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駐在2年目への警鐘ー「駐2病」からどのように脱却するか?

こんにちは。よしです。最近娘と外食し、店内に流れている歌を聞いていた娘から不意に「ヒゲダンって知ってるよね?」と聞かれ、「ルネッサ~ンス」と答え完全にドン引きされました。もっと最近のトレンドを勉強せねばと反省した今日この頃です。
*店内に流れていた歌は「ヒゲダン」の歌でした。全然分かりませんでした。。。

さて、最近「中2病」傾向のある中学生の娘を横目に、本日は駐在2年目にかかりやすい「駐2病」について書いてみたいと思います。自分の駐在2年目も随分昔のように感じますが、少し思い出しながら書いてみます。

✓駐2病の前に中2病とは?

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この「駐2病」ですが、私が「中2病」にちなんで命名してみました。流行りませんかね(笑)。そもそも中2病とはなんでしょうか?以下Wikipediaからの引用です。

「中2病」とは
中学2年生頃の思春期に見られる、背伸びしがちな言動を自虐する語
出所:Wikipedia

うちの娘にもバッチリこの傾向が表れています。まだ私と一緒に外食してくれるだけマシでしょうが、思春期の子供は対応が難しい事を今まさに痛感しております。

さて、この「中2病」と同じく、「駐2病」が存在すると思うのです。私が思う「駐2病」は以下の通りです。

「駐2病」とは
駐在2年目の海外生活に慣れて来た頃に見られる、背伸びしがちな言動を自虐する語。具体的には次の現象があらわれる
 ✓本社をディスる
 ✓ローカル社員をディスる
 ✓居酒屋で態度が横柄になる(特にアジア圏)
 ✓会話にルー大柴のようなカタカナが増える

順に見て行きましょう。

✓本社をディスる

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駐在を開始して2年目となると、随分現地の様子が分かって来ると思います。仕組みが整っていない事や平均的に能力の高い社員が揃っていない事、途上国では行政手続きがずさんで、それが仕事に支障を来すこともあるでしょう。異文化コミュニケーションでの仕事は、日本ほどスムーズに進まない事もあり、時に苛立ちを覚える事もあるでしょう。

そんな中、現地の状況を知らない本社から「なんで数字が上がらないの?」「なんで納期通り出来ないの?」など心にグサッと刺さる一言を頂く事があります。

駐在員の中では有名な言葉で、「OKY」というのがあります。「お前が(O)、ここに来て(K)、やってみろ(Y)」です(笑)。

そんな訳で、駐在員も「本社は何もわかっていない」とディスり始めます。これが一つ目の現象です。

✓ローカル社員をディスる

上記に付随する事ですが、赴任地によっては日本ほど平均的に能力の高い社員が揃っていない事もあります。日本と異なり「ジョブ型」の仕事スタイルの海外では、「役割範囲外」の仕事を積極的に取り組む社員は極めて少ないです。結果、仕事の落球が非常に多いです。

一方、日本は役割があいまいなところが多く、「役割範囲外」の仕事でも社員は仕事の落球を拾ってくれるケースがあり、それが評価に繋がったりもします。

日本型の仕事に慣れている駐在員は、「なぜ落球を拾ってくれないんだ?」とローカル社員もディスり始めるのです。これが二つ目の現象です。

✓居酒屋で態度が横柄になる(特にアジア圏)

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イライラは居酒屋でも表面化してしまいます。折角ストレスを発散させたいと訪れた居酒屋で、オーダーミスや配膳の遅れが発生するのです。特にアジアの日本食レストランは、味は本場の日本食に追いついている場合でも、店員の教育が日本ほど追いついているとは限りません。まだまだミスが発生するケースが多いのです。

そしてついに店員に対しても激怒し、居酒屋においても横柄な態度をとってしまうのです。これが三つ目の現象です。

✓会話にルー大柴のようなカタカナが増える

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駐在2年目で英語力もアップしたと思わせたい(自分も思いたい)ので、会話にルー大柴のようなカタカナが増えて来ます。「前もってコンセンサスを取っておこう」「チームでアラインしておこう」「会社のストラテジーは…」などなど、会話の節々にカタカナが増えてきます。

背伸びしたい気持ちは分かりますが、駐在2年程度で英語力が1年目と比べて劇的に伸びる程、語学は甘くありません。カッコつけても日本語会話にカタカナが入ると分かりにくいです。これが四つ目の現象です。

✓「駐2病」からどのように脱却するか?

さて、何やらわかったようなふりして書いて来ましたが、これは全て私がリアルに経験した事です。私も駐在2年目は余裕で「駐2病」にかかっていたのです。思春期真っ只中でした。

本社の皆さん、ごめんなさい。ローカル社員の皆さん、ごめんなさい。怒ってしまった店員さん、ごめんなさい。聞き苦しいルー大柴用語を使ってごめんなさい。もう時効でしょう(笑)。

駐在2年目というのは慣れもあるのですが、駐在を1年経験し、2年目に結果も出さなければならないので、反面余裕がなくなる事もあるのです。当時ベトナムの新会社・新工場を立ち上げている最中の私はまさにそんな感じだったと思います。

では、この「駐2病」からどのように脱却するのでしょうか?

実は「中2病」のように思春期を過ぎ、精神的に安定すると脱却できる訳ではありません。残念ながら駐在期間が長い人でも未だに「駐2病」にかかっている人を見かけます。あくまで私のケースですが、つまるところこの「駐2病」は、どの現象も全く「意味がない」のです。自分にとって「意味がない」という極めて単純な事に気づいただけなのです。

つまり、本社をディスってもローカル社員をディスっても全く意味がありません。コトを好転させる為には、本社に「正しく現地の状況を伝える」「そして今自分が困っている事を明確にし、本社からサポートが頂けるのであればそのサポートを受ける」。本社も現地も関係なく、企業としての目的はビジネスをうまく回す事です。本社と現地は役割が違うだけです。

ローカル社員に関しても同様です。社員に足りない能力があると感じるのであれば、それを補う教育プランを考え、実行に移す。落球して欲しくないのであれば、その落球ポイントをあらかじめ自分自身で想定し、そこに適正な社員を任命し、明確な指示を事前に与える。「役割外」と社員が主張するのであれば、時にインセンティブを与えるのも良いでしょう。

店員さんも同様です。怒っても間違ってオーダーされた料理がガラッと変わる事もなければ、料理が瞬時に配膳される事もありません。オーダーを間違う事も想定し、丁寧に確認しながらオーダーします。料理の配膳が少々遅くても、一緒に食事に来た人との会話を楽しめば良いのです。やりようは多々あります。怒ることほど無駄なことありません。

会話にカタカナが増えているかどうかは、一度自分の会話を録音・録画してみると良いでしょう。本当にルー大柴のようになっています(笑)。それを自分が見聞きしどう思うかです。

上記今風の言葉でまとめると「マインドセット」が必要な訳です。これもカタカナで、それこそルー大柴ですね(笑)。

ディスったり、怒ったりするのは生産的ではありません。繰り返しになりますが何の解決にもならず「意味がない」のです。随分前に「駐2病」にかかった者として言える事は、自分が出来る具体的な行動をリストアップして、全て「意味あることに変換する」ことが大事です。

最後に、私「ルー大柴さん」好きですからね(笑)。

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