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Vol.19_役割から考える『報連相』の重要性…

暖かくなりました。
暑いくらいの日もあります。
これからしばらくはお出かけシーズン!
どこに行こうか思いを巡らせるだけでも楽しくなってきます。

さて、今日は当社の割りと大きな課題についてお話したいと思います。老舗の当社は3代目となる社長が陣頭指揮を執っておりますが、経営陣と部長陣との間の情報共有(日々の営業活動に関する現状分析や進捗状況、取組内容やトラブルなどなど)がかなり不足しているように見えます。

そこで、情報共有の重要性を認識してもらい、報連相の動機づけになればいいなぁと、部長陣を対象に半年ほど前から簡単な勉強会を開催し始めました。

今日はその一部をお話したいと思います。


1.報連相について(前置き)

『報連相』と聞くと、新卒新入社員研修の必須カリキュラムとして知られているので、比較的若い年齢層に対して習得を求められるものというイメージがあります。

しかし、当然のことながら若い人に限られたものではなく、どの年齢層、どの階層においても、それぞれのレベルで『報連相』は要求されるものです。

新入社員や若い人には『報連相』を求めていながら、上層部では「忙しい」「報連相が仕事じゃない」、時には「わからなかったら聞いてくれ」などとまで言って、経営層としっかり情報を共有しようという意欲・姿勢すら感じられない時があります。(一般論ではなく、当社のこと…)

この状態はずっと以前からのことのようですので、急に「報連相をきちっとやってくれ」と言い出すと、「えー、何だそりゃ?」ということになるのは自然ですので、批判するつもりはありません(いや、ほんと)。ただ、これから先の成長を考えた時、やはり組織内の情報共有は必要であり、そういう意味で報連相は重要なことと思いますので、経営者・部長の役割から考えてその重要性を説きたいと思ったのです。

2.経営者の役割と報連相

まず経営者。

役割については、いろいろな整理の仕方もあるし、表現の仕方もあると思いますが、かの有名な『ドラッカー 365の金言』ではトップマネジメントの役割として次の3つが挙げられています。

第一に、参入すべき技術、市場、製品、事業の決定、廃棄すべき事業の決定、組織としての価値観、信条、原則の決定である。

第二に、資金配分の決定である。資金の調達と投下は、トップマネジメントの責任であって、現業の部門にまかせることはできない。

第三に、人材配置の決定である。人材は組織全体の資源であって特定の部門のものではない。人事についての方針や、実際の主要な人事は、各部門、現業が関与するとしても、あくまでもトップマネジメントが決定すべきことである。

『ドラッカー 365の金言』より

これらは、組織のマネジメントであり、財務のマネジメントであり、人材のマネジメントであると言えます。そして、これらのマネジメントを行おうとした時、経営者は何から始めるでしょう…?

私は十中八九“現状把握”だと思います。

「従来の延長線で考えるからそうなるんだ」という声も聞こえてきそうですが、保守的で従来の方法を改善することで少しづつ成長し安定を維持してきた当社のような中小企業は、過去と将来を断ち切った判断は相当難しいものです。やはり現状把握から入るのです。(現状把握ばかりしまくって、そこから何も進まないという別の課題はありますが…)

そして、現状把握においては、部長からの報連相がとても重要になるのです。言い換えれば、経営者のマネジメントの多くは、部長からの報連相が発端となります。

❏各部の今年度の振り返りをもとに、次年度経営計画の方針を決定した。
❏クレームの報告があったので、社内の仕組みの再構築を検討した。
❏人員体制が整うまでの当面の間、新規施策の展開を中止した。
❏部位別売上というKPIに基づき、営業活動を評価する。

こういった活動は、そのほとんどが部長(あるいは課長)からの経営トップへの報連相が元になっているのではないかと思います。

そう考えると、『経営者のマネジメントが甘いとするなら、それは部長からの報連相(情報共有)が甘いからである。』とすら言えると私は思うのです。

3.部長の役割と報連相

次に部長。

部長の役割については、野中郁次郎氏の著書『知識創造企業』を参考にしたいと思います。

そこでは、経営スタイルの種類としてトップダウン型・ボトムアップ型・ミドルアップダウン型の3つがあるとし、日本企業の特質または日本的経営の成功要因は「ミドルアップダウン型」の経営スタイルにあるとしています。

いろいろな経営スタイル

ミドルアップダウン型経営では、ミドルがトップ(経営層)とボトム(現場)とのつなぎ役・橋渡し役となります。

事業戦略や組織運営、目標達成のための具体的施策の立案からその計画をミドルが主体的に考えトップ(経営)に提案し、決まったら今度はそれらはミドルを経由してボトム(現場)に伝えられ、実践されるという経営スタイルです。

ここでも「それは古いタイプの日本型経営だ」との指摘を受けそうですが、カリスマ的経営者や敏腕部長はおらず、現場力も突出したものはなく、とにかく皆が日々一生懸命仕事をしているという平々凡々な地方の中小企業では、中間に位置する部長(課長もそう)が力を合わせてつなぎ役となって組織を回すという、このミドルアップダウン経営が一番しっくり馴染むスタイルに間違いありません。

こういう役割を果たそうとすると、ミドル(部長や課長)はボトム(現場)との双方向的な報連相による情報共有のほか、当然ながらトップ(経営層)との情報共有も重要になってきます。

『トップが発するビジョンや方針が部長らが考えるそれと大きなギャップがあるのなら、日頃の部長からの報連相(情報共有)が的確性を欠いているから』なのかも知れません。

4.おわりに

以上のようなことを図解しながら部長陣と勉強会を行いました。

私としては、「俺たちがいなきゃ経営者はマネジメントが出来ないし、現場は何をやっていいかわからなくなる。俺たちが会社を回してるんですよ!」という気持ちを煽るくらいのスタンスで伝えたのですが、火をつけるのはなかなか難しいですね。

まあ、この程度の話をしてしっかり情報共有ができるようになるなら誰も苦労はしないので、日々の組織運営の中で、経営からも情報共有を求め、部長からの報連相の充実も定期開催される会議などから改善を求めていきたいと思います。

そして時折、「なぜ重要なのか」という事も話しをして、意識の面にもチクッとだけ刺激をしていきたいと思います。

こういうのは理屈やルールではなく『文化』だと思うので、文化として企業に馴染むまでコツコツと活動したいと思います。

今日はここまで。
(やっぱり長くなるな…(-_-;))


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