吉田敏明

東京学芸大学大学院教育学修士。公認心理師。福祉、医療、教育等の分野で心理臨床に携わって…

吉田敏明

東京学芸大学大学院教育学修士。公認心理師。福祉、医療、教育等の分野で心理臨床に携わってきました。現在は明蓬館高等学校(東日本ブロック長)、有限会社トータス(代表取締役)等。 その他、自閉症スペクトラム支援士・おもちゃコンサルタント・DPAドローン操縦士回転翼3級インストラクター等

最近の記事

心理検査について

心理検査と言ってもさまざまな検査が日本国内にもあります。 いわゆるテレビで取り上げられるような日常生活の中でヒントや気づきを与えてくれるかもしれないが科学的な根拠はないテストも心理検査(テスト)もあれば、心理学者が理論的、科学的な根拠に基づき作成された心理検査もあります。 ここでは後者について少しお話をしたいと思います。 いわゆる理論的、科学的な根拠に基づき作成された心理検査中でも日本で一番知名度が高いのはWISC(ウィスク:児童版ウェクスラー式知能検査)かと思います。

    • 「個別の指導計画」について

      「個別の教育支援計画」について聞かれることが多いのですが、「個別の指導計画」について少し話をしてみたいと思います。 学校の中で「個別の指導計画」というと、児童生徒が持つ一人ひとり異なった教育的ニーズに応じて指導を行うための計画表のことを指します。個別の指導計画は高等学校の学習指導要領の総則でも必要に応じて作成することについて言及されています。特に高校段階における個別の指導計画は大学受験の時などに合理的な配慮を申請する際に参考資料となることも十分に考えられるものとなります。

      • ウェルビーイングについて考えること

        ウェルビーイング(well-being)は、心身ともに良好な状態にあることを意味する概念として使われており、幸福等の日本語で訳されることが多い言葉です。また、1946年の世界保健機構(WHO)設立時に考案された憲章の前文では心身に加えて社会的にも満たされた状態(well-being)を健康と定義しています。 心理学の分野では、QOL(生活の質)の良さを自分自身が認識することでウェルビーイングに到達されるという主観的判断や心理的側面を重視した主観的幸福感(subjective

        • ゲーム障害を考える

          2019年に世界保健機構(WHO)がゲーム障害をICD-11※(国際疾患分類)の依存症分野に追加することを決定しました。 ※ICD-11は2022年1月1日にICD-10から改訂されます。 ここ数年で急激にスマホ、ゲームなどの使いすぎによる健康への影響が注目されるようになってきました。生活リズムの乱れ、学校や職場を含む人間関係の問題、気分の問題など、その影響は多岐に及びます。 一方で、ゲームは時代の発展と共に発展してきた一つのテクノロジーでもあります。思い返せばテトリス等

        心理検査について

          発達障害とは

          発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達の偏りによる障害の総称※です。 発達障害のある生徒の得意・不得意の凸凹を「特性」と呼ぶことがありますが、「特性」に合った「環境」の中で生活をしている発達障害のある生徒たちはその能力を十分に発揮し、多くのアセット(強み)を持つようになります。 芸能人やITなどの業界で著名になっている方の中には時に発達障害をカミングアウトされる方もいますが、そのほとんどの方が過去の苦しい体験を語る一方でアセットを持つきっかけとなった人を含むさまざまな環境

          発達障害とは