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若い時の苦労は高く買ってもらえ
そんなこんなで奴隷からスタートしたマスゴミ人生。私にとって、それほど辛いものではありませんでした。食べられない。寝られない。休めない。と言う三重苦はありましたが。
マスコミは完全なるブラック企業です。
90年代は殴る蹴るは当たり前。言葉の暴力、セクハラなんて日常茶飯事。女の子のADが体を触られる、胸を揉まれるのは冗談で済まされる。毎日のように目にする光景でした。マスコミのADとはそんな職業でした。
男性ADは掃いて捨てるほどいるので「早くやめねぇかなぁ?」「代わりに可愛い子が入ってこねぇかなぁ?」なんて思われていました。当然、当たりもキツく、物理的暴力と言葉による精神的暴力にいかに耐えるかが大事でした。
こんな職場環境なのに、なぜ、皆、辞めなかったのでしょうか?
ここについては、人それぞれに答えはあるでしょうが「誰もができる仕事ではない」ということが全てだったのではないかと考えます。
実は、マスコミ業界は、放送局の社員は一流大学卒でなければなれませんが、制作会社などのスタッフは中卒〜大卒まで、様々な人がいて、その全てがほとんど「コネクション」です。先輩の紹介、友人の紹介、友人の友人の紹介、友人の友人の友人の・・・もういいですね。私も友人の紹介で入りました。
先輩や友人は自分が辞めるために生贄を捧げているのです。
「辞めるんなら誰か紹介してから辞めてね」
最初は皆、芸能界に憧れたり、メディアの仕事に憧れたり、人柱として私は友人の人生を守ったのです。そして、メディアはメディアで「有名人に会えるかもよ」という言葉を餌に若者を寄せていたのです。其実、ブラック職場ならではの、良いことだけ見せて、悪い部分は見せないことで、良い働き口だと思わせ、めちゃくちゃ安い賃金でこき使ってきたのです。休んだら負け。休憩したら負け。寝たら負け。何の勝負だったんでしょうか? 今なら完全にアウトです。そりゃ、若い人材が育つ訳がありません。そう思えば、30年続けられた私は運が良かったのか、人に恵まれたのか。何せ、掃いて捨てるほどアシスタントはいましたから、文字通り、掃いて捨てていたのです。
そんな今、業界では深刻な人不足に悩まされています。ADのような仕事をする人がいないのです。働き方改革によって、ブラック認定されてもおかしくない職場なので、若い世代の子が全く入ってこなくなったのです。今の子たちはテレビもラジオも見聞きしませんから。貴重な若い時間を無駄に過ごさないためにも、若い世代の方にはマスコミに関係ない仕事を目指してもらいたいです。やるならインターネットメディアで。
若い世代が入ってこない世界に未来はあるのでしょうか?
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