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ダイナミックプライシングと行動経済

需要と供給の関係で決まる値段

「ダイナミックプライシング」
この言葉をご存知でしょうか?
同じモノや、
同じサービスであっても、
その状況に応じて価格が変動する、
と言う考え方です。
ANA+ダイナミックプライシングと検索すれば、
全日空サイトにパッケージが出て来ます。
さて…
事業は収益性を最大化させるのは至上命題です。
その中で売上を上げる事と、
経費を削減する事は、
いつの時代も改善改革は求められています。
需要と供給の関係性で値段が変わると言うのは、
販売管理者側からすれば、
とてもありがたい事なのです。

プライシングの本質

モノやサービスの価格を決めるのが
「プライシング」です。
今まではモノやサービスが時間に応じて
「値段が上下する」
と言うのは考えられませんでした。
しかし…
デジタル化やデジタル管理が普及したことで、
ビッグデータが集まり、
人気度が可視化出来る事で、
そのタイミングの「価値」が、
見える化したのです。
同じモノや同じサービスであっても、
今!ベスト!なタイミングの、
適正価格が顧客へ投げられるのです。

変動的プライシングは数多く存在していた

価格設定は、
需要と供給の関係性で成り立っています。
実は今まで…
ずっと生活の中で変動的なプライシングは、
数多く存在していたのです。
例えば…
スーパーマーケットの総菜です。
午前中に製造した惣菜を、
夕方のある時間になったら安くする。
閉店間際になれば、
生鮮食品の値段を思いっきり下げて売り切る。
皆さんも買いに言った覚えが無いでしょうか?
居酒屋のハッピーアワーもそうですね。
夕方の早い時間はビールやチューハイ等、
通常の半額程度で提供する店も数多く、
一時間でも一分でもお店に来てもらって、
売上を上げたいと思うのは常套手段です。

ダイナミックプライシングとは

変動的なプライシングを例に出しましたが、
スーパーの総菜割引や、
居酒屋のハッピーアワー等、
他に様々な変動的プライシングがありますが、
その中でも特に!
日々や時間毎の需要と供給の動き、
動的(ダイナミック)に対応し、
価格設定を柔軟に変動させていくものを、
「ダイナミックプライシング(動的価格設定、変動料金制)」
と呼びます。
高頻度で商品価格を変更させる仕組み、
の事を言いますが、
主に需給の変動に合わせて、
価格変更を行う形で活用されています。
特に大きいのが「企業の収益最大化」であり、
「サービス提供時の混雑緩和」等、
多くの価値を発揮しているのです。
代表的な航空券やホテルの宿泊価格以外でも、
実例がありますのでご紹介して行きましょう。

実例1(レンタカー)

レンタカー業界は最近、
ダイナミックプライシングを利用する業者が増加していますし、
ダイナミックプライシングを搭載した、
レンタカーの管理プラットフォームが、
国内外で誕生していると聞いています。
海外では、
レンタカーのダイナミックプライシングを監視して、
割引となったタイミングで、
消費者に知らせるウェブサイトが存在しているそうです。
新型コロナウイルスの影響で、
観光産業は大打撃ではありますが…
プッシュ通知が出来るのであれば、
顧客データを活用して、
レンタカーにまつわる需要を展開すれば、
新しい一手は可能です。
アイデアは沢山ありますので。

実例2(スキー場)

こちらは海外がメインにはなりますが、
ヨーロッパのスキー場は続々と、
ダイナミックプライシングを取り入れています。
理由は3つあると言われていますが、
一つ目は収益の最大化です。
需要集中期間には値上げで利益を増加、
需要減少時期や時間帯は値下げして顧客を増加、
実に効率的です!
二つ目は早期予約者の確保です。
早期予約のタイミングを取り入れる事で、
価格を低くする手法を取ることが出来ますし、
目標達成にも近づけやすくなります。
三つ目が長期利用顧客の増加です。
突発的な予約よりも、
早期予約者の方が、
長期利用の可能性が高いそうです。
ダイナミックプライシングを取り入れる価値は、
十分あると言えますね!

ダイナミックプライシングと行動経済

人間心理を上手く突くことも出来る、
ダイナミックプライシング。
人間は同じ商品や同じサービスを受けるのであれば、
少しでも安くしたい!
と言うのは事実です。
「早く買わないと損する」
と言う感覚を覚えますので、
損失回避性バイアスや
プロスペクト理論を学んでおけば、
ダイナミックプライシングを展開するのは、
自社の商品やサービスに当てはまるのであれば、
早い方が得策でしょうね。
様々な角度から展開出来る行動経済学。
まだまだ深めて行きたいと思います。

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