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フラッシュバックとの向き合い方

このnoteは、毒親育ちの明日に希望を届けるためのnoteです。




とても久しぶりの更新ですが、
今回はフラッシュバックについて取り上げたいと思います。



夏の間、同業者の友人と会う機会があり、
その友人とそれぞれの仕事の話になった時、
話が広がって、「毒親」が話題になりました。



もちろん、友人たちは何の悪気もないですし、
私もその場ではそれが自分のトラウマに触るとは思わず普通に話していたのですが、
その後10日くらい、毎晩過去にかかわる悪夢を見ることとなりました。



その時、フラッシュバックについて色々と考えたので、
今回はフラッシュバックをテーマにしたいと思います。




1 なかなかしつこいフラッシュバック



フラッシュバックとは、強いトラウマ体験をした場合に、
その時の嫌な記憶が後々になって、突然かつ非常に鮮明に思い出されたり、
夢に見たりする現象をいいます。



私は5~6年前までは、このフラッシュバックに非常に悩まされていましたが、カウンセリング等を通して時間をかけて自分と向き合った結果、
昼間の生活場面において、フラッシュバックが起こる頻度は格段に減り、
生活が脅かされるようなことはなくなりました。



しかし、頻度は減りはしたものの、今でもまれに昼間もフラッシュバックが起きますし、1週間~10日に一度は過去にかかわる悪夢を見て、うなされて目覚め、その後しばらく後味の悪い時間を過ごすということはあります。



セルフカウンセリングを初めて12年、臨床心理士や精神科の先生のカウンセリングを受け続けて6年以上にもなる上、幼少期の自分と対話したりと自分なりには色々努力をしてきたのに、このフラッシュバックというのは、なんてしつこいのだ、と常々感じています。



以前は、いったいいつまで自分はフラッシュバックに悩まされ続けるんだ、
と絶望したことも、正直あります。



2 フラッシュバックが起きた時は?



まず、もしフラッシュバックについて何等かの疾患の一つの症状として治療を受けている方は、その治療を担当してくれている心理士や医師の判断を仰ぐべきかと思います。本当にひどい時は、どこまで可能なのかは状況次第かと思いますが、その治療者にすぐに連絡を取れるような状況を作れるとよいと思います。



私も、フラッシュバックで身動きが取れなくなりそう・・・となった時は、
医師にすぐに連絡を入れて、カウンセリングの予約を早めたりして対応しています。



もっとも、治療者にすぐにコンタクトを取れない時や、コンタクトは取れても、予約はどうしても先になってしまうということもあると思います。



私はそういう時は、なるべく安全な場所にまず身を置くのがよいと思います。



なるべく安全な場所というのは、
注意力散漫になったりしていても事故等に巻き込まれないような物理的な安全な場所という意味もありますが、
それと同時に、意識するべきは、心理的に安全な場所に身を置くということだと考えています。



長いこと暴言や無視・脅迫等にさらされてきた人にとっては、
「心理的な安全」というのは、ピンとこないかもしれません。



フラッシュバックが起きた時に、自分を守るために身を置くべき「心理的に安全な場所」というのは、私は以下の条件を満たす場所ではないかと思います。


①フラッシュバックのトリガー(フラッシュバックを起こすきっかけになるような物事)から距離を置けること

②誰も、あなたに対して、暴言や無視・脅迫等をしてこないこと

③(できる限り)仕事の締め切りや日常のやるべき事等からいったん離れられること

④自分が安心できる物を身に着けたり、安心できる音楽を聴いたりできること


①~③の条件は、自分に対して心理的な危険となりかねないものを排除するために必要な条件、④は、危険を排除した上でそこに安心をプラスするために必要な条件です。


以下、掘り下げていきたいと思います。



3 フラッシュバックのトリガーから距離を置けること



フラッシュバックのトリガーから距離を置くということは、とても重要なのですが、意外に難しいです。


フラッシュバックが起き始めた頃は、自分にとって思わぬ出来事や物がフラッシュバックのトリガーになることもあります。私が先日友人との会話がきっかけでフラッシュバックを起こしたように、フラッシュバックと向き合うようになってある程度の年月を重ねてからでさえ、自分にとって思わぬ出来事がフラッシュバックのトリガーになることさえあります。


そのため、フラッシュバックが起きた後、少し落ち着いてからで構わないので、自分にとってフラッシュバックのトリガーになる物事が何かということを日頃から整理しておくとよいと思います。自分ひとりでその作業を行うことが難しい場合は、カウンセリングや治療を受けている治療者と一緒にするのもよいと思います。



私は、フラッシュバックのトリガーになる物事は常日頃からリスト化し、
なるべく避ける生活をしています。忍耐が足りない、わがまま、等と言われて育った私は、最初のころ、フラッシュバックのトリガーになる物事から距離を置く生活をすることに自信をもつことができませんでした。
嫌なことから逃げてばかりの自分、という否定的なとらえ方をしていました。



