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テーピング革命 Dynamic Tape 実践編2:足関節(内反)捻挫の予防テーピング

 さて、Dynamic Tape実践編第2段は足関節捻挫のサポートを取り上げたいと思います。これまでのアスレティックテープは、可動域を制限することで各組織にストレスがかからないようにしたもので、3.8㎝のアスレティックテープ1本の半分以上を消費する(1本のテープで両方の足首を固定することはほぼ不可能)うえに、貼付後1時間でその固定力は90%消失する(Myburg 1984/ Manfroy 1997)、というものでした。

K H Myburgh, C L Vaughan, S K Isaacs (1984): The effects of ankle guards and taping on joint motion before, during, and after a squash match, Am J Sports Med Nov-Dec 1984;12(6):441-6.

P P Manfroy, J A Ashton-Miller, E M Wojtys (1997): The effect of exercise, prewrap, and athletic tape on the maximal active and passive ankle resistance of ankle inversion, Am J Sports Med. Mar-Apr 1997;25(2):156-63.

ちなみに、そのアスレティックテープを用いた足関節のテーピングについては有料記事にまとめてあります。興味のある方は以下もご覧ください。

ところが、5センチ幅のDynamic Tapeを60㎝程用いるだけで(1本のロールから8回分とれますね)それと同じかそれ以上の予防効果が短くても2日間、長ければ4日間貼付したままで得られます。しかもテープ自体は非常に薄く、2枚重ねのパワーバンドテクニックを用いたとしても、シューズやウェアを緩めることなくそのまま履くことが可能で、サッカーや陸上競技の選手など足の感覚を大切にしたいアスリートからはとくに好評です。

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さて、本題に入る前に、そもそもDynamic Tapeとは何ぞや?と言う方は以下のリンク(無料記事)をご確認ください。

 本稿では貼り方の基本についての簡単な説明も含みますが、より詳しく知りたいという方は以下の有料記事もご覧になられることをお勧めします。

また、本稿のスキルを学ぶにあたり、手元にDynamic Tapeがない方は、以下が国内総代理店になっておりますので、ご注文いただければ幸いです。

Dynamic Tape Japan Tel:06-6784-2280

 神経生理学的な効果を狙ったキネシオテーピングや、可動域の機械的な制限を目的とした通常のアスレティックテーピング(ホワイトテーピング)とは全く異なる生体力学的な効果を活かしたDynamic Tapeによる足関節捻挫予防、実際にテープを貼る前に確認しておきたいのは、いわゆる内返しによる捻挫の発生機序です。そもそも「内返し・足の内反」なる言葉は筆者が柔道整復の専門学校に通っていたころには存在しなかった言葉で、長野オリンピックにむけて、講演のため来日した米国人のATCをはじめとする専門家が”Inversion" と言ったのをどう訳すか、を喧々諤々(ある講演会では通訳の方と参加者が一触即発の状態まで…話がそれすぎました)する中で生まれた言葉です。その定義は…

内返し:足関節(距腿関節)の底屈+踵骨の内反+前足部の回外

ということは、それら3つの動作をそれぞれコントロールできれば良いわけですね。ああ、無料で閲覧できる範囲に大きなヒントを残してしまいましたが、勘のいい方なら「ああ、こうやって、ああやって、こう、だな」と閃きがあったかもしれません。まあ、それでもこの先の有料エリアに目を通していただけるかも、という淡い期待とともに実際の貼り方に話をすすめましょうか…

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さて、Dynamic Tapeの貼り方の基本は以下の3つでしたね…

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