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不登校からの 『 再 出 発 』 〜 後悔しない生き方 〜

こんにちは、三冠王(不登校+ひきこもり+ロスジェネ)のヨシ(@Yoshiです。

『不登校から再出発するまでの流れ』を体験談を交えながら書いてみたいと思います。
今回は「不登校になってから」だけでなく、「不登校になる前(プレ不登校)」の部分についても書いてみました。

不登校になる「きっかけ」から再出発に至るまでの全体の流れをまとめることで、「今はどの段階でどういう対応をすればいいか」の参考にもなるのではないかと思い1ヶ月ほどかけて書き上げました。

最後まで読んで頂けると嬉しいです!

再出発までの流れ

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私は不登校は『再出発するまでの準備期間』だと考えています。

生きていれば誰しも困難はありますが、不登校はそれが人よりも少し早く訪れただけなので、今までの自分を見直し、足りないものは補い、目的地を再確認してルートを修正し、再出発するまでの準備期間だと思います。

不登校はいったん学校から離れることで『より自分らしい人生』を再設計できるチャンスです。

ただ注意点として「いつから再出発するか」というスタートラインは必ず引いておいた方がいいです。

もし「いつまで」という期限を決めておかないとそのままひきこもりになる可能性があるので、再出発のスタートラインは必ず設定しておいた方がいいと思います。

私は不登校から再出発に至るまで、
プレ不登校→お疲れさまの期間→もやもやの期間→アップデートの期間→再出発の6つのプロセスがあると考えました。

図解とエピソードを交えてお話していきたいと思いますので、最後までお付き合い頂けると嬉しいです。

では、早速本題に入りたいと思います。

プレ不登校は「我慢の期間」

不登校になる前には必ず何らかのきっかけがあります。
私の場合は転校でした。

転校したことで優等生の自分が全てリセットされ、新しい環境下で自分が納得できるポジションをなかなか見つけられない間に「セルフイメージ」と「現実」とのギャップに苦しみました。
そして些細なことで傷つき、自信を無くし、優等生だった頃の自分像が完全に壊れてしまいました。

不登校のきっかけを聞くと「え、そんな些細なことで?」と思われることがあるかと思いますが、それは例えば砂時計の砂山が『ひとつまみの砂』の重みで崩れ去るのと似ています。
それまでずっと我慢してきたことが限界を越えた時、少しのきっかけで全てが崩壊してしまいます。

不登校の原因となる要素は複数あり、それらが複合的に関連し合ってツタのように絡まっているため原因を一つに特定できず、本人でさえ自分の置かれた状況が説明できないことが多いです。

このような何らかの『きっかけ』を発端として『我慢の期間』(プレ不登校)が始まります。

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プライドが高かったり、周囲の評価が高かったり、責任感が強ければ強いほど誰にも相談できないので、『我慢の期間』は長くなる傾向があります。

『我慢の期間』が長ければ長いほど蓄積されたダメージが大きくなるため、それだけ回復の時間を要します。

・G-G'間が短ければ原因が少なく、短期間で解決する可能性が高い
・G-G'間が長ければ原因の特定が困難で、回復までにそれなりの時間がかかる

G-G'間の長さはいわば「誰にも相談できず孤独に耐えてきた時間」です。

大人になると相談できる人がいたり気晴らしの手段があったりしますが、子供はそうした手段が少ないのでどうしていいかわからないままひたすら耐えるしかありません。

誰にも相談できず、グチも言えない状況は大人でもかなりツラいですよね。

ではこの時の子供の立場と気持ちを想像しながら、次に続くプロセスを見ていきましょう。

お疲れさまの期間

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『不登校開始』直後(O)の心理状態

・頑張り切れなかった自分に対する悔しさ
・学校に行けないことに対する罪悪感
・普通の学生でなくなった自分に対する劣等感と絶望感

不登校になった直後は『我慢の期間』に蓄積された疲労に加えて、上記のようなネガティブな感情がうずまいています。
頑張ったけどダメだった自分に自信を失って心が傷ついている状態です。

周囲の対応としては身体のケガと同様に、心の疲れと傷が癒えるまで時間をおいて見守るしかありません。

『お疲れさまの期間』は本人の好きなようにさせてあげて下さい。

その際以下のように接すれば、本人の気持ちはかなり楽になると思います。

・詳しい事情はわからないけど、今までよく頑張ってきたのだからゆっくり休みなさい
・頑張ってきたあなたを責めるつもりは一切ないから、あまり自分を責めないでね
・気持ちが落ち着いたらいつでも話を聞くよ
・これからは一人で頑張らずに一緒にがんばろうね

