とこしえの備忘録

漢字とバイオインフォマティクスと数学の人。備忘録としていろいろ書きます

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  • 数検1級対策

    数検1級の対策用です。難易度は5段階表記にしています。

  • 分子遺伝学

    参考 『カラー図解 アメリカ版 大学生物学に教科書 第2巻 分子遺伝学』 『ストライヤー基礎生化学』東京化学同人 『エッセンシャル遺伝学-ゲノム科学 原著第7版』東京化学同人

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    • 数検1級 ★1 固有値

      問題次の$${4}$$次正則行列$${A}$$の固有値を全て求めなさい。 $${A=\begin{pmatrix}-4&0&0&3\\3&-1&0&-3\\0&0&-1&0\\-6&0&0&5\end{pmatrix}}$$ 解答 基本問題。定義通りに計算を進める。 $${E}$$を単位行列とする。 $$ \begin{split} |λE-A|&=\begin{vmatrix}λ+4&0&0&-3\\-3&λ+1&0&3\\0&0&λ+1&0\\6&0&0&λ-5\

      • 数検1級 ★2 三角関数の微積

        問題次の問いに答えなさい。ただし、$${arcsinx}$$は$${-\dfrac{π}{2}}$$以上$${\dfrac{π}{2}}$$の値を取るものとする。 $${(1)}$$次の不定積分を求めなさい。 $$ \int arcsin2x\,dx $$ $${(2)}$$ $${xy}$$平面のグラフ$${y=arcsin2x \Bigl(-\dfrac{1}{2}\leqq x\leqq\dfrac{1}{2}\Bigl)}$$と$${x}$$軸、および$${2}

        • 数検1級 ★1 期待値と分散

          問題$${\fbox{2},\fbox{3},\fbox{5}}$$のカードがそれぞれ$${3}$$枚、$${2}$$枚、$${1}$$枚ある。この$${6}$$枚を袋に入れ、中を見ないで$${2}$$枚のカードを取り出し、その$${2}$$枚のカードに書かている数字の積を$${X}$$とする。このとき、次の問いに答えよ。 $${(1)}$$ $${X}$$の平均値$${E(X)}$$を求めよ。 $${(2)}$$ $${X}$$の分散$${V(X)}$$を求めよ。 解答 

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          数検1級 ★1 1次変換

          問題$${xyz}$$空間の$${1}$$次変換$${f:\begin{pmatrix}x\\y\\z\end{pmatrix}\mapsto\begin{pmatrix}2&1&0\\-1&3&1\\1&-2&2\end{pmatrix}\begin{pmatrix}x\\y\\z\end{pmatrix}}$$によって直線$${x+2=\dfrac{3-y}{2}=2z-1}$$はどのような図形の移るか。その図形の方程式を求めよ。 解答 計算過程自体はそこまで難しくない

          数検1級 ★1 1次変換

          2-7 性染色体の遺伝と伴性形質

           性染色体にある遺伝子はメンデルの法則に従わないことがある。これは雌性の$${XX}$$型と雄性の$${XY}$$型の非対称性から生まれる。この記事ではその非対称性が生み出す事例について学ぶ。 半接合性が引き起こす現象 もしも$${X}$$染色体上に重要な形質を決定する因子があった場合、雌雄でどのような差が見られるのだろうか。ある遺伝子が$${X}$$染色体上にある場合、女性はそのバックアップが2コピー存在するが男性は1コピーしか存在しない。このようにある遺伝子が染色体の1

          2-7 性染色体の遺伝と伴性形質

          漢検勉強の進捗

          完全にメモ用です。 逞筆 音読み 2200/4200 訓読み 590/1399 当て字 1450/2184 一字訓 850/939 対類語 800/1053 故事諺 1150/2390 国字  125/125 倉庫模試 訓読み書き取り 4まで 模試 9まで その他 みかす模試 1,13 大辞林一級大見出し語 401~450 一級大見出し語 540/1345 漢字でGOLv4 400/1380

          2-6 性染色体と連鎖

           メンデルの研究において、相反交雑(雌雄を入れ替えた交雑検定)ではいつも同じ結果であった。つまり、優性対立遺伝子が母由来なのか、父由来なのかは全く重要でなかったのである。しかし、場合によっては染色体がどちらの親由来かが影響を及ぼすことがある。ここではそういった遺伝形式を学んでいく。 染色体による性の決定 トウモロコシなどの植物の成体はその中に雌雄両性の生殖構造を持っている。このとき、その生殖組織は遺伝的に同一である。このような植物を雌雄同株という。その逆が雌雄異株であり、そ

