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不安障害闘病記 1「幸せな気持ちにする薬」

倒れた日

2021年2月某日、キーボードが打てなくなった。マウスを動かす事さえおっくうで、計画書のExcelファイルを開くまでに何時間もかかった。

キーボードにずっと手をのせたまま、罫線だけが引かれたExcelを前に、ただ戸惑うばかりだった。諦めて投げやりになったりする精神状態とは、また違う、絶望を感じるような感覚だった。

コロナ過で、仕事場所はオフィスから自宅に切り替わっていた。元々、倉庫のように使っていた部屋にテレワーク用の即席の書斎を作った。引っ越しだんダンボールの上に、ベビーカーが積み上げられているような乱雑な部屋だった。

役職はプロジェクトリーダーだった。一日の仕事のほとんどはスケジュールの管理と部下への指示、チェック、会議の開催だった。だが、実態は結局、他人の尻ぬぐいばかりしていた。それも膨大な作業量だった。エンジニアとして13年勤めてきて、ここまでひどい状況は初めてだった。

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