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時は得難くして失い易し

何もしなくても、お金も人も集まってきた90年代のメディア。営業は代理店に御用聞に行くだけで営業らしいことはしなくて良い。飲みに行ったり、キャバクラに行ったり、そういう付き合いだけしていれば良い。現場の制作は代理店と営業の言うことだけ聞いていれば良い。この状態でどうやって一流のメディアマンが生まれてくるのでしょうか。

合言葉は「現状維持」。何もしなくても、給料とボーナスが保証され、毎週、飲み会があって、イケメン男子やカワイイ女子とイチャイチャできる。この状態がずっと続くのだ・・・と、皆、思っていたのです。

「IT革命」は、まさに「革命」でした。

Windows98の登場は、オフィスだけでなく、自宅にもネットワーク通信を広げ、「常時インターネットに繋がる環境」が実現していくことになります。音楽業界においての革新的出来事は「iTunes」の登場でした。ミュージシャンとはCMやイベント等で共に仕事する機会がたくさんありました。iTunesはCMの仕事を奪っていきました。そして、世の中はCDが売れない時代へと突入していくことになります。

私は、元々、デジタル分野が好きだったので知識も豊富にありました。周りの誰よりも早く、ホームページを作成できるようになり、周りの誰よりも早く、パソコンで編集できる環境を整えました。デジタル編集の環境を整えたのは2000年頃の話だと思います。

業界内でも「ホームページを作ろう」という波がやってきました。私は知り合いのデザイナーにキャラクターを作ってもらったり、少々、先走り過ぎて、当時のネット環境ではダウンロードに時間を要し、ホームページを開くのに時間がかかってしまったことは反省しています。

ただ、私は先進的なことが好きでしたから、IT革命にはワクワクしかなかったのです。この時点で、色々、やっておくべきでした。パソコンが使え、プログラミングも独学で覚え、2000年時点で他を大きくリードしていたのに、うまく使うことができませんでした。無能が無能たる所以だと思います。無能は自分が良い状態なのだと知ることができません。「今チャンスだよ」というアラームが聞こえていません。

無能は、まず「やらないこと」を選択するのです。継続できないのです。
自分が「楽しい」と思うことには貪欲です。
それが、一旦、仕事になると、途端に面倒臭くなるのです。

無能人間こそ「自分は無能なのだ」と認め、
「楽しいことを仕事にする」に全振りすべきです。




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