しかし、今ではそのようなこともなくなりました。
自分の人生ですので、自分が生きやすくなるよう工夫を施すことはまったく悪いことではありません。犬が苦手な人は犬を避けます。高所恐怖症の人は高所にはいきませんよね。それとまったく同じことだと思います。


フラッシュバックに悩まされている人は、なるべくそのトリガーになる物事を把握し、そこから距離を置くことを心掛けるのが良いと思います。むしろ、自分のことをよく知り、自分のことをいたわった生活をしているということで、自分に自信を持つべきだと思います。



4 誰も、あなたに対して、暴言や無視・脅迫等をしてこないこと 



心理的な安全を確保する上で、これは当たり前のことですが、長い間暴言や無視・脅迫をされることが当たり前の環境に身を置いていると、
それが当たり前になってしまい、自分の心理的な安全性が脅かされているということに気づくことができなかったりします。



特に、多いのは、自分は相手からそれを言われて傷ついたり、違和感を抱いたりしても、このくらいで傷つく自分が悪いのではないか、このくらいで逃げようとする自分が悪いのではないか、と自分の心や気持ちのありようを信じることができず、逆に自分を責めてしまう、という状況です。



暴言や無視・脅迫を加えてくる親は、たいてい、それを受けて泣いたり、悲しんだり、傷ついた子どもに対し、その気持ちを受け止めるどころか、
「それくらいで大げさな」「泣き虫」「打たれ弱い」等といった言葉をかけてきます。



冷静に考えれば、そのようなことを言う親の方がおかしいのですが、子どもは大好きな親がそのように言うのだから、自分は「大げさ」「泣き虫」「打たれ弱い」とそのままそのメッセージをセルフイメージとして取り込んでしまいます。


そのようなことが何十年も続いたからこそ起きているフラッシュバックです。
ですから、フラッシュバックに悩まされる人が、暴言や無視・脅迫から距離を置くことは、実は簡単なようで簡単なことではありません。


でも、あなたを守るために大切なことです。あなたが傷ついたのなら、悲しい思いをしたのなら、そのような気持ちにさせた対象から離れることは、間違ったことでも悪いことでもありません。絶対に離れることをお勧めします。




5 仕事の締め切りや日常のやるべき事等からいったん離れられること



これはできる限りではありますが、やはり仕事の締め切りや日常のやるべき事等がたくさんある状況では、心を休めることはできません。心を休めることができなければ、せっかく危険から離れたとしても、回復することは容易ではありませんので、状況が許す限り、仕事や日常のタスクを調整して、負担を減らした方がよいと思います。



フラッシュバックは、心の休息が必要なサインの一つでもあると思います。
特に毒親育ちは、他者にヘルプを求めることが苦手な人も多いと思いますが、他者に相談をしないままに漫然と締め切りが過ぎてしまったり、日常のタスクができなくなるよりは、事前に相談をして、助けを求めた方が、周りにとってもよい結果になることも多いです。


自分が無理と思う時は、勇気をもって他者にヘルプを求め、心を休めることに集中した方がよいと思います。



6 自分が安心できる物を身に着けたり、安心できる音楽を聴いたりできること


これは、フラッシュバックが起きた後、危険を排除した上でそこに安心をプラスするために必要な条件です。


危険を排除するだけでなく、そこに自分なりの安心をプラスすることで、回復につながるパワーを充電することができます。


表題では身に着けたり、音楽を聴くことをあげましたが、自分にとって安全基地の役割を果たしてくれるものであれば、なんでもよいかと思います。


例えば、
・それを抱っこすると安心できるぬいぐるみ
・それを触ると安心できる毛布やタオル
・それを聴くと安心できる音楽
・それを嗅ぐと安心できる香
・それを食べると安心できる食べ物や飲むと安心できる飲み物
・それを観ると安心できる映画やアニメ
・その人と会うと安心できる人

等があげられると思います。


そうはいっても、フラッシュバックが起きて直後の元気がない時に考えても、いきなり思い浮かべるのは難しいかもしれません。元気な時から、フラッシュバックが起きた時用に、自分が安心できるものリストを作っておくとよいかと思います。




以上、フラッシュバックとの向き合い方 でした。



元々不定期更新なのですが、とても久しぶりの更新になってしまい、
フォローしてくださっている方には、申し訳なく思います。



いつの間にかフォロワーさんも100名を超えました。
お読みくださっている皆さま、誠にありがとうございます。
とてもうれしい反面、
私の内面を取り上げているため、気恥ずかしい気持ちもあります。



でも、やはり同じように毒親に悩む方たちの力になりたいという思いがありますので、今後も少しずつ書き続けたいと思います。


久しぶりの記事をお読みいただき、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。









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