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白紙で人と向き合う事の難しさ。本気のプロってどれぐらいいるんだろ?って話

家に帰ったら家じゅうがボールペンの落書きだらけになっていた。
家の奥で茫然自失の妻がいて、犯人であろう次男も泣いていた。
大切な一点物の品物が汚されて傷ついている妻。
意味も分からず、それでも異常事態を自分が起こした事は
何となく感じているのか・・・?の次男。

「何をしちゃったの?」

わかっているけどそう聴く。

「ひーくん書いちゃったの!」と次男。

「ママ悲しんでるね。どうすれば良い?」

これはカウンセリングと全く同じ姿勢と言える。

厳密に言えば、冒頭の「何をしちゃったの?」は
落ち度や負い目を認識しているから出てくる言葉なので
相手がクライアントさんであれば、こういう聴き方はしないだろう。

「何があったんですか?」が適切でしょう。

あの人を頼っていても駄目な理由⑦エビデンスで根拠を語り承認欲求重視。
この時にもお伝えしましたが、
カウンセラーが本来、来談者と向き合う際、
白紙の状態でその場にいる事が鉄則になります。

しかしながら、そうではない方が多いように想う。
状況に憂う一方で、それがとても難しいのも理解しているので
仕方ない事であるような気もしていたりします。

例えば、
スクールカウンセラーであれば、立場上・・・
学校と言うところと生徒の間にいる存在になりがち・・・。
故に起こる白紙で挑む難しさがあります。

学校の授業に馴染めない・・・その子の内側の話を聴いていく事に
重点を置いて質問を選んでいく訳です・・・

「授業についていけないんだ・・・」

という回答ひとつに対して、

学力的な問題と知的な部分の問題と、そもそもクラスが落ち着かない?
先生が苦手?など仮説が立てられると思うんですが、
この時点で白紙には程遠いって
気付ける人はどれぐらいいらっしゃるでしょう?

そもそも・・・

授業についていかなくていいや!と思えれば
この問題は解決するじゃないか!

そこに気付いたら、上記のような縛りは危険である事にも気づけますよね?

しかしながら、ご本人の言葉では【授業についていけない】という事を
とてもマズい事だと感じていらっしゃる様子がある訳です。

だから、

「そっかそっか・・・それは不安だね。
  そもそも何故授業についていかなきゃ!って思うの?」

意外なものでこの手の質問を突然投げられると
途端に深いところの会話になる事が多いです。

何故かと言えば、

普通聴かれない事だからなんですよね。

就職したいんです!!!

そうおっしゃってるクライアントさんに、

就職したいとおっしゃってるから・・・と
「ちなみにどんなお仕事をしたいんですか?」って聴いていく事は
既に白紙ではないかもしれないって事を言ってるようなものです。

目の前のクライアントさんが

仕事をしたい人なのか・・・?
仕事をすべきと縛られている人なのか・・・?
仕事をせねばならぬと脅されている人なのか・・・?
仕事してる方がカッコいいじゃん!って
根拠なしで別の目的の方が大きい人なのか・・・?
エトセトラ・・・

就職したいです!

って言葉からだけじゃわからない訳です。

バカなんじゃね?ってぐらい白紙で臨むことが大切なんです。

「何で就職したいんですか?」

みたいなね。

「お金が欲しいんです!!!!」

に対しても・・・そうだよね・・・お金欲しいよね。
っていう自分の価値観も乗せて話しては白紙になり切れてません。

「お金は何故欲しいんですか?」

段々、勝手に深いところに入っていきます。

「いや、金があれば何でもできるから・・・早く実家から出たいし・・・」

なんて目の前の方が言って来たら、
その言葉に見える影のようなものが本来触れるべきものになるんです。

「就職したいです!」

「そっかそっか・・・どんなお仕事に興味があるんですか?」

なんて質問からでは見えないかもしれません。

勿論、プロのカウンセラーであれば前述した事が頭にある方でしょうから
如何なる質問からでも結局深いところに入っていく事は可能ですが、
そもそも自覚なく、先入観や価値観を乗せてしまってるカウンセラーでは
この表面上の質問と表面上の解答の中で
セッションが終わってしまうのが大半と言う印象です。

簡単な絡まりであれば、そんな難しい事もないんでしょう。

白紙で臨むという姿勢を勘違いした人間が
絶対的傾聴(ただただ聴きまくり、共感しまくる、受容しまくる)
に突っ走ったりしますが、それでも解決策を見つけ出す事が出来る人が
一定数出てくるのは、来談者が簡単な絡まり程度だったから
と言えると思っています。

しかしながら、複雑に絡まりまくっている人の場合、

なかなかそうはいきません。

カウンセラーさえも翻弄されてしまうんです。

「勉強した方が良いじゃないですか?」

「受験もあるし、良い高校になるべく入りたいし!」

「ある程度の大学に入れた方が年収に差も出るしチャンスも増えます!」

色んな言葉を紡がれたら、あなたの価値観にスッと入ってきちゃったり
共感を引っ張り出されたりする事もありますよね??

その瞬間にあなたは来談者と同じ迷宮に入っていく感覚になります。

俯瞰して見れるはずの立場だったのに・・・
気が付いたら同じ渦中で価値観ビンビンの話をし始めるんです。

プロのカウンセラーであるならば、白紙を全力で意識する事です。

バカじゃない?って質問も出来る勇気を持ちましょう。

普通じゃねぇよこの人!!って思わせたら勝ちですw
ある意味ね。

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