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雇用の在り方が変わる中での「会社の魅力」の伝え方とは?

「日本型雇用制度疲労を起こしている、変えるべきだ!」

というのは私が人材業界デビューした2006年から言われていましたが、いよいよ変わりそうですね。
※日本型雇用システム(終身雇用・年功賃金・新卒一括採用)

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/012101035/

実際には急にガラッと変わるよりは、気づき動いた人からじわじわと変わり、振り返ると「え?こんなに変わったの?」となっていくものなんだと思います。

さて、雇用の在り方が変わろうとする中で、日々の考え方や日常業務にも変化が求められてくるわけですが、皆さんは何か変えられてきたことありますか?

私は最近、組織のゼロからの立ち上げにチャレンジしているのですが、評価制度、組織の構成、人員配置なども変わるなーと感じます。なのでこれまでのものを参考にしつつ、自社にとって最適なものを考える必要があると感じます。この領域では何も言えることはないのですが、私が長く経験した採用マーケットでは確実にわかっていることがいくつかあります。

その中の1つを具体的に書いてみようと思います。
それが、候補者への会社の魅力の伝え方です。

今伝えている会社の魅力をもう一段階落とし込むだけの考え方ですので、多くの人にとってすぐに取り入れることができるかと思います。参考になれば幸いです。

候補者が「その会社で働く意義」にまで落とし込んだ内容を会社の魅力として訴求する

採用において、数多ある企業の中から自社を選んでもらう上で、会社の魅力訴求はとても大切です。

しかしながら、私は採用支援の仕事に関わる中で、人事の方が会社の魅力を訴求しているつもりでも、候補者には伝わりきっていない現状が多くあると感じます。

・会社の魅力が伝わらない伝え方の例

「当社は急成長企業です。新卒で入社する皆さんは当社で働くことを通じて様々な商品やサービスに関わることができます!」

この伝え方(↑)は『急成長企業』や『様々な商品やサービスに関わることができる』という会社の特徴は分かりますが、これがどういう理屈で会社の魅力になるのか分かりません。ビジネス経験豊富な方であればこれだけの情報から勝手に想像して問題ないかもしれませんが、

さて、

候補者に対して、会社の魅力を「伝わるように伝える」ために必要なことはシンプルに候補者視点に立ち、もう一段深く伝えることです。

自分たちが伝えようとしている会社の魅力には、候補者にとって具体的にどのような意味があるのかを考えて、候補者が「その会社で働く意義」にまで落とし込んだ内容を会社の魅力として訴求する。

そうすることで、候補者は会社の魅力を理解できるようになります。

・会社の魅力として『高成長企業』を訴求する場合の伝え方の例

「当社は急成長企業なので、組織の拡大スピードに人員が追いつかない状況でマネジメントやリーダーを担うポジションが慢性的に不足しています。だからこそ、若手の採用では『組織を牽引するスキルや経験を身に付けたい』と考える方を求めています」

このように伝えることで、

候補者は「なるほど、この会社は急成長企業だから、リーダー経験を積むチャンスが多くあるんだな」と、会社の魅力を理解できます。

・会社の魅力として『様々な商品やサービスに関わることができる点』を訴求する場合の伝え方の例

「当社には複数の事業があり、本人の希望で事業部間の異動が可能なので様々な商品やサービスに関わることができます。すでに市場で高いシェアを獲得している事業部の商品に関わることで『洗練されたオペレーションを学ぶ』こともできれば、プロダクトマーケットフィット(Product Market Fit)段階にある事業部のサービスに関わることで『仮説思考やベンチャーマインドを育む』ことができます。それぞれの事業ステージが異なるからこそ、1つの会社で2社分、3社分の経験を積むことができます」

このように伝えることで、

候補者は「なるほど、この会社で様々な商品やサービスに関わることができるのは、自分にとって多くの経験を得ることに繋がりそうだ」と、会社の魅力を理解できます。

いかがでしたでしょうか?

さくっと「候補者視点」と書きましたが、1つの会社に長く勤め上げることが一般的な時代であれば、「訴求する魅力は会社の特徴まで」で十分だったのだと思います。一方で終身雇用ではなくなり、定年も長くなり、人生100年だから!と言われると、前よりも自立が求められる。

そんな時代になると、その会社でどのような経験や成長が望めそうなのか。
「いやいや、キャリアは自分で掴み取るものでしょ」という考えもありますが、それは前提としつつ、入社後の「こんなはずじゃなかった」はお互いにとって勿体無いことになりますので、今までよりは情報提供が求められると思います。

とここまでは、得意分野の採用の1つのプロセスで考えましたが、こんなちょっとした考え方や行動の変化が各方面で求められるのが今後のHRなんだと思います。

今は、タレントプールや評価、人員配置、社員育成などの考え方を再定義してますので、実践している中で見えてきたらまたまとめたいと思います。とはいえ、この領域は試行錯誤が続きますので、実践者の人たちと情報交換ができればありがたいです。

ではでは。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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