こうしたことを言葉や態度で伝えることができれば、本人の気持ちが落ち着いた時親に相談するようになるでしょう。

この『お疲れさまの期間』は親子の信頼関係を築く上でとても重要な期間です。

よくあるケースとして、この時期に子供の考えを無視して親の考えを押し付けたり、無理に学校に行かせたりすれば一瞬で信頼関係が崩れるので注意して下さい。
ただ初動で信頼関係が崩れてもその後の対応次第で信頼関係が回復することはあるので、希望は捨てないで下さい。
親の想いはいつか必ず子供に伝わります。

ただ好きなことばかりさせているとひきこもりになったり、堕落していくんじゃないかと不安になると思いますが、この時点では心配ありません。

というのも、実は本人も同じことを考えているからです。

私が不登校になってしばらく経った頃、無駄に一日が過ぎていく日々に嫌気がさして「このままじゃいけない」と思っていました。
このまま堕落していくんじゃないかという不安は子供も同じように感じているので、この段階では好きなことをさせて回復を待つことに専念した方がいいと思います。

もやもやの期間

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好きなことをして気持ちが落ち着いてくると、変化のない毎日が退屈になってきます。
ゲームをしていても全然楽しくありません。
この時期は頭の中ではいろんな思いが湧き出てきます。

・こんなダラダラした毎日を送っていていいのだろうか?
・学校に通ってた日が遠い昔のように感じる
・通学する学生を見ると自分だけ置いていかれているように感じる
・もう普通の世界(学校)には戻れないのだろうか?
・このままいけば将来どうなるんだろう?

だんだん自分の考えだけでは煮詰まってきて、人と話したくなってきた時(M')がターニングポイントです。
ここが非常に重要なところで、何か話をしたいようなサイン(しぐさ、表情など)は見逃さないようにして下さい。

本人が話し出したら、気のすむまで話を聞いてあげてください。

・なぜ自分は不登校になったのか
・あの時どうすればよかったのか
・他の人は同じような状況の時どう対応しているのか
・自分は弱い人間なのか
・もう普通の人生は歩めないのか
・昔不登校だった人は今どんな人生を歩んでいるのか

一人では結論が出なかったことをいろいろ話してくると思いますが、
人生の先輩としてわかることは教えてあげて、
わからなければ一緒に考えてあげてください。

こうした問いに正解はないので答えようとせずに、「私の場合はこうだったよ」と親身になって一緒に考えてあげる姿勢が大事だと思います。

そうすると「自分一人だけの悩みじゃなくて、大人も似たように悩むんだ」と思えるようになるので、本人の気持ちはかなり楽になるでしょう。

この時築き上げた親子の信頼関係は、今後の長い人生を生きていく上で大きな財産になると思います。

アップデートの期間

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さて、ここからは気持ちを新たに再出発するための準備期間です。

本を読んだり、映画を観たり、インターネットでいろんな世界を知ったり、いろんな人と交流したりして自分の世界をどんどん広げていくといいと思います

この時おすすめの方法として、

・やりたいことリスト
・できることリスト
・やりたくないことリスト

を作成するといいと思います。

自分を棚卸しして書き出すことでよりクリアに人生設計を考えることができるので、これらを参考にして再出発に向けての目標を設定していけばいいと思います。

ちなみに私はこの「アップデートの期間」にたくさんの本を読み、Z会で文系・理系の全科目を勉強し、洋書や英字新聞を読んでいろんな国の考え方を知りました。

この時身に付けた『独学の習慣』はその後の人生のいろんな場面で自分を救い、成長させてくれました。

社会人になれば「何を学ぶか」を自分で決め、「学び方」も自分で見つけないといけませんが、そのスキルを早い段階で身に付けられたことは良かったと思います。

『独学の習慣』は不登校によってもたらされた思わぬ副産物でした。

再出発!

