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学習塾と行動経済

教育の収益率とは

経済学では、
1年間追加で教育を受けたことによって、
その子どもの将来の収入がどれぐらい高くなるか?

を数字で表す「教育の収益率」
と言う概念があります。
教育投資への収益率は、
株などの金融資産への投資と比べても高いことが、
多くの研究で明らかになっていると聞きます。
これは何を意味するのか?
実は勉強をしっかりしておけば、
「将来の収入が高くなる」
ことを、
数字で示されている訳です。

双曲割引

行動経済学の中には、
「遠い将来なら待てるが、
近い将来ならば待てない」
と言う、
今までの経済学理論では説明できない、
非合理的行動を説明する概念として、
「双曲割引」と言う言葉が存在します。
どういう事かと言うと…
①1年後に1万円を貰える
②1年と1日後に1万1,000円を貰える

これであれば…
ほぼ100%の人が②と答えるでしょう。
ではコチラだとどうでしょう?
③今すぐ、1万円を貰える
④明日、1万1,000円を貰える

これであれば③を選ぶ人が増えるのです。
①と③の1万円と、
②ト④1万1,000円は
同じ価値なんですけどね…
実は人と言うのは、
「遠い将来の1日は短い時間」と感じられるけど、
「今から明日まで待て」と言われた場合の「1日」については、
とても長い時間の様に感じてしまう性質を持っています。

人間の心の状態

人間の心は、
「今すぐできること」
の価値を非常に過大評価する傾向
があります。
だから「ちょっと待つ」ことで、
より大きな利益を得る行動が、
とても苦手となっているのです。
例えば…
「仕事中にしてしまうネットサーフィン」
これも双曲割引の一種
です。
こんな経験はありませんか?
「たった15分集中すれば、あとはうまくいく」
と分かっていても…
仕事をなかなか始めず、
ネットサーフィンをして、
そんなに面白いわけでもない動画を見てしまうこと。
これ私も良くあるのです。

分かっていても…

冒頭に教育の収益率で説明しましたが、
勉強をしっかりしておけば、
「将来の収入が高くなる」ことを、
数字で示されていると書きました。
これは…
「将来のことを考えればちゃんと勉強した方が良い」
と言う事が分かっているのに…
「つい勉強せずに楽をする」と言う、
近い将来の満足を大切にし、
その結果「勉強するのは明日からでいい」
と先送りしてしまう事が多々あります。
これは禁煙やダイエットも全く同じことですね。
「目の前にご褒美をぶら下げられると、
今勉強することの利益や満足が高まり、
それを優先する」
と言う事です。
子どもにとって、
「すぐに得られるご褒美」で釣るという作戦は、
勉強することを先送りさせないためには有効なのです。

ご褒美について

「テストで良い点を取ればご褒美!」もしくは
「本1冊読んだらご褒美!」
どちらが効果的
だと思いますか?
ハーバード大学のフライヤー教授が仕掛けた実証実験で、
大きく分けると2種類あります。
1種類目は、
「学力テストや通知表の成績などを良くする事にご褒美を与える」
これはアウトプット(結果)方式です。
「テストでよい点を取ればご褒美!」
はコチラです。
2種類目は、
「本を読むや宿題を終えるや学校にちゃんと出席する」
これはインプット(行動)方式です。
「本を1冊読んだらご褒美!」
はコチラですね。

学習塾と行動経済まとめ

インプットよりも、
アウトプットでテストで良い点を取れば!
だと明確な目標が見えていると思うので、
直感的にアウトプット側に行くかと思っていました。
しかし…結果は全くの逆!
学力テストの結果が格段と良くなったのは、
インプットにご褒美を与えられた子どもたちでした。
さて…
それは何故でしょう?
実は「インプット」にご褒美が与えられた場合、
子どもたちにとって、
何をすべきかは明確
です。
「本を読む」ことですので。
逆に「アウトプット」にご褒美を与えられた場合、
何をするべきかの具体的方法は示されていないのです。
ご褒美は欲しいやる気もある!
しかし…
どうすれば学力を上げられるのか分からないのです。
時代は変わりつつあります。
その中で…
「勉強のしかたを変える」や、
「授業をしっかり聞く」等のように、
本質的な学力の改善に結びつく方法にまでは、
考えが及んでいなかったのが分かります
ね…
吉田式アンケートメソッドは様々な学習塾始め、
大学や高校とのメディア連携も考えています。
アンケートも記載して行きますので、
お愉しみに!

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