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【加奈陀随想】私が最近見た3本のクラシック映画は素晴らしかった。(あくまで個人的感想)

デスクトップをスタートすると、ネットフ〇ックスとかアマ〇ンプ〇イムビデオとかのアイコンがただちに表示されるし、そのほかにもユーチ〇ーブや無料で無数の映画を見ることのできるサイトというのかアプリというのか、そういうのがいくつも出てくる。

もともと若いころから映画好きで、少年時代はゲーリー・クーパー、もう少し成長してからはポール・ニューマンなんかが好きだった。たぶん今の若い人たちにはピンと来ない名前だと思う。もちろん日本映画も好きだったが、若いころはどっちかというと「洋画」と呼ばれていた映画をよく見ていた。

デスクトップに出てくる最近の無数の映画は、大体、「良い映画」「面白い作品」を見分けるのが難しい。撮影技術、特に特撮技術の進歩発展は目覚ましいものがあるので、「どうやってこれを撮影したんだろうか?」と驚きの
連続のような作品がたくさんある。でも、見た後、心にズシーンと感動、余韻が残るような映画にはなかなか出会わないような気がする。これはあくまでも、私が見た作品の範囲内の話であることは言うまでもない。

それで、近頃、私は努めて若いころ見たような、あるいはかつて高い評判を得たような映画をサーチして見るようにしてみた。それで最初に出会ったのがすでに「つぶやき」で紹介した「The Pianist」(2002年)。これは20年前の作品だから、そんな大昔のものではない。ここにトレーラーを添付しておく。

実在したポーランド系ユダヤ人の著名なピアニストが, 第2次世界大戦の最中、ワルシャワのユダヤ人ゲットーで、ナチスドイツから受けた極度の迫害の中を生き抜いた感動的なドラマだ。

次に出会ったのが、何と1957年度に公開された米国映画の「12 Angry Men」。日本では確か「十二人の怒れる男」というタイトルで大きな話題作となった。オリジナルはテレビドラマとして発表されたが、そのリメイク版としてヘンリー・フォンダが製作、主演。舞台の98%ぐらいは12人の陪審員が、一少年の殺人容疑に関して有罪か無罪を論じ合う部屋の中だけという「超低予算」映画。
脚本が優れていれば、大金をかけなくても素晴らしい映画を創ることができる見本という評価を生んだとされている。

白黒の作品だが、12人の個性豊かな俳優たち(全部男性)の演技が素晴らしい。ほぼ全編、この陪審員室での12人の男たちの会話で進むのでついていくのはしんどかったが、肝心なところさえ押さえれば大丈夫。

この映画が製作されてから20年後にカラーのリメイク版が公開されたが、1957年の作品では、多くの登場人物が陪審員室の中で、スパスパ煙草を吸っていたが、20年後のリメイク版では、確か一人だけ、それもトイレの中で煙草を吸っていたのが面白かった。今、リメイク版を創ったらそれもカットされるだろう。

もう一つは、昨日見たのだが、私が若いころ東京で見て、「すげー映画」だと感動したもの。昨夜、数十年ぶりに見て、当時はよくわからなかった部分もはっきり理解できたが、改めて巨匠ウイリアム・ワイラー監督が61年前に発表した”問題作”のすごさが分かった気がした。

この映画「The Children's Hour」(邦題は”噂の二人”)は、19世紀に実際にスコットランドで起きた出来事を素材として1934年、リリアン・ヘルマンが創作した戯曲「子供の時間」(The Children's Hour) が原作となっている。

主役の二人の教師がオードリー・ヘップバーンとシャーリー・マクレーン。細かいことは書かないが、この映画に出ていたころのオードリー・ヘップバーンの美しさは、大げさに言うと筆舌に尽くしがたい。役の上でも、彼女の美しさがこの作品の重要なカギとなっているのが興味深い。
それまで、どちらかというとコミカルな役柄が多かったようなシャーリー・マクレーンが、この映画では驚くほど魅力的に見えるし、その迫真の演技力は素晴らしいと思った。

ともあれ、往年の名作を訪ね求める旅は、これからも続きそうである。

(ヘッダーの絵は、ワイフの作品。kayokotanaka.com)

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