【書籍紹介】替えがきかない人材になるための専門性の身につけ方
●専門性を身につけるためには、こうした自己革新を念頭に置きながら、過去よりも未来に目を向ける理由がある理由として、現代のビジネスでは「すでに答えが存在する問題」に取り組むのではなく、「まだ答えがない問題」に取り組むことが求められているという点が上げられます。
前出の山口周さんは「ニュータイプの時代:新時代を生き抜く34の思考・行動様式」(2019)のなかで、20世紀後半は「正解を出せる能力」が労働市場で高く評価されて高水準の報酬を得ることにつながっていましたが、現代社会においては「正解のコモディティ化」が起こっており、与えられた問題を解くことは人工知能の得意領域でもあるため、今後は正解を出す能力の価値が認められなくなっていくと予見しています。
つまり、ビジネスの価値を創出するポイントが「問題を解く」ことから「問題を発見する」「問題を提起する」ことにシフトするということです。
また、ビジネスの環境変化がこれまで以上に速くなっていくことによって、過去に蓄積された経験の価値がどんどん低減していく「経験の無価値化」が起こると指摘します。
経験豊富といった要件が無条件に評価されることはなくなり、<過去に蓄積した経験に依存しつづけようとする人は早急に人財価値を減損させる一方で、新しい環境から柔軟に学び続ける人が価値を生む出す>ことになるのです。
とりわけ日本企業においては、経験豊富ということが水戸黄門の印籠のように使われており、過去の成功体験から抜け出せなくなるケースが頻出しています。
(P88~89 引用)
この引用部分から学べたのは次の2点です。
1点目は、「正解を求めて学ぶ」では差別化ができないこと、そして差別化を生み出すには「問い」を鍛えること。
問題を発見し、問いを鍛えることですね。
2点目は、経験だけに頼るのはガラパゴスになる危険性があるということ。
本で読んだり、学びを加えていく必要がありますね。
本で学ぶ場合は、最初は受け売りに感じるかもしれませんが、問いに当てはめたり、既存の知識とミックスすることで必然とオリジナルになるわけです。
知的老化現象に陥らないよう注意したいものです。
●適切な発言をするためには「何か発言をしてやろう」と最初から意識的に心がけることが必要で、「何か意見はありますか?」ではなく「どんな意見つくりましたか?」と問うべきだとしています。
かくして、<言っていることはなにかわかりにくいが、それは自分の考えと違っているからではないか、なるほどとは思えてもどこか同意できない点はないか>を考え、不同意の意見をもつ同士が互いに争点を突き止めて、論点を明らかにしていくことが重要であり、<新しい現象や事実の報告、新しい解釈や説明の理論、既知の事実や理論同士の新しい関係、そのような知的産物自体の考察>には<これまで人類によって知られていた全てのことに対する、いかにささやかであろうとも不同意をふくむ>と結論づけているのです。
(P231~232 引用)
「何か意見はありますか」はハードルを高くしてしまっている危険性がある。
特に過去にせっかく意見を出したにも関わらず、「視野が狭い」「実現性を鑑みたのか」といった受け答えをする人もいます。
それに対して「どんな意見をつくりましたか」は意見を述べることが前提となっているので答えやすいですね。
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