地頭が良くなる読書方法
地頭を良くするには「知識を増やす」のではなく、「自分で考える力」を身に着ける必要がある。
「自分で考える力」を身に着けるためには、本を受動的に読むのではなく、本と対話・議論しながら本を読むことで、地頭を鍛えることができる。
地頭力は、能動的に本を読むことで鍛えられる。
■ 地頭力を鍛えるための5ステップ
STEP1:読解力
STEP2:論理的思考力
STEP3:要約力
STEP4:客観的思考力
STEP5:応用力
■ 装丁読み(STEP1:読解力)
本を読む前の事前準備として、おそらくこんなことが書いてあるんじゃないかと、本の内容を推測しておく。
本の内容をミクロの視点で捉える。
本のタイトル、目次、表紙(カバー)や帯に書いてある情報からヒントを得る。
本を読む前に、少ない情報から、中身をある程度推測しておく。
■ 仮説作り(STEP1:読解力)
本を読む前の事前準備として、自分はなぜこの本を読むのか?という目標設定と目標までの道筋を想定しておく。
本の内容をマクロの視点で捉える。
なぜ自分がその本を読むのか?という目標を立てる。
その目標をどうやってその本で実現するのか?と構成や流れの道筋の仮説を立てる。
目標から逆算して考え、実際に読み進めてみて、仮説と違っていたら都度軌道修正する。
スタート地点や現在地点からではなく、常にゴール地点から逆算して考える。目標⇒道筋⇒現状の順番で設定する。
■ 取材読み(STEP2:論理的思考力)
読解力を鍛えるには、本を読むのではなく、本を取材する必要がある。
優れた読み手は、読者ではなく、記者になる。読みながら、「相槌」を打ち、著者が目の前にいたら自分がどういう「質問」をするかを考え、時には「メモ」を取る。
取材読みをすることで、感情を込めながら文章を理解できるようになる。感情がわかると、文章の流れがよく理解できるようになる。
取材するからには、本を読むときには、姿勢を正し、少し前のめりになる。
■ 質問読み(STEP2:論理的思考力)
情報と知識は違うものである。情報は知識にしないといけない。
質問を考えないと、知識は得られない。
「どうしてこうなんだろう?」「どうしてそう言えるのだろう?」と、常に質問を考えながら読む。
その情報がどういう意味で、どういうデータや事実に基づいているのか?を吟味して考える過程があってはじめて情報を知識に変えることができる。
■ 追及読み(STE3:論理的思考力)
自分で考える力を養うには、「疑問」を持つことが重要。
「質問」と「疑問」は違う。「質問」は著者の考えに沿った問いを考えること、「疑問」は自分で問いを立てることである。
本の中には疑わしいことが沢山書いてあるので、情報を鵜呑みにしない。
疑わしいことについては疑問を持ち、自分で調べるようにする。
追及読みは自分で考えるので、より深い知識が得られる。
■ 整理読み(STEP4:要約力)
本当に理解できているかどうかは、「一言で言い表すことができるか?」「短い言葉で伝えられるか?」「要約できるか?」でわかる。
本は魚であり、身と骨がある。骨は「著者が伝えたいこと」で、身は「著者が伝えたいことを補強する言説」である。
整理読みとは、魚の骨と身を切り分けることである。この整理ができて、はじめて自分の意見を持つことができる。
■ 推測読み(STEP4:要約力)
推測読みは、本を読みながら、骨となる「著者が伝えたいこと」「著者が本当に言いたいこと」を、主張は何なのかを見極めながら追跡することである。
下記の4パターンから、次の展開を推測する。
①例示している部分
②比較している部分
③追加している部分
④抽象化・一般化している部分
■ 検証読み(STEP5:客観的思考力)
検証読みは、同時に複数の本を読み、多面的なモノの見方を身に着けることである。
同時並行で複数の本を読むことにより、客観的・多面的な目線を持ち、方よりのない使える知識を身につけることができる。
「本当にそうなのかな?」「別の視点は無いのかな?」と思考を巡らせて、複数の視点で見ることが、考える力を身に着ける読み方となる。
検証読みにより、1つの意見を聞いて、能動的に別の角度から物事を考える多面的な思考力力を養うことができる。
■ 議論読み(STEP6:応用力)
最後に1冊の内容をアウトプット要約する。
要約として、本を読んだ感想/本の帯コメント/自分なりの結論をまとめてみる。
自分の立てた仮説の答え合わせをする。道筋は正しかったか?目標を達成できたか?
本を読んで目標が達成できなかったら、次にどんな本を読めば良めば目標達成できるか考える。
以上
参考:「東大読書」(著:西岡壱誠 出版:東洋経済新報社)
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