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「平成ミドル・マネジメント覚書」#21 体験的事業開発論②

2.事業開発組織のトップとしての仕事
①   山本五十六
・といっても「やってみせ〜」ではない。「やれと言われれば、初めの半年や一年は暴れてごらんにいれます」の方。短期ローテション人事、継続性のない組織では、この割り切りが不可欠。これについて疑問を持つ方は、「『まじめ』と『不真面目』」の項参照。
 
②   と金づくり
・与えられた人材で戦う。香車にも意味がある。事業開発は、多くのひとが「歩」だと思っている人材が「金」に変わる取組。ただし、「縁台将棋」かつ「ちゃぶ台将棋」であることをお忘れなく。傍観者が好き勝手に口をはさみ、突然、前提をひっくり返されることもあるもの。
 
③   トリュフ豚
・いいネタ、本気のヤツを探して連れてくる。これが大事。「トリュフ豚」ができる人材は希少。多くの場合、自分がやらざるを得ない。
 
④   ヒーローづくり
・成功体験を通じて中堅・若手のヒーローを作りだしていく。このヒーローが他の中堅・若手のロールモデルとなる。ヒーローには、周りのおかげで成功したということに気づいてもらうことが重要。
 
⑤   無茶振り
・高いハードルを越えた成功体験が人を育てる。ハードルの先に目指すものが見えている場合には、無理と思えるハードルも越えることができる。
 
⑥   任せる
・自分ごととして取り組んでもらうことが大事。基本的には何をやってもいい、というメッセージが重要。ただし、戦略的な組立がないとか、自分だけがいい目をしようとしているといった場合には、意識合せが必要。
 
⑦   難しい場面での意思決定では、困難な方を選ぶ
・腰が引けていてはうまくいかない。前荷重で直滑降。他人の目が気になるようなら、最初から「ひとから笑われるように仕事をしよう」と宣言しておく。そう決めてしまえば、ひとから笑われてもなんともない。
 
⑧   地雷探知とブルドーザー
・人生至るところ地雷あり。失敗体験に基づくアドバイスをし、失敗確率を下げる。組織内の障害は、肩書を利用して除去してあげる。
 
⑨   横連携の場づくり
・味方づくりを進めるための場をつくる。ネタはなんでもいい。むしろ、事業開発と直接関係ないネタでつながったひとが意外な効果を生むことがある。
 
⑩   成功体験の確認
・自分ひとりで「成功」だと思っている間は、真の成功ではなく、他人から認められて初めて「成功」になる。成功は盛大に祝う。年度末の発表会は、横連携の場作り、成功体験確認のために重要。締切効果も期待できる。
 
⑪   気づきの促し
・成功体験を確認したら、もう一つ上のステップに進んでもらう。そのための気づきをしかけていく。


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