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欧米の緑の幻想がプーチンに力を供与

マイケル・シェレンバーガー:ベストセラー作家「サンフランシコ」(ハーパーコリンズ・2021年)、「アポカリプス・ネヴァー」(ハーパーコリンズ・2020年)、タイム誌「環境の英雄」、グリーンブック賞受賞、「エンバイロメンタル・プログレス」創設者兼社長、数千人の有料購読者

【私たちが、プラスチック製のストローを禁止している間に、ロシアはウランを採掘し原子力エネルギーを2倍に増やした】

https://bariweiss.substack.com/p/the-wests-green-delusions-empowered?utm_source=url&s=r

ウクライナを攻撃したプーチン氏の動機は、ウクライナを西側ではなくロシアの一部とするということである。その決断をみると、西側の指導者よりも エネルギーの実態や経済性をよく理解していることがわかる。
プーチン氏は、ヨーロッパのエネルギー事情、即ち、石油・天然ガス・石炭の消費量に比べて生産量がはるかに少ない事、そのためそれぞれ20%、40%、20%をロシアに依存していることを知っているのである。

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プーチン氏が欧州のエネルギー供給を支配できるようになったのは、欧米が自然エネルギー利用で地球を癒そうとし、天然ガスや原子力から脱却することに注力したからである。
グレタさんや緑の党のリーダーたちに主導され、ジョン・ケリー氏などの アメリカ人から支持されるヨーロッパ人は、「地球との健全な関係を築くためにはエネルギー消費を削減し、太陽光や風力で送電網全体をまかなえるように見せかける必要があった」と考えている。
そのため、3月初旬に対ロシア制裁が発表されたとき、ロシアを着実に痛めつけることになる「ロシアからのエネルギー輸入を断つ」ことを求める声はほとんどなかった。
なぜなら、環境活動家が原子力を攻撃したり、アメリカで採掘した天然ガスを輸入したりしている現状では、ヨーロッパ諸国には、他に良い選択肢がなかったからである。
シェレンバーガー氏は、3つの解決策を提案している。
・12月にドイツが閉鎖した 3基の原子炉を再稼働させること
・ヨーロッパとアジアのエネルギー安全保障を確保するために、米国とカナダ政府が協調して、北米の石油とガスの生産を拡大する行動に出ること
・米国は、原子力発電所の閉鎖をやめ建設を開始すべきである。
西側諸国の「エネルギーの迷信」によって力を得た、ロシアの専制的な政権から世界を救うのに遅すぎるということはない。

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