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さて、準備が整ったらいよいよ再出発の時です。

不登校の進路は大きくわけて3通りあると思います。

・学校に復帰する
・学校に復帰せず勉強に専念し、高認から大学受験する
・そのまま社会人になる

どの進路もメリットとデメリットがありますが、それらを十分によく理解したうえで、本人が進みたい道を選べばいいと思います。

学校に復帰する

本人に学校に復帰したいという意志があれば、断然復帰した方がいいです。
その後の人生の難易度が全然違います。
ただ『学校に戻ることだけ』を目標にしてしまうと続かないので、学校の先に何か目標を作るといいと思います。
「夢を実現するためにはまずは学校に行かなければならない」という目的意識をしっかり持っていれば、学校に復帰しやすいと思います。

もう一つ大事なことですが、学校に復帰する場合は必ず期限を決めておいた方がいいと思います。
もし期限を決めないと「明日こそ学校に行く」宣言を何度も繰り返すことになりますので、「○月○日から学校に復帰する」と期限を決めた方が精神的なゆとりができ、復帰までしっかり準備することができるのでより確実性が高まるでしょう。

高認から大学受験

学校の復帰はキッパリと諦めて受験勉強に専念し、難関大学専門学校に進学する道です。
同級生が授業や部活、通学に費やしている時間をすべて勉強時間に当てることができるので、受験勉強に関して言えば非常に有利な立場にあります。

私は小学4年生から不登校でしたが、独学で勉強して大学受験時の全国模試で偏差値70以上を取れていたので学習計画さえしっかりしていれば難関大学に合格することは十分可能です。

大学受験は不登校から一発逆転を狙う最大のチャンスであり、また大学こそ不登校の子供にとって最も理想的な学習環環境なので、人生をトータルで考えた場合かなりコストパフォーマンスの高い選択だと思います。

そのまま社会人になる

同級生よりも早く社会に出てキャリアを積むことができるので、職業の選択を間違えなければキャリア形成という意味でアドバンテージは大きいと思います。

ただ誰にでもできる仕事ではなく、専門知識や技術が必要とされ経験年数が評価される仕事を選ぶといいと思います。

日本で修行して手に職をつけ、海外を目指すのもいいかも知れません。
例えばヨーロッパは本物の寿司を出しているお店が少ないので、ビザを取得しやすいドイツなどで寿司職人として働くのもいいと思います。

最後に

不登校になると将来どうなるかと不安になったり、早く学校に復帰しようと焦ったり、ネガティブな感情になりがちだと思います。
でも不登校が一生続くわけではないので、『リフレッシュ休暇』と割り切って「この時間をどう活用するか」と考え方に切り替えるのも一つの方法だと思います。

ちょっと立ち止まって自分自身と世の中を見つめることは、将来どう生きていくかを考える上でとても大事な時間だと思います。

旅に出かけたり、
サークル活動に参加していろんな世代の人と交流したり、
興味のあることを徹底的に調べたり、
尊敬する有名人に会いに行ったりしてみてはどうでしょうか?

『今までやってみたかったこと』をこの際思い切って全部やってみたらいいと思います。

学生時代は人生の16%

「人生100年時代」とよく言われますが、そう考えると学生の時間は小学校から大学まで16年間しかありません。(義務教育は9年間
大人になってからの人生はなんと78年間もあります。

この事実をどう捉えますか?

たったの16%の学校78%の人生を決定すると捉えるか、
たったの16%の学校78%の人生を犠牲にすることはないと捉えるか、
それぞれの立場や価値観によって捉え方は様々でしょう。

生き方に正解なんてありません。
華々しいキャリアの人でも裏ではいろいろ悩みがあるものですし、お金はなくても暖かい家庭を築いて幸せな人もいます。

私も不登校になって苦労はたくさんありましたが、これは自分で選んだ生き方であり、他の人に代わることのできない自分の人生なので責任をもって生きてきました。

自分で選んだ生き方ですから、後悔はしたくありませんでした。
後悔しないように、目の前のことに一つ一つ向き合って納得いくまでやってきました。
その結果、自分のやりたかったことを一通り実現することができました。

だから自分の選んだ道に後悔はありません。

どん底に落ちた時は、自分の姿が痛々しいほどよく見えるでしょう。
きらびやかな自分だけでなく、泥まみれの自分も愛してください。
世の中を恨んだり、手を差し伸べる人を待つよりも、
まず自分を愛してあげてください。

自分を愛し、認めるところからすべてが始まると思います。

自分の生きる人生を愛せ。
自分の愛する人生を生きろ。

Love the life you live.
Live the life you love.

ボブ・マーリー

最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。
もしこの記事がよかったと思って頂けたら、スキを押して頂けると嬉しいです。

今までの不登校・ひきこもりの体験談とは少し違った視点で書いていきたいと思います。
社会復帰についても書いていきたいと思いますので、今後とも応援頂けると嬉しいです。

ヨシ(@Yoshiでした。
それでは、また!

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