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「専門誌の社内読書会」のススメ。雑誌『宣伝会議』読書会のやり方とその利点

広告宣伝に関する月刊誌「宣伝会議」を用いた読書会を、社内で毎月主催しています。

詳しくは後述しますが、

  • 中長期目線のインプットの機会を確保できる

  • 自分ひとりでは気づけなかった記事に対する視点を得ることができる

  • シンプルに気分転換になる

といったメリットを感じており、手応えを感じています。

気づくともう1年半以上続いており、開催手順もメリットも明確に整理できてきたので、今日はそれについて書いてみようと思います。

どんな流れで開催しているのか?

読書会の予定を入れて、各々で当該号を入手する

毎月1時間ほどの予定を、読書会参加メンバーで毎月調整して確保しています。

その後はまずは各々で当該号を入手します。紙かデジタルかは人それぞれのようです。僕はデジタル版を定期購読しています(費用は会社から出ています)。

読書会までに各々で当該号を通読し、気になった記事をピックアップする

読書会の予定が決まったら、各々で当該号を通読します。

僕は前述の通りデジタル版ユーザーで、かつiPadを所有しているので、雑誌のレイアウトで読める電子ブック版で通読しています。

宣伝会議 電子ブック版をiPadで表示した際の写真
iPad Pro 11インチでの表示。紙版よりはやや小さめの表示だが、どうにかはなる程度

通読する中で、気になった記事をメモしておきます。ここで言う「気になった」とは、たとえば下記のようなものです。

  • 面白かった

  • 勉強になった

  • 自社ならこんな形で応用できるかもと思った

  • 「本当か?」と思った

  • (読書会に参加している)○○さんに感想を聞いてみたい記事だと思った

気になった記事は、その理由と共に事前に共有します。弊社の場合は業務プラットフォームのkintone上に「宣伝会議 読書会」というスレッド(掲示板)を作成しているので、そこに各々が下記の3項目を事前に記載します。

  • 記事タイトル

  • (Web版の)記事URL

  • 気になった理由

気になった記事を実際にkintone上で共有している例

読書会当日:いくつかの記事をピックアップして、感想を共有・ディスカッションする

読書会の当日になったら参加者で集まります(Zoomで開催しています)。軽く雑談したのち、本編に入っていくことが多いです。

まずは、参加者が事前に挙げた記事にファシリテーターはざっと目を通します。

1つの記事でそこそこディスカッションできるので、参加者が挙げた記事を時間内にすべて話し合うことはほぼ不可能です。そのため、下記のような記事をとくにピックアップして、話題として取り扱います。

  • 複数人が挙げた記事

  • 自社の取り組みと関係が深そうな記事

  • この読書会に初めて参加した人が挙げた記事(読書会に参加しやすい空気をつくるため)

ピックアップする記事を決めたら、その記事を挙げていたメンバーに話を振ります。

  • この記事はどんな内容だったかを、あらためて教えてください

  • なぜこの記事を取り上げたのかを教えてください

ここからあとは、基本的には自由に話していくのみです。

  • 私もそう思った、僕はこう思った

  • そういえばこんな出来事も社内でありましたよね

  • こんなニュースも見たことがあります

  • これってうちだとこんな形で使えそうですよね

など、広げ方は自由です。

ファシリテーターとしては、参加者全員が話せていそうかと時間経過にだけ注目しておきます。だいたい2〜4記事で1時間が終わることが多いです。

ディスカッションのメモを残す

読書会で話した内容はメモしておきます。読書会が終了したら、前述したこの読書会に関するkintone上のスレッドに、議事録のような形で記載しておきます。

前提として「読んですぐ短期的に自分たちの仕事に役に立つ!」という記事は少ないです。そのため、そうしたデメリットをメリットが少しでも上回るよう、読んだり議論したりした内容は社内で広くオープンに共有します。そうすることで、より多くの人が中長期的なメリットを享受しやすくなるので、デメリットを帳消ししやすくなるだろうという考えです。

実際、この読書会には参加していないメンバーが、読んだり話したりした内容のメモを見て「自分はこう思いました」といったコメントを書いてくれるときもときどきあり、オープンに共有しておくよさを感じています。

3つのメリット

中長期目線のインプットの機会を確保できる

何も考えずに日々の業務に取り組んでいると、目の前の業務だけに役立つ短期目線のインプットにどうしても絞られがちです。

こうした読書会が定期的にあると、半強制的に中長期目線のインプットの機会を確保できます。

また、自分ひとりで読み込んで終わりではなく、複数人で集まってディスカッションする機会も含まれているので、これもまたいい意味での強制力につながりやすいです。

自分ひとりでは気づけなかった記事に対する視点を得ることができる

この読書会は、一応は「マーケティングやその周辺業務に関わっているメンバー」で開催しています。しかし、詳細な担当業務はそこそこ異なったメンバーで構成されています。

具体的には、現在はこんな感じ。

  • マーケティング本部長

  • プロダクトマーケティングマネージャー

  • 新規顧客向けプロモーション担当

  • Webコンサルタント

  • グラフィックデザイナー

  • カスタマーマーケティング担当

これだけ立場が異なると、視点を共有することで同じ記事の別の読み方を学びやすいです。また、そうした読み方の違いを知ることで、各々が日々異なる視点や視座で仕事をしていることにも気がつけて、相互理解にもつながっているように感じます。

シンプルに気分転換になる

副次的な効果ですが、シンプルに気分転換になります。

とくにリモートワーク中心になった今、目の前の業務のこと以外のことを話せるというのは、たとえ仕事に関する話だったとしても息抜きになりやすいのだなとしみじみ感じます。

参加者の実際の感想

上述したメリットの話にもつながりますが、「楽しい」「普段の業務ではあまり触れられない目線の話ができるので学びがある」という声が多いです。

楽しい!!!
面白かったです。(読んだ内容をもとに)いま社内外で起こっていそうなことを言葉で表現してみる機会にもなるので、いろいろ学びがあります。
みんなの視点や経験から刺激をたくさんもらえた
(論じる)対象が(人ではなく)記事なので、仕事では聞けないような遠慮のない論評がたくさん聞けるのもおもしろいところ
ザツダン的要素もあって楽しい
普段の業務の中ではあまり触れられない新しい(社内外の)動き、考え方に触れられていい勉強会です。

終わりに

今回は「宣伝会議」を使った読書会の例でしたが、これに限らず、自分たちの業務に合った専門誌を使ってこうした読書会を開くのは、いろいろメリットがありそうだと感じています。

社内の勉強会開催の参考等になると嬉しいです。

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