          2-6 性染色体と連鎖

          2-5 遺伝子と染色体の関係

           遺伝子が染色体の特定部位に存在することが分かると、メンデルの法則を分子レベルで説明することが可能になった。同時に、メンデル第二法則である独立の法則に反する事例も原理が解明された。この機序について、この記事では学んでいくことにする。 同じ染色体上の遺伝子は物理的につながっている 1933年にノーベル医学生理学賞を受賞したトーマス・ハント・モーガンはキイロショウジョウバエを用いた交配研究を行った。この研究で行われた交配の結果は、メンデルの独立の法則によって予測される結果と一致

          2-5 遺伝子と染色体の関係

          2-4 遺伝子の相互作用

           ここまで見てきたのは対立遺伝子同士を比較することによる表現型の違いとその法則である。しかしながら、実際はいくつかの遺伝子が相互作用することによって表現型は決定される。さらに、物理的環境も表現型の決定に寄与する場合もある。  この記事ではそういった相互作用を学んでいく。 エピスタシス ある遺伝子による表現型が、別の遺伝子の影響を受ける時、「エピスタシス(遺伝子間相互作用)が生じる」という。ラブラドール・レトリーバーの毛色を例にその現象を見ていくことにする。毛色に関する対立遺

          2-4 遺伝子の相互作用

          2-3 対立遺伝子座の相互作用

           前回の記事では対立遺伝子に注目して遺伝の法則を見てきた。しかしながら、多くの遺伝子はこのような単純な優性と劣性の関係を示さない。対立遺伝子は突然変異を起こすことで新規の対立遺伝子を生じることもあり、さらに1つの対立遺伝子は多様な表現型を有している場合もある。  この記事では、複雑な遺伝子の相互作用についてみていく。 突然変異による新しい対立遺伝子 そもそも対立遺伝子はどのように生じているのか。その原因は突然変異と呼ばれ、これは遺伝物質内に生じる"安定した"変化である。その

          2-3 対立遺伝子座の相互作用

          数検1級 ★1 和積の公式

          問題$${sin20°\cdot sin40°\cdot sin60°\cdot sin80°}$$の値を求めなさい。 解答和積公式を使った結果どの角度が残るかを意識。また、180°-αや90°-αを用いて残った非有名角を処理することも頭にいれる。 和積公式より $$ \begin{split} sin20°\cdot sin40°&=\dfrac{1}{2}\Bigl(cos(20°-40°)-cos(20°+40°)\Bigl)\\ &=\dfrac{1}{2}\B

          数検1級 ★1 和積の公式

          2-2 メンデル遺伝学②

           この記事では前回に引き続きメンデルの残した業績を通して遺伝学の基礎をまとめていく。特にメンデルの法則と呼ばれるものについて詳しくみていくことにする。 メンデルの第一法則(分離の法則) 生物が配偶子を産生するとき、対になっている遺伝子が分離し、配偶子がそのうち片方だけを受け取るというのが分離の法則である。これによってメンデルの実験の$${F_1}$$世代と$${F_2}$$世代の対立遺伝子の組合せが説明できる。 バネットの方形  交配による遺伝子型の組み合わせはバネット

          2-2 メンデル遺伝学②

          2-1 メンデル遺伝学①

           この記事では遺伝学の基礎になるメンデルの実験とその解釈についてまとめていく。 初期の遺伝研究と仮説 遺伝に関する現代的な実験が行われずとも、その研究の歴史はかなり長い。5000年前にはナツメヤシや馬の雑種作成を行っていた記録がのこっており、また19世紀にはチューリップなどの装飾用商業植物の育種が盛んにおこなわれた。こういった背景から遺伝に関する仮説が2つ提唱された。 仮説1-各親は等しく子に寄与する(正しい仮説) 相反交雑によってこの仮説が正しいことが示唆された。これ

          2-1 メンデル遺伝学①

          1-6 細胞死について

           細胞分裂の目的の一つに、死んだ細胞を補充することが挙げられる。ここでは細胞がどのように死んでいくかについてまとめていく。 細胞死の種類と目的 細胞が死ぬ方法は2つある。ひとつはネクローシスであり、毒素による損傷や栄養素の不足によるものである。所謂"炎症"を伴う形で膨らんで破裂し、内容物を放出することで完了する。  もうひとつはアポトーシスである。これは損傷などとは異なり、遺伝的にプログラムされた、つまり予定されている細胞死である。以下に2つの細胞死の違いをまとめる。 $

          1-6 細胞死について

          1-5 減数分裂

           有性生殖に備えて染色体の数を半分に減らす過程が減数分裂である。大きな特徴は 2回の核分裂が行われ最終的に4つの細胞になる しかしDNAの複製は1回しか行われない 有糸分裂とは違って減数分裂で生じた細胞は互いに異なり、親細胞とも異なっている  これらに加えて覚えておきたいのが 半数体の細胞は1組の完全な染色体セットを持つ 減数分裂の過程により子孫の遺伝的多様性が促進される 第一減数分裂第一減数分裂は以下の2つの特徴がある。第一に、相同染色体が全長に沿う形でそれぞ