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物語と行動経済学①

ストーリーバイアス

人は情報に「物語」を求めています。
その理由は「記憶に残りやすい」からです。
これからの時代は更に超情報化社会だからこそ、
「物語」が重要であり、
伝達手段として効果的であるのです。
しかし嘘はいけません!
「事実」と言う「結果」です。
ただし「結果」が全てではなく、
「事実と言う結果」に至るまでには、
それまでの「原因」と言う「過程」があるのです。
必ず「原因があるから結果」がある。
これが「因果関係」なのです。

因果関係

上記に書いている通り…
原因があるから結果があるのですが、
その関係が因果関係です。
因果関係は「主に3つの要素がある」と、
とある大学院が言われています。
一つ目が「にわとりとたまごと言われる因果関係」で、
原因から発生した結果が、
もとの原因を引き起こす原因にもなっている場合。
どちらが原因か結果かが見分けられないパターンです。
二つ目が「ただ単純な因果関係」です。
これが原因、
だからこれが結果だね、
と言うパターンですね。
往々にしてこのパターンが多いです。
そして三つ目が「様々な要素が絡まっている因果関係」です。
こちらは…
色んな原因の糸が絡み合っているので、
かなり複雑な状況だと言われています。

最後の藁

因果関係を深く探ると…
ある〝錯覚〟に陥る場合があります。
「最後の藁( last straw)」と言う、
英語のことわざをご存知でしょうか?
こう説明されています。
「藁はしばしば小さなもの、
軽いもの、
つまらぬものの意味に用いられますが、
らくだの背中に藁を積めるだけ積んでいった場合、
遂には一本の藁でも追加すれば、
らくだの背骨が折れてしまうことがある」
と言う意味だそうです。
有名な話なので、
知っている方も多いかもしれませんね。

錯覚に注意

物事には限界や限度があり…
一つ一つの些細なものでも、
度を越せば破滅を引き起こすと言う事です。
実は…
この最後の藁が原因となる要素が複数あると、
たまたま最後に起こった事柄や、
目立った事実を、
「最重要な要素」と錯覚してしまうのです。
これがバイアスともなり得るのです。
因果の取り違えとなり、
原因と結果を間違えてしまうと…
後々取り返しがつかない事態となりかねません。
本人は勘違いしているので…
気付いないまま進んでいくケースが多いのです。

人間は因果関係を強く求める

人は「現状維持バイアス」の塊です。
大きく変わりたくないから…
事実に安心したいのです。
事実と言う結果に物語が必要なのは、
物語にすることで「安心できるから」なのです。
物語は事実のエビデンス的要素を持っています。
「情状酌量」と言う言葉がありますね?
犯罪を起こした犯人が裁判所で裁かれる際、
裁判官などが諸事情を考慮して、
刑罰を軽くすることを情状酌量と言います。
これは事実だけを見ずに、
原因となる過程を聞きます。
すなわち物語の流れです。
「なぜあなたは罪を犯したのですか?」
と言う内容です。

物語と行動経済学

イギリスのE. M. フォースターという小説家は、
「どう言った文章が人々に受け入れられやすいか」
という実験をしています。
人々に次の2文を見せ、
どちらの方が理解しやすいと思うか?
を尋ねたそうです。
(A)国王が逝去し、そして、王妃が逝去した。
(B)国王が逝去し、そして悲嘆のため、王妃が逝去した。

誰に聞いてもほとんど同じですが、
(B)の方が受け入れやすい!
と言う結果になりました。
(A)の文章は国王と王妃の死を列挙したに過ぎません。
人間は感情で行動します。
(B)は国王と王妃の死の間に、
「悲嘆のため」という因果関係をつけました。
この因果関係で国王と王妃の死を繋げたのです。
これが物語性でありストーリー化なのです。

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しかしどれだけ相手によって良いモノでも、
人間はモノを売られると嫌がります。
いかに行動経済と言う素晴らしいツールを活用して、
相手にとって良いモノを必要性がある形で、
伝えることが出来るか?
これが重要なスキルなのです。
物語と行動経済記事も、
引き続きお伝えして行きたいと思います。

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