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映画を2倍速で観ること 〜映画館・ビデオ・DVD・オンデマンド〜

by 吉田 柴犬

大竹まことゴールデンラジオのPodcastを聴いていて、考えさせられることがあった。

 この日のゲストはライターの稲田豊史さん。著書の「映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形 (光文社新書)」についてのお話だった。

 この本は違法なファスト映画だけでなく、今の若い人は、スマホで映画・ドラマを観るときも2倍速で観るのだという。この理由として、稲田さんは、Netflixなどのサブスクが登場し、映画1本あたりのコストが劇的に下がった、ことなどを挙げていた。

 最初に聴いた時、あり得ない、と思ったけど、考えてみれば、柴犬もyoutubeで体操をするときは○分〇〇秒まで飛ばしている。さらに、Amazon Primeのお気に入りドラマ、「孤独のグルメ」は食べるところだけを何回も見直している。2倍速とかにはしないけど、製作者側の意図なんて無視しているのは同じことかもしれないな、と思った。

 でも、もっと考えてみると、読書ははじめから、飛ばし読みをしたり、好きなところだけを読み返したりしている。これだって、著者の意図なんて、思いっきり無視している行動だろう。

 そもそも、本はもともとランダムアクセス、どこからでも読めるものだ。それに対して、映画、テレビなどは、昔はランダムアクセスができなかった。映画館での上映、テレビジョンの放送がそうだ。でも、テレビにとってのビデオ、映画にとってのDVD、そしてネット、スマホによって、映画・テレビすら、ランダムアクセスが可能なメディアになった。

 そうなると自分の思うようにつまみ食いされるのが当たり前になるのか、、、。制作者側がそれに影響されることはあるのかな。

 話は変わるけど、ライターの稲田さん曰く、「今の若いヒトは、映画やドラマでハラハラしたり、ドキドキしたりなんてしたくない。だから、ファスト映画みたいなのが流行る」という趣旨の発言をしていて、驚いた。映画やドラマ、そして小説って、ハラハラしたり、ドキドキしたりするプロセスを楽しむものだと思っていたから。(´・ω・`)

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