を内側から深めていける。
問いかけるのは「何が自分に本当に大切なもので、何がそうではないか」。
人生で大事なモノや人、譲れない目標などだ。
孤独を孤立させてはならない
孤独自体は良い。どうせ人は一人で死ぬ。
だが孤独を孤立させてはならないのだ。
著者が「議論メシ編集部」を切欠に、点在している自分の知り合いや友人を集めることにした。
筆者の友人は優秀すぎて海外に飛び立った人ばかりだが、ロックダウンにより、家に閉じ込められてしまった。
海外ではただでさえか細くなる。
著者がフィリピンに留学して、スラムで調査をしていた際にハエを媒介した感染症にかかった時は現地に「アレルギー」と誤診断されて、
日本人の医者に出会うまでに2か月位全身に発疹が出来た。強制帰国も大学側から持ち掛けられていた。
日本でも今まで会えなかった友人や恋人に会えなくて孤独感を感じている人が沢山いる(zoom等が発達してオンラインで出会う機会が多かったが。)
テクノロジーの発達により、家からでも人と繋がれるようになった。これは素晴らしい人類の進歩だ。
孤独を孤立させてはならない。